ハイジャンプ作戦

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ハイジャンプ作戦(ハイジャンプさくせん、Operation Highjump)は1946年から1947年にかけて、アメリカ海軍が行った大規模な南極観測プロジェクト。リチャード・バード少将が指揮を執った。南極における恒久基地建設の調査や合衆国のプレゼンスの提示、寒冷地における人員・機材の動作状況の確認・技術研究などを目的としていた。人員規模は4,700名、13隻の艦船と多数の航空機により支援されていた。

概要[編集]

調査隊のうち、西部グループは1946年12月2日にサンディエゴを出港。南太平洋のマルキーズ諸島を経由し、12月下旬に南極海に到着した。バレニー諸島周辺から調査を開始している。西部グループは主に西南極周辺を調査した。

東部グループは12月2日にノーフォークを出港し、12月下旬にピョートル1世島近海に到着した。12月30日にはPBM飛行艇が悪天候により墜落した(1946 Antarctica PBM Mariner crash)。3名が死亡し、6名が13日後に救助されている(そのうち一人は重度の凍傷のため四肢切断を余儀なくされた)。東部グループは主に東南極周辺を調査した。

中央グループは12月下旬に南極に到着。1947年1月15日には主力はロス海クジラ湾にあった。主にロス海周辺を調査している。

1月にも調査隊は、空母と砕氷艦の増援を受けている。空母フィリピン・シーR4D 6機の輸送を行っている。なお、全調査隊は2月から3月にかけて調査を終了し、帰還している。

ハイジャンプ作戦には多数の航空機が投入された。そのため、南極の沿岸を広い範囲にわたり、航空写真を撮影することに成功し、科学的意義は評価された。

部隊[編集]

第68任務部隊(司令官:Richard H. Cruzen少将)

東部グループ(第68.3任務群 司令官:ジョージ・J・デュフェク英語版大佐)

西部グループ(第68.1任務群 司令官:チャールズ・A・ボンド大佐)

  • カリタック(Currituck AV-7):カリタック級水上機母艦
  • カカポン(Cacapon AO-52):シマロン級給油艦
  • ヘンダーソン(Brownson DD-785):ギアリング級駆逐艦

中央グループ(第68.2任務群 Cruzen少将直率)

空母グループ(第68.4任務群 司令官:リチャード・E・バード・ジュニア少将)