マック・ロバートソン・ランド
マック・ロバートソン・ランド(英語: Mac. Robertson Land)は、南極にある地域の名称。南極大陸東部(東南極)、インド洋の方向にあたる地域である。
1929年から1931年にかけてこの地を探検した、ダグラス・モーソン率いるイギリス・オーストラリア・ニュージーランド南極調査探検隊(BANZARE)によって、探検の支援者であったマクファーソン・ロバートソン卿の名が付けられた[1]。
名称
[編集]南極研究科学委員会(SCAR)がまとめた各国による地名呼称によれば、アメリカ合衆国が Mac. Robertson Land[2]、オーストラリアが Mac.Robertson Land(Macのピリオドの後ろに空白なし)[3]、ロシアが MacRobertson Land(Macのピリオド・空白なし)[4]として、それぞれこの地域を地図に記載している。
マクファーソン・ロバートソン卿 (Macpherson Robertson) は、チョコレート王と呼ばれたメルボルンの実業家である。彼は、1934年に行われた長距離飛行機レース「マックロバートソン・エアレース」にも名を残している。
地理
[編集]アメリカ地質調査所(USGS)の地名情報システム(GNIS)では、西はWilliam Scoresby Bay から東は Cape Darnley(Bjerkø Peninsula先端) に至る海岸、すなわち東経59度34分から東経69度30分にかけての範囲の海岸の南に広がる陸地で、東部に Prince Charles Mountains を含む一帯を「マック・ロバートソン・ランド」と定義している[1]。おおよそ、インド洋側で大陸に切り込んだ湾を埋めるアメリー棚氷の西側の地域にあたる。
別の定義によれば、東経60度から東経73度にかけての範囲が「マック・ロバートソン・ランド」とされる[5]。ケンプランドの東、プリンセス・エリザベス・ランドの西にあたり、アメリー棚氷を含む。
地勢・地形
[編集]- プリンス・チャールズ山脈 (Prince Charles Mountains)
- ランバート氷河 (Lambert Glacier)
領有権主張
[編集]オーストラリアが「オーストラリア南極領土」として領有を主張している。ただし、南極条約によって南極における領有権は凍結されている。
観測基地
[編集]- モーソン基地(オーストラリア)
歴史
[編集]この地域は1929年12月31日、ダグラス・モーソン率いるイギリス・オーストラリア・ニュージーランド南極調査探検隊(BANZARE)によって空から発見された[5]。1930年から1931年にかけて、Scullin Monolith や Cape Bruceに上陸が行われ、おおまかな状況が明らかにされた[3]。1947年のハイジャンプ作戦によって、より詳細なことがわかるようになった[5]。
1954年、オーストラリアの最初の恒久観測基地であるモーソン基地が開設された[5]。この基地は東南極で最初の恒久観測基地でもある[5]。
1970年はじめよりソビエト連邦の南極探検隊 (Soviet Antarctic Expedition) がこの地の調査を行い、 Sodruzhestvo 基地を建設した[5]。
脚注
[編集]- ^ a b "Mac. Robertson Land". Geographic Names Information System. U.S. Geological Survey. 2013年5月12日閲覧。
- ^ “Mac. Robertson Land (USA)”. SCAR Composite Gazetteer. Australian Antarctic Division. 2013年5月12日閲覧。
- ^ a b “Mac.Robertson Land (AUS)”. SCAR Composite Gazetteer. Australian Antarctic Division. 2013年5月12日閲覧。
- ^ “MacRobertson Land (RUS)”. SCAR Composite Gazetteer. Australian Antarctic Division. 2013年5月12日閲覧。
- ^ a b c d e f William J. Mills (2003). Exploring Polar Frontiers: A Historical Encyclopedia. ABC-Clio Inc. p. 389. ISBN 1576074226 2013年5月12日閲覧。
外部リンク
[編集]エンダービーランド | プリンセス・エリザベス・ランド | |||
マック・ロバートソン・ランド | ||||