メッツ-ウィレッツ・ポイント駅 (IRTフラッシング線)

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メッツ-ウィレッツ・ポイント駅
Mets–Willets Point
 
ニューヨーク市地下鉄
メッツ-ウィレッツ・ポイント駅ホーム 地図
駅情報
住所 near 126th Street & Roosevelt Avenue
Queens, NY 11368
クイーンズ区
地区 ウィレッツ・ポイント
座標 北緯40度45分16.41秒 西経73度50分44.09秒 / 北緯40.7545583度 西経73.8455806度 / 40.7545583; -73.8455806座標: 北緯40度45分16.41秒 西経73度50分44.09秒 / 北緯40.7545583度 西経73.8455806度 / 40.7545583; -73.8455806
ディビジョン AディビジョンIRT
路線 IRTフラッシング線
運行系統    7 Stops all times (終日) <7>Stops rush hours in peak direction only (21時30分までのラッシュ時、混雑方向)
接続 バスによる輸送 ニューヨーク市バス: Airport transportation Q48
Railway transportation ロングアイランド鉄道 (LIRR): ポート・ワシントン支線英語版メッツ-ウィレッツ・ポイント駅で乗り換え)
構造 高架駅
ホーム数 対面式ホーム 2面(各駅停車)
島式ホーム 1面(急行および北行き各駅停車)
対面乗り換え(北行きのみ)
線路数 3線
その他の情報
開業日 1927年7日 (96年前) (1927-05-07)
改築 1939年24日 (85年前) (1939-04-24)[1]
バリアフリー設備 バリアフリー・アクセス (北行き各駅停車ホームのみ対応(営業はメッツ戦または特別なイベント開催時のみ)[2])
旧駅名/名称 ウィレッツ・ポイント・ブールバード駅(Willets Point Boulevard)
ワールズ・フェア駅(World's Fair)
ウィレッツ・ポイント-シェイ・スタジアム駅(Willets Point – Shea Stadium)
利用状況
乗客数 (2018年)1,756,825[3]減少 6.2%
順位 424駅中 263位
次の停車駅
北側の隣駅 フラッシング-メイン・ストリート駅: 7 Stops all times <7>Stops rush hours in peak direction only
南側の隣駅 111丁目駅 (各駅停車): 7 Stops all times
ジャンクション・ブールバード駅 (急行): <7>Stops rush hours in peak direction only


北側の隣駅 バリアフリー・アクセス メッツ戦および特別なイベント時:
フラッシング-メイン・ストリート駅: 7 Stops all times
南側の隣駅 バリアフリー・アクセス なし(南行きは非対応)
(メッツ戦および特別なイベント時:
ジャンクション・ブールバード駅: 7 Stops all times <7>Stops rush hours in peak direction only
停車案内表
マーク 説明
Stops all times 終日停車
Stops rush hours in peak direction only ラッシュ時に混雑方向のみ停車

メッツ-ウィレッツ・ポイント駅(Mets–Willets Point)はニューヨーク市地下鉄IRTフラッシング線の駅で、クイーンズ区ウィレッツ・ポイントにある。以前はウィレッツ・ポイント-シェイ・スタジアム駅(Willets Point–Shea Stadium)という名前だった。終日7系統が停車する。また、ラッシュ時の混雑方向やニューヨーク・メッツの試合時、そしてテニス全米オープン開催時には急行の<7>系統も停車する。駅はルーズベルト・アベニューの114丁目-126丁目にあるフラッシング・メドウズ・コロナ・パーク の中にある。駅の北側にあるシティ・フィールド(1964年から2008年まではシェイ・スタジアム)でのニューヨーク・メッツ戦や、南側のUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターでのイベント開催時には非常に混雑する。

歴史[編集]

配線図
フラッシング川
シティ・フィールドから見たメッツ-ウィレッツ・ポイント駅の階段。ロングアイランド鉄道の駅は後方左側、USTAナショナル・テニス・センターは後方右側である。

メッツ-ウィレッツ・ポイント駅は、ウィレッツ・ポイント・ブールバード駅という駅名で1927年5月7日に開業した[4]。当時はウィレッツ・ポイント・ブールバードと126丁目およびルーズベルト・アベニューの交差点にあり、フラッシング線各駅停車が止まるだけでプラットホームに繋がる2本の階段と短い上屋があるだけの地味な駅だった。1936年1939年ニューヨーク万国博覧会がフラッシング・メドウズ・コロナ・パークで開催されることになったため、予想される混雑に対応できるように現在地に移転したうえで改築され、急行停車駅に格上げされた。

1936年12月には、さらなる混雑に対応するために3面4線に拡張して両方向とも毎時40本が停車可能とすることが計画された[5]。万博輸送のための特別急行列車は1939年4月24日から運行された[6]。北行き相対式ホームとスロープは、再びフラッシング・メドウズ・コロナ・パークで開催されることになった1964年ニューヨーク万博の際に増築された。その後、シェイ・スタジアムが建設されるとしばらく後にウィレッツ・ポイント-シェイ・スタジアム駅に改称された。現在、1927年開業当初の名残は駅のすぐ東側で見ることができ、古い相対式ホームの鉄骨や以前の改札内エリアの一部が残っている。気付きやすいのは南行き相対式ホームが現在の11両編成よりずっと長くなっていることであろう。現在の待合所の東側の部分は以前の南行きホームの一部だが、修繕されないままで立ち入り禁止になっている。

マンハッタン方面ホームの閉鎖区画にある改札跡

ニューヨーク・メッツの平日夜の試合に合わせたマンハッタン方面の急行列車は2007年7月に導入され、2008年4月には平日夜と休日の全試合について試合終了後に運行されるようになった。この超急行列車は、マンハッタンまでの停車駅はクイーンズ区内の3駅(61丁目-ウッドサイド駅、クイーンズボロ・プラザ駅、コート・スクエア駅)のみで、所要時間は約1時間である[7][8][9]。試合後にはマンハッタン方面行き各駅停車は南行き相対式ホームに停車し、マンハッタン方面行き急行とフラッシング-メイン・ストリート方面行きは島式ホームに停車する。

シェイ・スタジアムの閉鎖・解体に伴い、MTAは駅名をシンプルなメッツ-ウィレッツ・ポイント駅に改称した。これは企業名を含む駅名(シティ・フィールドシティグループが命名権を購入した)を避けるためである。MTAは命名権取引に成功していないが、駅名を自由にしてよいという条件で競売にかけることはないと考えられる[10]。もし命名権取引が成立していれば、駅名はウィレッツ・ポイント-シティ・フィールド駅になっていた可能性もある[11]

2015年1月20日にニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモはグランド・セントラル・パークウェイ上に新交通システム エアトレイン・ラガーディア英語版を建設する計画を発表した。これは、当駅とラガーディア空港を結ぶものである[12][13]。しかし、コスト上昇の影響で2023年に計画は頓挫した[14]

駅構造[編集]

P
プラットホーム階
相対式ホーム、右側ドアが開く[note 1]
南行緩行線 34丁目-ハドソン・ヤード行き111丁目
混雑方向急行線 朝ラッシュ:34丁目-ハドソン・ヤード行きジャンクション・ブールバード
夕ラッシュ:フラッシング-メイン・ストリート行き(終点)
島式ホーム、左側ドア(夕方ラッシュ時の北行急行は右側ドア)が開く[note 2]
北行緩行線 フラッシング-メイン・ストリート行き(終点)
相対式ホーム、右側ドアが開く(試合開催時のみドア扱い)バリアフリー・アクセス[note 3]
M 改札階 改札、駅員詰所、メトロカード販売機
バリアフリー・アクセス (ルーズベルト・アベニュー南側に跨線橋へのスロープあり。他線への乗換は各駅停車でフラッシング-メイン・ストリート駅を利用のこと。)
G 地上階 出入口

メッツ-ウィレッツ・ポイント駅は3面3線の構造であるが、レイアウトが非常にユニークで、北から南行き相対式ホーム、南行き緩行線、両方通行の急行線、島式ホーム、北行き緩行線、北行き相対式ホームの順に並んでいる。

北行き(フラッシング-メイン・ストリート駅方面)の列車は通常は島式ホームで客扱いを行い、北行き相対式ホームはメッツ戦の開催日や全米オープン・テニスなどテニス・センターでのイベント開催時のみ使用される。駅の南側には中二階と北行き相対式ホームを結ぶスロープがあり、コロナ車両基地の上を通ってロングアイランド鉄道ポート・ワシントン支線のメッツ-ウィレッツ・ポイント駅に向かう横断歩道橋(パスレル・ボードウォークと呼ばれている)に繋がっている。線路およびホームの下に設けられた中二階は全長に渡って木造である。駅北側にはシティ・フィールドジャッキー・ロビンソン・ロタンダに直接行ける階段が設けられている。

夕方ラッシュ時には何本か当駅止まりの各駅停車が設定されており、この列車は急行線に停車する[15]。 駅の西側には、緩行線と急行線、それに111丁目行きの北側引揚線の間の渡り線が設けられている。駅の東側には急行線から南北両方向の緩行線への渡り線が設けられている(緩行線から急行線に進入することはない)[16]

障害者対応[編集]

ロングアイランド鉄道から延びるスロープ。背景はシティ・フィールド

2009年に北行き相対式ホームは障害を持つアメリカ人法(ADA)に基づいて障害者対応が図られた。メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ(MTA)は400万ドルを投じてルーズベルト・アベニューの南側から駅の中二階までの間にスロープを整備した。また、中二階からホーム階までのスロープもADAに準拠するよう改修された。このスロープはニューヨーク市公園レクリエーション局が保有・管理している[17]

この改修工事まで、当駅は障害を持つ利用者にとって不便な駅であった[18]。対照的に、ヤンキー・スタジアム最寄りの161丁目-ヤンキー・スタジアム駅マディソン・スクエア・ガーデン最寄りの34丁目-ペン・ステーション駅バークレイズ・センター最寄りのアトランティック・アベニュー-バークレイズ・センター駅など、ニューヨーク市内の主要なスポーツイベント会場の最寄り駅はこれ以前にすべて障害者対応になっていた。北行き各駅停車は、メッツ戦やイベント開催時のみ相対式ホーム側のドアで客扱いを行う。

歩道橋は、以前はケーシー・ステンゲル・プラザを超えて北に延びており、長い円弧型の階段を下りて改札口を抜けるとシェイ・スタジアムのゲートEに出ることができた。 2008年にはシェイ・スタジアムの建て替えに伴って歩道橋や改札口が撤去され、シティ・フィールドのジャッキー・ロビンソン・ロタンダに近いメッツ・プラザに下りる広い階段が設置された。 中二階の改札口の配置も、試合後の観客の動線を改善してすべてのスロープが利用できるように見直された。これにより、地下鉄を利用する観客だけでなく、パスレル・ボードウォークを横切ってロングアイランド鉄道またはフラッシング・メドウズ・コロナ・パークの駐車場を利用する観客の利便性が向上した[7]

駅周辺[編集]

  • シティ・フィールド
  • ザ・ショップス・アット・スカイビュー(ショッピング モール)

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ このホームへのスロープは車椅子非対応である。
  2. ^ このホームは車椅子非対応である。
  3. ^ 試合開催時以外はドア扱いなし
  4. ^ シェイ・スタジアムは2009年に建て替えられてシティ・フィールドになっている

出典[編集]

  1. ^ “Fast Subway Service to Fair Is Opened; Mayor Boards First Express at 6:25 A.M.”. The New York Times: p. 1. (1939年4月25日). http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F10712FC3A58127A93C7AB178FD85F4D8385F9 2010年1月16日閲覧。 
  2. ^ Mets - Willets Point Station Service Advisories”. MTA New York City Transit. 2009年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月26日閲覧。
  3. ^ Facts and Figures: Annual Subway Ridership 2013–2018”. メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
  4. ^ “CORONA SUBWAY EXTENDED; New Service Goes to Within 350 Feet of Flushing Creek Bridge”. The New York Times: p. 26. (1927年5月8日). http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F20F13F8395B157A93CAA9178ED85F438285F9 2009年9月26日閲覧。 
  5. ^ EXPANDED TRANSIT FOR FAIR IS ASKED "State and City Boards Join in Plea for Appropriation of $1,850,000.
  6. ^ “Fast Subway Service to Fair Is Opened; Mayor Boards First Express at 6:25 A.M.”. The New York Times: p. 1. (1939年4月25日). http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F10712FC3A58127A93C7AB178FD85F4D8385F9 2010年1月16日閲覧。 
  7. ^ a b "New York City Transit Provides Enhanced Mets Post-Game 7 Express Service" (Press release). New York City Transit. 9 April 2008. 2013年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月16日閲覧
  8. ^ "MTA New York City Transit Introduces 7 Express Service After Mets Home Games" (Press release). New York City Transit. 11 July 2007. 2013年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月16日閲覧
  9. ^ "7 Post Game Express Now Stops at Court Square on Game Nights" (Press release). New York City Transit. 9 May 2008. 2013年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月16日閲覧
  10. ^ Neuman, William (2009年3月11日). “Mets Decline to Buy Name for Subway Station at Citi Field”. The New York Times. 2015年10月24日閲覧。
  11. ^ Neuman, William (2009年3月11日). “Stadium Is Citi Field, but the Subway Stop Has Other Ideas”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2009/03/12/nyregion/12shea.html 2009年9月26日閲覧。 
  12. ^ Erin Durkin (2015年1月20日). “Andrew Cuomo announces $450M plan to build AirTrain connecting LaGuardia Airport to the subway”. NYDailyNews.com. 2015年1月21日閲覧。
  13. ^ Honan, Katie. “Cuomo Announces AirTrain to LaGuardia Airport from Subway, LIRR”. DNAinfo. 2015年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月20日閲覧。
  14. ^ ラガーディアのエアトレイン、白紙に 代替案としてシャトルバス」『DAILYSUN NEW YORK』、2023年3月14日。2024年1月6日閲覧。オリジナルの2023年6月4日時点におけるアーカイブ。
  15. ^ 7 Subway Timetable, Effective December 6, 2015”. New York Metropolitan Transportation Authority. 2016年3月7日閲覧。
  16. ^ Marrero, Robert (2015年9月13日). “469 Stations, 846 Miles”. B24 Blog, via Dropbox. 2015年10月9日閲覧。
  17. ^ "Mets-Willets Point Station: A New Name and a Fresh Look" (Press release). MTA New York City Transit. 10 April 2009. 2009年9月26日閲覧
  18. ^ Haddon, Heather (2009年4月12日). “Advocates: make Mets subway station accessible”. AM New York. http://weblogs.amny.com/entertainment/urbanite/blog/2009/04/advocates_make_mets_subway_sta.html 2009年4月20日閲覧。 [リンク切れ]

外部リンク[編集]