パスカ
パスカ(Paska, ウクライナ語: Паска)は、ウクライナ、ルーマニア、ポーランド、スロバキア等の中欧・東欧の国で復活祭の期間中にキリスト教信者が食べるパンである。アメリカ合衆国、カナダ、イギリス等、該当地域からの移民が多い国でも食べられることがある。パスカはバター、卵、砂糖から作られる。またつや出しに卵と水を混ぜたものが使われる。
パスカの様々な特徴にはキリスト教の象徴が関連付けられている。例えばパスカの中身は、黄色と白色の渦模様になっているが、これはキリストの復活を、白い部分は聖霊を表していると言われている。また、マラスキーノ・チェリーが入れられる場合もあるが、これはキリストの復活を祝したロイヤルジュエルを象徴していると言われる[1]。
ウクライナなどではパスカや卵などの食材をバスケットに詰め、そのバスケットを復活祭の朝の奉神礼(礼拝)の際に教会に持ち寄り、司祭などの聖職者から清めと祝福を受けたのち、バスケットを持ち帰り家族一同でその食材を食するのが習慣である[2][3][4]。
パスカは、卵、牛乳、ビートをホースラディッシュ、キルバサと混ぜたチーズに似た淡白な甘さの「フルドカ」と呼ばれるカスタードと一緒に食べられる。
アメリカ合衆国でのパスカ
[編集]アメリカ合衆国には、メノナイトとモロカン派によって持ち込まれたと考えられており、アメリカ合衆国中西部でピエロギやキルバサ等の西ヨーロッパから伝わった他の食物とともに食べられる[5][6]。
アメリカ合衆国のパスカは小麦粉、クリーム、砂糖、卵、バター、固形イーストから作られる。スライスしたものにカッテージチーズと卵黄から作られたチーズスプレッドが塗られることもある。白いアイシングが施されることや虹色に着色されることもある。アメリカ合衆国の一部で作られるホワイトレーズンを使ったものは、「天国から降りてきた生きたパン」を象徴していると言われる[7]。このパンは、伝統的に復活祭の日に食べられる[8]。
出典
[編集]- ^ Joan Halmo Celebrating the church year with young children Liturgical Press, 1988 ISBN 0814615805, 9780814615805 159 pages page 43
- ^ “侵攻2カ月 在日ウクライナ人ら 復活祭祝う”. 産経ニュース. 産経新聞 (2022年4月25日). 2022年6月5日閲覧。
- ^ “ウクライナ各地でイースター「今年はみんな離ればなれ」、規模は縮小:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞 (2022年4月22日). 2022年6月5日閲覧。
- ^ “Paska | Traditional Sweet Bread From Ukraine | TasteAtlas”. www.tasteatlas.com. 2022年6月5日閲覧。
- ^ James M. Anderson [Ethnic groups in Michigan] Michigan Ethnic Heritage Studies Center Ethnos Press, 1983 University of Michigan 301 pages page 71
- ^ Carolyn Louise Moore Zeisset A Mennonite Heritage: A Genealogy of the Suderman and Wiens Families, 1800-1975 Zeisset, 1975 University of Wisconsin - Madison 348 pages
- ^ Lisa A. Alzo Slovak Pittsburg Arcadia Publishing, 2006 ISBN 0738549088, 9780738549088 127 pages page 114
- ^ Frederic Gomes Cassidy, Joan Houston Hall Dictionary of American regional English Harvard University Press, 2002 ISBN 0674008847, 9780674008847 1040 pages page 48