サヴォイでストンプ

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サヴォイでストンプ」、ないし、「ストンピン・アット・ザ・サヴォイ」、「ストンピング・アット・ザ・サヴォイ」(英語: Stompin' at the Savoy)は、エドガー・サンプソン英語版1934年に作曲したジャズスタンダード曲。曲名は、ニューヨークハーレムにあった有名な夜の社交場サヴォイ・ボールルーム英語版にちなんで付けられた[1]

歴史的背景と曲の構成[編集]

この曲のクレジットは、ベニー・グッドマンチック・ウェッブ英語版エドガー・サンプソンアンディー・ラザフの連名になっているが、実際に作曲したのはウェッブの楽団のサクソフォーン奏者であったサンプソンであった。ウェッブとグッドマンはそれぞれインストゥルメンタル曲としてこれを録音し、グッドマンのものが最大のヒットとなった[1]。歌詞は、人気作詞家であったアンディー・ラザフによって後から追加されたものである。

グッドマンの1936年のバージョンは、8小節を4つ重ねた32小節のA-A-B-A形式をとっていた。Aの部分では、「Db6→Ab9→Db6→Ddim→Ebm7→Ab7→Db→Db」のコード進行となる。また、Bの部分では、「Gb9/G9→Gb9→B13/F#m6→B13→E9/F9→E9→A13→Ab9b」のコード進行となる。また、テンポはやや早めで演奏される。

ウェッブ楽団の録音は、1934年にチャートの10位まで上昇した。2年後、この曲は、それぞれオジー・ネルソン英語版と、ベニー・グッドマンによる録音で、チャート入りした。以来、ジャズスタンダード曲となったこの曲は、ジュディ・ガーランド(1936年)、チャーリー・クリスチャン(1941年)[2]アート・テイタム(1941年)、クリフォード・ブラウンマックス・ローチ(1954年)、エラ・フィッツジェラルドルイ・アームストロング(1956年)、ジム・ホール(1957年)[3]アーマッド・ジャマル(1958年)[4]アル・ハート英語版(1961年)[5]サラ・ヴォーン(1964年)[1]ニッキ・ヤノフスキーハービー・ハンコックウィル・アイ・アムとともに)(2007年)など、何百回も録音されてきた。

脚注[編集]

  1. ^ a b c Wilson, Jeremy. “Stompin' at the Savoy”. JazzStandards.com. 2011年12月2日閲覧。
  2. ^ Harrison 2000, p. 1.
  3. ^ Harrison 2000, p. 160.
  4. ^ Harrison 2000, p. 282.
  5. ^ Al Hirt, The Greatest Horn in the World 2013年4月6日閲覧

参考文献[編集]

  • Harrison, Max; Fox, Charles; Thacker, Eric; Nicholson, Stuart (2000). The Essential Jazz Records: Modernism to Postmodernism. Continuum International Publishing Group. ISBN 978-0-7201-1822-3 

関連項目[編集]