マズルカ作品59 (ショパン)
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フレデリック・ショパンのマズルカ作品59(マズルカさくひんごじゅうきゅう)は、1845年に作曲された3つのマズルカ作品。ジョルジュ・サンドのノアンの館で作曲された[1]。献呈先はなし。
作品59-1
[編集]クヤヴィアクのリズムで書かれ、哀愁漂う曲となっている[1]。冒頭に現れるE-H-C-A-H-Gis-Eの主題は順次進行を避け、下行と上行の跳躍が混ざった音型になっている[1]。この主題が転調していき、中間部はでは同主調のイ長調に転調し、半音階を巧みに使った右手声部が現れる[1]。これを利用して、再現部は遠隔調の嬰ト短調で主題が現れる。
作品59-2
[編集]マズルのリズムで書かれ、かわいらしく洗練されたワルツ[1]。右手では、単旋律と6度音程の重音部分が交替に現れる[1]。再現部での左手での旋律線は巧妙な変奏である。コーダではショパンに特徴的な半音階的下降が美しい。自筆譜では1枚の五線紙にすべて書き込まれている。
作品59-3
[編集]マズルカ第38番、嬰ヘ短調[1]。ヒラーに贈呈した自筆譜ではト短調で書かれているが、出版する際の自筆浄書譜では嬰ヘ短調に移調させている[2]。
Vivaceの指示からも分かるように、急速な踊りであるオベレクのリズムが用いられ、短調でも晴れ晴れしている[1]。中間部では嬰ヘ長調に転調し、左手に対旋律的な動きが現れる[1]。
脚注
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 湯浅玲子「ショパンのポロネーズ、マズルカとは。」『ショパン』第37巻第8号、株式会社ハンナ、2020年8月、46-49頁。
- 下田幸二「ショパンコンクールの「版」の秘密 ポロネーズ・マズルカ編」『ショパン』第37巻第8号、株式会社ハンナ、2020年8月、52-53頁。