ニューヨーク市地下鉄

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ニューヨーク市地下鉄
ロゴマーク
6系統のパークチェスター駅へ到着するR142A電車
基本情報
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
所在地 ニューヨーク市
種類 地下鉄
開業 1904年10月27日
(最初の地下鉄路線)
1868年7月3日
(最初の高架路線)
1863年10月9日
(最初の鉄道路線)[注 1]
所有者 ニューヨーク市
運営者 ニューヨーク市交通局 (NYCTA)
ウェブサイト mta.info/nyct
詳細情報
総延長距離 233マイル (375 km)[1](路線延長)
846マイル (1,362 km)[2][3](線路総延長)
路線数 33路線
24系統[1]
駅数 468[1][注 2]
輸送人員 1,751,287,621人(2014年)[4]
1日利用者数 5,597,551人(平日、2014年)
3,233,114人(土曜日、2014年)
2,662,791人(日曜日、2014年)[4]
保有車両数 6,384両[5]
軌間 1,435 mm (標準軌)
電化方式 直流625Vまたは600V 第三軌条方式[2]
路線図
NYC subway-4D.svg
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ニューヨーク市地下鉄(ニューヨークしちかてつ、New York City Subway)は、ニューヨークシティー・トランジット・オーソリティー (NYCTA) によりニューヨーク市内で運行されている地下鉄(ラピッド・トランジット)である。

1904年米国ではボストンに次ぐ2番目の地下鉄として開業した。開業当初は民営であったが、1932年にはそれとは別個に市営地下鉄も開業し、1940年の完全市営化を経て1953年からNYCTAによる運営が開始された。

路線網はマンハッタンを中心にスタテンアイランドを除く市内のほぼ全域に広がっており、路線延長は233マイル(375km)で地下鉄としては北京上海ロンドンに次いで世界で4番目の規模を有する。468駅[1][注 2]が設置されており、全ての路線と駅で24時間営業が行われている。年間利用者数は約17億5000万人(2014年)で、世界で7番目に利用者が多い地下鉄でもある。

歴史[編集]

前史[編集]

ニューヨークで最初の「地下鉄」は、1869年サイエンティフィック・アメリカン誌の編集者で発明家のアルフレッド・イーリー・ビーチがデモンストレーション目的で建設したen:Beach Pneumatic Transitである[6]。ビーチはそれを郵便物用の気送管と偽ってトンネルの許可を取得し[7][注 3]1870年2月28日に一般公開した。トンネルの延長はわずか312フィート(95メートル)[8]で、ブロードウェイ市庁舎の真横を通る区間に建設された。車両は円筒形で送風機が生み出す空気圧で押し出す、あるいは吸い出すことで運転され、速力は時速6マイル(約9.7km/h)しかなかった[8]。その後ビーチの地下鉄は1873年恐慌の影響を受けて1874年に運行を終了し[9]1912年BMTブロードウェイ線シティ・ホール駅建設のため取り壊された[6]

ビーチの気送管式地下鉄が失敗に終わった一方、地下鉄開業以前のニューヨーク市では高架鉄道が発達した。最初の高架鉄道は1867年に技師のチャールズ・ハーヴェイによってグリニッジ・ストリートに建設された高架ケーブルカー(ウェストサイド・アンド・ヨンカーズ・パテント鉄道、後のIRT9番街線[10])で、1871年にはケーブル装置を廃して蒸気機関車による運行が始められた[11]。蒸気機関を使用した高架鉄道は騒音、振動、ばい煙をまき散らし、高架線が街路への採光を妨げるという問題があったものの、1878年6番街1880年2番街3番街でも開業し、1890年には高架鉄道全体で年間1億8820万人[12]を輸送するようになっていた。

地下鉄の開業[編集]

IRT路線図(1906年)
1904年10月27日に最初に開業した駅の一つIRTレキシントン・アベニュー線シティホール駅

ニューヨークで最初の本格的な地下鉄はインターボロー・ラピッド・トランジット (Interborough Rapid Transit Company、IRT) の手により、1904年10月27日シティホール駅 - 145丁目駅間で開業した[13]。地下鉄の建設と運営はニューヨーク市との間で交わされた契約に基づいて行われていたが、その後ニューヨーク市は1913年ブルックリンで高架鉄道と路面電車を運営していたブルックリン・ラピッド・トランジット (Brooklyn Rapid Transit、BRT)とも別個の地下鉄建設契約を締結し、この2社に競わせる形で市内の地下鉄の建設を推進した。

1914年第一次世界大戦勃発とその後の軍需景気、さらに狂騒の20年代を通じて地下鉄の利用者は急激に増加した。しかし契約上運賃は5セント均一で固定されていたため、インフレが進行したことにより却って両社の経営は悪化し、特にBRTは1918年の脱線事故で多額の賠償金を抱えたため、1919年に一度破産し1923年ブルックリン・マンハッタン・トランジット (ブルックリン・マンハッタン交通会社、Brooklyn-Manhattan Transit Corporation、BMT)として再スタートを切る事態となった。そこでニューヨーク市は自ら地下鉄運営に乗り出し、市直営のインデペンデント・サブウェイ・システム(独立地下鉄網、Independent Subway System、IND)を1932年に開業させ、路線の更なる拡充を図った。

最終的にニューヨーク市は1940年に両社を買収して路線網をINDに統合し、地下鉄の完全公営化が実現した。しかしIRTは車体長15mの小型車を使用し、BMTとINDは19m以上の大型車を使用していたため、旧IRTの路線はAディビジョン 、旧BMT、INDの路線はBディビジョン として現在でも別々に運行されている。その後、地下鉄の運営は1953年に設立されたニューヨークシティ・トランジット・オーソリティ(ニューヨーク市交通局、York City Transit Authority、NYCTA)に移管され、NYCTAはさらに1968年メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ (ニューヨーク州都市交通局、Metropolitan Transportation Authority: MTA) の管轄下に組み込まれた。また、ロングアイランド鉄道 (LIRR) から老朽化した一部の高架路線を買収・修復して既存のAラインと接続した。

こうして20世紀初頭から中期にかけて、ニューヨーク市において、3つの異なる鉄道会社が地下鉄と高架鉄道を中心とする路線を拡大した。地下鉄開業以前からニューヨーク市の公共交通を担っていた高架鉄道は、地下鉄の整備が進むにつれて多くの路線がそれに接続されるか廃止され、マンハッタン島内では1956年に全廃された。ブルックリンでは、地下鉄開業以前から存在する高架がまだ使われている区間もある[14]

ニューヨーク市地下鉄は、アメリカでは珍しい充実した公共交通ネットワークを構築し、ニューヨーク都市圏の重要な交通体系を担うようになった。しかし、1970年代以降、設備の老朽化に加え、車体全体を覆いつくすことすらあったグラフィティ、車内や駅構内での犯罪が目立つようになり、市民からも敬遠され利用者数は1910年代の水準にまで落ち込んだ。これらは米国内のみならず、メディアを通じ海外にも広く知れ渡る悪評と化したため、1980年代以降、駅のリニューアルや新型車両の導入、警備体制の強化等の対策が進められた。その結果、犯罪や落書きは減少し以前の評価を取り戻しているが、未だに車内や駅構内が不衛生であること、ダイヤが不正確であることや現業職員の接客態度の悪さなど課題は多数残っており、特に2005年に行われたストライキは、利用者を顧みない現業職員の身勝手な行為として市民の不評を買った[15]。一方で90年代以降は利用者数も増加に転じており、2014年には一日あたりの利用者数が過去最高を記録する[16]など、24時間運行や複々線による急行運転を行い米国内で最も充実した公共交通ネットワークを持つニューヨーク都市圏の重要な交通体系の一翼を担っている。

拡張計画[編集]

ロウワー・マンハッタンにはA・Cラインのブロードウェイ/ナッソー通り駅と、J・M・Zラインのフルトン通り駅、2・3ラインのフルトン通り駅、4・5ラインのフルトン通り駅が至近距離にあるにもかかわらずバラバラに存在するため、これら四つの駅を統合して総合駅化する Fulton Street Transit Center Projectが2009年完成予定で進められていたが、当初の計画から大幅に遅れた2014年11月にフルトン・センター複合駅が開業した。さらに周囲のCortlandt St駅やPark Place駅、World Trade Center駅、およびパストレインワールド・トレード・センター駅とも地下通路でつなぐことが予定されている。

2007年4月には、1972年に着工されたが、直後に中断されていた 2番街地下鉄 (Second Avenue Subway) (125丁目 - ハノーヴァー・スクウェア)の建設が30年ぶりに再開された。まずは一部区間(Qラインの延長という形で2番街96丁目まで)が開通する予定で、全線が開通した時は、北半分を走るこのQラインに加え、全線通しのTライン(ラインカラーは水色)がお目見えする計画である。

2015年9月には、7ラインのタイムズ・スクエア – 42丁目駅から11番街34丁目 – ハドソン・ヤード駅の延伸区間が開業した。これは1989年に開業したFラインのクイーンズ方面への延伸である63丁目線以来26年ぶりの新区間および新駅となった。当初の計画で途中に設けられる予定だった10番街 – 41丁目駅については、予算が下りれば新設されるが当面の予定はない[17]

路線と運転系統[編集]

運転系統[編集]

2015年10月現在、ニューヨーク市地下鉄には24の運転系統が設定されており、旅客向けの案内は基本的に運転系統を単位に行われている。運行系統ごとに物理的な線路数があり、これらの運行系統はそれぞれの物理的な線路と対応する(詳細はen:New York City Subway nomenclature参照)。電車の種別は急行 (Express または EXP)、各駅停車 (Local または LCL)、シャトル (Shuttle) の3種別がある。ただし日本の地下鉄とは異なり、基本的に急行と各駅停車は違う運転系統として区別されており、一つの運転系統の中に急行と各駅停車が同時に運行されているのではない(一部例外もある)。

各系統には運転区間や種別によって個別の系統記号、系統名が付けられているほか、ロウアー・マンハッタンミッドタウンでどの基幹路線 (Primary Trunk line) を通るかによってラインカラーがグループ化されている。このため目的地の最寄駅に停車する系統がわかっていれば、電車の系統表示を見るだけで乗るべき電車を判断できるようになっている。

24時間運転を行っていることも特徴の一つであり、これはシカゴの高架鉄道シカゴ・Lとともに世界で二つしかない。ただし深夜から早朝にかけては日中とは運転区間や停車駅が異なる系統もあるため、深夜の利用には治安以外の観点でも注意が必要である。また保線作業や工事を行ったり災害や事故があった場合には、不通区間を迂回して運行を継続したり、特定の駅や区間の営業を休止し代替バスを運行するなど、変則的な運行が行われる場合が非常に多い。保線作業や工事による変則運転は特に深夜や週末に多いため、乗車の際には事前にMTAの公式ホームページ内にある「Planned Service Changes」の項目にて告知を確認し、掲示物や駅、車内の放送などで伝えられる運行情報に十分注意する必要がある。

Aディビジョン (IRT) の運行系統

系統 名前
NYCS 1 ブロードウェイ-7番街線各駅停車
NYCS 2 7番街線急行
NYCS 3 7番街線急行
NYCS 4 レキシントン街線急行
NYCS 5 レキシントン街線急行
NYCS 6 NYCS 6d レキシントン街線各駅停車 (ペラム線各駅停車/急行)
NYCS 7 NYCS 7d フラッシング線各駅停車/急行
42nd Street Shuttle 42丁目シャトル

Bディビジョン (BMT/IND) の運行系統:

系統 名前 系統 名前
NYCS A 8番街線急行 NYCS L 14丁目-カナージー線各駅停車
NYCS B 6番街線急行 NYCS M 6番街線各駅停車
NYCS C 8番街線各駅停車 NYCS N ブロードウェイ線各駅停車
NYCS D 6番街線急行 NYCS Q ブロードウェイ線急行
NYCS E 8番街線各駅停車 NYCS R ブロードウェイ線各駅停車
NYCS F 6番街線各駅停車 Franklin Avenue Shuttle フランクリン・アベニュー・シャトル
NYCS G クロスタウン線各駅停車 Rockaway Park Shuttle ロッカウェイ・パーク・シャトル
NYCS J NYCS Z ナッソー・ストリート線各駅停車/急行

運行時間帯[編集]

運行時間帯は5つに分けられる。

  • Rush Hours --- 混雑時間帯。6:30~9:30までの間と、15:30~20:00までの間。月曜日から金曜日まで適用。
  • Middays --- 昼間時間帯。9:30~15:30までの間。月曜日から金曜日まで適用。
  • Evenings --- 夜間時間帯。20:00~深夜0:00までの間。月曜日から金曜日まで適用。
  • Weekends --- 週末時間帯。6:30~深夜0:00までの間。土曜日と日曜日のみ適用。
  • Late Nights --- 深夜時間帯。深夜0:00~6:30までの間。毎日適用。

路線[編集]

地下と高架の区間で色分けした路線図。赤:地下区間、緑:地上区間。
線路数で色分けした路線図。

ニューヨーク市地下鉄のほとんどの運転系統は公的な意味での路線名称 (Line) とは全く無関係に設定されており、路線名称としては34路線が存在し2015年10月現在33路線が営業運転に使用されている。残りの1路線、IND2番街線は建設中であり、2016年12月に開業予定である[21]

これらの路線は現在フランクリン・アベニュー・シャトルが使用しているBMTフランクリン・アベニュー線フランクリン・アベニュー駅 - パーク・プレイス駅間の1区間を除き、全区間が複線で建設されている。また急行運転を実施している路線では、急行運転区間の全線が複々線または三線となっており、急行と各駅停車の完全な緩急分離がなされている。

また以下に示す路線が基幹路線 (Primary Trunk line) である。

基幹路線 [22][23] パントン [24] 系統ラベル
IND8番街線 ビビッド・ブルー PMS 286 NYCS A NYCS C NYCS E
IND6番街線 ブライト・オレンジ PMS 165 NYCS B NYCS D NYCS F NYCS M
INGクロスタウン線 ライム・グリーン PMS 376 NYCS G
BMTカナージー線 ライト・スレート・グレー 50% black NYCS L
BMTナッソー・ストリート線 テラコッタ・ブラウン PMS 154 NYCS J NYCS Z
BMTブロードウェイ線 サンフラワー・イエロー PMS 116 NYCS N NYCS Q NYCS R
IRTブロードウェイ-7番街線 トマト・レッド PMS 185 NYCS 1 NYCS 2 NYCS 3
IRTレキシントン街線 アップル・グリーン PMS 355 NYCS 4 NYCS 5 NYCS 6 NYCS 6d
IRTフラッシング線 ラズベリー PMS Purple NYCS 7 NYCS 7d
シャトル ダーク・スレート・グレー 70% black NYCS S

地下鉄マップ[編集]

ニューヨーク市地下鉄の路線図は、MTA公式ホームページの「Maps」の項目うち、日中の路線図は「Subway System」で、深夜の路線図は「Late Night Service Map」で確認することができる。

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一覧[編集]

駅案内[編集]

 駅名には独特の表記方法が用いられており、例として42丁目は一般的に“42nd Street”という書きかたをするが、“42 Street”または“42 St”という表記が使われ、読みかたは通常どおり“Fourty Second”である。Avenueの場合も省略形が通常の“Ave.” ではなく、eとピリオドが消えて“7 Av”のように表記される。

 また、駅名表示が統一されていないのも特徴で、ファーロッカウェイ・モットアベニュー駅ではホーム上の駅名板では「ファーロッカウェイ」となっているが、同じホームにある柱には「モットアベニュー」と表示されていて、駅自体の出入口には場所により「ファーロッカウェイ駅」と「モットアベニュー駅」という2種類の表示がある。他にも、207丁目-インウッド駅では、一カ所の出入口を除き「207丁目」と表記されている。これら以外にもまちまちな表記法が散見され、車両によっては同じ駅ながら「コニー・アイランド」と「スティルウェルアベニュー」などと、一見別の行き先であるかの様な表記が混在しており、不慣れな乗客の誤乗の一因となっている。

警察官が常駐している駅[編集]

警察官が常駐している駅 (2011年10月現在)
駅名(フルネーム表示) 路線記号(太字は24時間運行)
59 Street - Columbus Circle / 8 Avenue A・B・C・D1
145 Street / Saint Nicholas Avenue A・B・C・D
161 Street - Yankee Stadium / River Avenue B・D4
Broadway Junction (Eastern Parkway) A・C・L・Z
Briarwood / Van Wyck Boulevard / Main Street E・F
Canal Street / 6 Avenue A・C・E
Coney Island-Stillwell Avenue / Surf Avenue DF・N・Q
East 180 Street / Morris Park Avenue 25
Franklin Avenue / Eastern Parkway 234・5
Hoyt Street-Schermerhorn Street A・C・G
Rockaway Park / Beach 116 Street A・S

駅構内の電光行き先案内[編集]

一部の大きな駅のホームには、電光行き先案内設備が備え付けられている。左側から、「終点の駅名(行き先)」・「分表示」と表示されている。 「分表示」の意味は、「何分後にこの行き先の地下鉄が来るのか」を表示している。例として「5min(5分)」を表示されていれば、「5分後にこの行き先の地下鉄が来ます」という意味である。 なお、黄色い文字が1番目、緑色の文字が2番目に来る地下鉄である。

構内アート[編集]

ニューヨーク市内の多くの地下鉄駅構内の壁には様々なタイル・アートが施されている(ニューヨーク市地下鉄駅のタイル)。また、MTAの許可を得たミュージシャンがホームで音楽を演奏している姿が見られる駅もある(Music Under New York)。

車両[編集]

ニューヨーク市の地下鉄

営業用車[編集]

ニューヨーク市地下鉄の車両(125丁目駅)

ニューヨーク市地下鉄は、2002年の段階で6,400両以上に及ぶ車両数を抱えている。1940年にニューヨーク市がすべての地下鉄路線を公営化して以降、車両の発注は、すべてニューヨーク市が行っている。ニューヨーク市地下鉄の車両は、車両番号の前に「R」をつける慣習があり、また車両番号は市当局と車両メーカーとの購入契約時の番号に依っている。Rが何を意味するのかについては、以下の3つの説があるが、未だに不明である。

  1. Revenue(=Passenger Equipment、客車)という鉄道用語から来た説
  2. Rolling stock(=車両)という鉄道用語から来た説
  3. Rapid transit(高速輸送車)という一般用語から来た説

ニューヨークの地下鉄は、その発展段階で、IRTとBMT&INDという2つの異なる鉄道システムを構築したために、車両もDivsion AとDivision Bで異なる規格の車両が導入されている。なお、Division Bの車両(横3m、長さ18.4m及び22.8m)は、Divsion Aの車両(横2.67m、長さ15.5m)よりも大きめに造られている。

現有車両は、以下のとおり。すでに廃車された車両を含めたすべての車両リストは、en:New York City Subway rolling stockを参照。


この他、退役した代表的な形式がNYCTAにより多数保存されており、ブルックリンにある地下廃駅を活用したニューヨーク交通博物館に展示されているほか、コニーアイランド車両基地の専用ヤードにも多くが保管されている。そのうち、稼動状態に整備されている

  • BMT Brooklyn Union Gate Cars
  • BMT D-Type Triplex
  • IRT Low-V
  • R1-R9
  • R12-R36 SMEE

といった各車は、しばしば休日を中心に本線走行することもある。特に2004年の地下鉄開業100周年の際は、これら動態保存車がフル稼働し、一部は42丁目シャトルなどで一般営業列車にも使用された。

車内案内表示装置[編集]

R142やR160などの新しい車両には、出入口ドアの上に新式の路線案内(車内案内表示装置)が取りつけられた。A Divisionの路線にはStrip Mapと呼ばれる案内用LED付の路線図、B Divisionの路線にはFIND (Flexible Information and Notice Display) と呼ばれる現在の地点より先の部分が表示されていくもの(日本に単体ではこのタイプはないものの、液晶の表示としては存在する)が採用された。

車内案内表示装置に表示される文章の意味[編集]

  • LAST STOP」・・・直訳すると「最終停止」、意訳すると「終点」となる。つまり、この車両編成は、この駅にて終点であってなおかつ折り返し運転する。
  • EXP」・・・「EXPRESS」の略語で、急行運転。
  • LCL」・・・「LOCAL」の略語で、各駅停車。

事業用車[編集]

事業用車両も存在して、変わったところでは現金輸送列車 (Cash Carry Coach/Money Train) や各駅のホームから発生するゴミ収集塵芥用無蓋貨車 (Garbage Train)、工事用クレーン車 (Understruction Train)、廃車予定車からの転用工事車両、そしてゴミ収集塵芥用無蓋貨車とクレーン車を牽引するためのGE(ゼネラル・エレクトリック社)製のディーゼル機関車もある。日本の地下鉄における機関車といえば東京都交通局E5000形電気機関車を上げられるが、こちらは電車を自走できない区間を回送する際に牽引するのみ。

運賃および乗車券[編集]

運賃は2015年10月現在、一乗車につき2ドル75セントの均一運賃となっている[25]。乗車の際には事前にメトロカードという磁気式のプリペイドカードを購入する必要があり、カードを自動改札機の読み取り機にスライドさせたときに運賃が引き落とされる仕組みになっている。

メトロカードには一回のみ有効のシングル・ライド券、購入時に5ドル50セントから80ドルの範囲で任意の額をチャージするペイ・パー・ライド券、定額制で乗り放題のアンリミテッド・ライド券の3種類があり、アンリミテッド・ライド券には有効期間が7日と30日の2種類がある。ペイ・パー・ライド券は繰り返しチャージができ、一度に5ドル50セント以上チャージすると11%のボーナスが付与される。メトロカードは駅の窓口や自動券売機、また街中にあるNewsstandなどの売店などで購入することができる。ただしグランド・セントラル駅を筆頭とする主要駅では、不慣れな旅行者のせいで券売機の前に行列ができることも多く注意が必要である。また2014年からはオンライン決済による自動チャージ機能の付いたイージー・ペイ・メトロカード、「Easy Pay Xpress」の利用が開始された[26]

ニューヨーク市地下鉄で使われたトークン

メトロカード導入以前は、駅窓口でトークン(代用貨幣)を購入し自動改札機に投入するというシステムが1953年から用いられてきたが、メトロカードの普及にともない2003年をもってトークンの販売、使用ともに停止された。これらのトークンはニューヨーク交通博物館にて収蔵・展示されている。

大衆文化におけるニューヨーク市地下鉄[編集]

その他[編集]

メジャーリーグにおいて、ニューヨーク・ヤンキースニューヨーク・メッツとの試合は、2チームの本拠地球場をニューヨーク市地下鉄で行き来できることから、サブウェイ・シリーズ(地下鉄シリーズ)と呼ばれる。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d http://web.mta.info/mta/network.htm
  2. ^ a b Facts & Figures - Subways”. 2014年3月9日閲覧。
  3. ^ Fitzsimmons, Emma G. (2015年9月10日). “Subway Station for 7 Line Opens on Far West Side”. 2015年9月13日閲覧。
  4. ^ a b c Introduction to Subway Ridership”. Metropolitan Transportation Authority (MTA). 2015年4月26日閲覧。
  5. ^ Capital Program Oversight Committee Meeting (PDF)”. Metropolitan Transportation Authority (MTA). p. 26 (2014年7月). 2015年4月30日閲覧。
  6. ^ a b 『ニューヨーク 地下都市の歴史』70-74頁
  7. ^ 『世界の地下鉄物語』163-164頁
  8. ^ a b 『世界の地下鉄物語』165-167頁
  9. ^ 『世界の地下鉄物語』169-173頁
  10. ^ The 9th Avenue Elevated-Polo Grounds Shuttle”. nycsubway.org (2012年). 2016年1月10日閲覧。
  11. ^ 『世界の地下鉄物語』182頁
  12. ^ 『世界の地下鉄物語』194頁
  13. ^ ニューヨーク市における初めての地下鉄の試験運転は、1867年にロウアー・マンハッタンブロードウェイ地下の短い区間で行われた(Beach Pneumatic Transit参照)。ニューヨーク市に最初の高架鉄道路線 (IRT Ninth Avenue Line) は1871年に開業している。
  14. ^ ニューヨーク市地下鉄で最も古い駅は、高架鉄道時代から使われていたブルックリンのヴァン・シックレン駅 ([[en:Van Siclen Avenue (BMT Jamaica Line)|en]) である。
  15. ^ 1966年には12日間1980年には11日間ストライキが行われた。
  16. ^ http://newyork.keizai.biz/headline/1317/「NY地下鉄、利用者数が過去最多-「危険」から「生活の一部」の乗り物に」ニューヨーク経済新聞2014年11月4日
  17. ^ "Outcry emerges for 41st St. stop on new 7-line".
  18. ^ Annual Information Statement 2001 Appendix A The Related Entities (PDF)”. Metropolitan Transportation Authority (MTA) (2001年). 2015年4月26日閲覧。
  19. ^ Tunneling to the Future: The Story of the Great Subway Expansion That Saved New York (2001).
  20. ^ Annual Subway Ridership”. Metropolitan Transportation Authority (MTA). 2015年4月26日閲覧。
  21. ^ 2016年12月に開通へ」Bi-DAILYSUN2013年8月2日
  22. ^ Official paint monikers since the colors were fixed in 1979: Grynbaum, Michael (2010年5月10日). “Take the Tomato 2 Stops to the Sunflower”. New York Times, City Room Blog. 2010年5月11日閲覧。
  23. ^ Official MTA video mentions "lime green" for the G line. Subway Colors and Names”. MTA Info (2010年7月15日). 2010年8月5日閲覧。
  24. ^ mta.info - Developer Data Downloads”. mta.info. 2010年8月5日閲覧。
  25. ^ [1]MTA“Fares & Tolls”
  26. ^ [2]「NYのメトロカードに「自動課金機能」追加-購入の手間を解消」ニューヨーク経済新聞2014年3月6日
  27. ^ ニューヨークの地下鉄と宇多川 信学氏 - ジャパンデザインネット
脚注
  1. ^ 1904年に開業した都市高速交通会社 (IRT)の本線はニューヨーク市「地下鉄」の最初の路線とみなされる。しかし、市交通局 See also nycsubway.orgFacts and Figures 1979–80によれば、高架鉄道である9番街線はそれ以前の1868年7月3日に最初の試運転を行っている。また、West End Line鉄道は1863年に開業している。この鉄道のコニーアイランドあたりの一部区間は現在でも使われているthethirdrail.net
  2. ^ a b 構内が繋がっている駅を1駅となみす場合は422駅。
  3. ^ 当時市政を牛耳っていたタマニー・ホールのボスウィリアム・M・トウィードは乗合馬車や鉄道馬車の利権を持っており、その妨害を避けるためであった。

外部リンク[編集]