サイハテ

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サイハテ
小林オニキスの楽曲
リリース2008年1月16日
規格デジタルコンテンツ
時間2分46秒
作詞者小林オニキス
作曲者小林オニキス
その他収録アルバム
  • livetune feat.初音ミク(Re:MIKUS
  • フルカワミキ(サイハテ)
  • uinona(SUPER VOCALO BEAT)
  • The 39s(アコミク with VOCALOIDS、アコミク with VOCALISTS)

サイハテ」は、2008年1月16日[1]小林オニキスによりボーカルに音声合成ソフト初音ミクを用いてインターネット上で発表された楽曲、および2009年12月2日に発売されたフルカワミキによる同曲のカバーシングルの名称。

概要[編集]

大切な人との永遠の別れを題材とした曲で[2]、明言こそされないものの「」をテーマとした内容となっている[3]。2008年1月16日に小林オニキス(元COOPERのナフタリンズオオサカ)が、ボーカルにVOCALOIDの初音ミクを用い、自作の映像を付けて動画投稿サイトニコニコ動画にて発表した[2][4]。ニコニコ動画では2009年10月までに130万回の再生数を記録する人気となっており[2]、楽曲の内容から「ポップ・レクイエム」という造語まで生み出されているという[1]。また、サイハテを元にlivetune黒うさなど多くのクリエイターの手によりアレンジバージョンやミュージック・ビデオといった様々な派生作品が作られ発表されている[5][1]

サイハテは初音ミクを用いた人気楽曲を収録した『EXIT TUNES PRESENTS Vocalostar feat.初音ミク』、『初音ミク ベスト〜memories〜』、『Digital Trax presents VOCALO★POPS BEST feat. 初音ミク』に収録されている他、livetuneによる初音ミクを用いたカバーがlivetuneのリミックスアルバム『Re:MIKUS』に収録され、またフルカワミキの歌うカバーも発売されている。オニキスが初音ミクを用い始めたのはlivetuneの曲がきっかけであり[4]、また、元々オニキスには歌ってもらうのであればフルカワミキという思いがあったという[6]。このようにメジャーリリースが行われてはいるが、オニキスは同曲をモチーフとした作品が著作権侵害という状況になってしまわないよう、金銭面などのデメリットはあるもののJASRACなどの著作権管理団体に同曲の権利を委ねない形をとっている[7]

また、グッドスマイルカンパニーから2009年11月に発売されたVOCALOIDのデフォルメフィギュアシリーズ「ねんどろいどぷち ボーカロイド#01」には、動画サイトに投稿された際の同曲の映像に登場する、喪服姿[8]のミクをモチーフとした「サイハテミク」のフィギュアがラインナップされている。またゲームソフト『初音ミク -Project DIVA- 2nd』にも同曲の収録と併せ、映像に登場する喪服モチーフとした「サイハテミク」のコスチュームが用意されている[9][10]

なお、フルカワミキのカバーシングル発売の2日後の12月4日にフルカワミキの声をもとに作られたVOCALOID「SF-A2 開発コード miki」が発売されているが、これは元々はシングルとは別の企画である[6]。ただし、発売に際してはタイアップイベントが行われており[11]、レコーディングの時期との兼ね合いから実現はしなかったものの「サイハテ」のなかで「SF-A2 開発コード miki」を使用する構想もあったと言う[6]

シングル[編集]

サイハテ
フルカワミキシングル
初出アルバム『Very』
リリース
規格 デジタル・ダウンロードシングル
ジャンル J-POP
時間
レーベル キューンレコード
作詞・作曲 小林オニキス
フルカワミキ シングル 年表
Candy Girl
(2008年)
サイハテ
(2009年)
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キューンレコードよりフルカワミキ移籍後初のシングルとして2009年12月2日に発売された。初回限定盤はDVD付[2]

初音ミクなどのVOCALOIDを用いて発表された楽曲がメジャーアーティストによって演奏され、JASRACに権利を委ねない形で流通したのは、このシングルが初めてであるとされる[3]

収録曲[編集]

  1. サイハテ
    編曲:フルカワミキ
  2. サイハテ (TOWA TEI REMIX)

収録作品[編集]

発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
2009年03月25日
2010年09月15日
livetuneRe:MIKUS VICL-63271
VICL-70078
サイハテ -BONUS TRACKS- Victor Entertainment
2009年06月17日 EXIT TUNES PRESENTS Vocalostar feat.初音ミク QWCE-00110 サイハテ EXIT TUNES
2009年08月26日 初音ミク ベスト〜memories〜 MHCL-1567 サイハテ Sony Music Direct
2010年09月01日 ミクの日感謝祭 39's Giving DayProject DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート ~こんばんは、初音ミクです。~ VGDV-0006
VGDV-60001
VGCD-0200
サイハテ 5pb.
2011年03月09日 VOCALO★POPS BEST feat.初音ミク AVCD-38220 サイハテ avex trax
2011年06月01日 SUPER VOCALO BEAT DGBA-10009 サイハテ BinaryMixx Records
2011年11月30日 THE 39s『アコミク with VOCALOIDS』 DGLA-10010 サイハテ BALLOOM
2012年01月18日 VOCALO SMILE feat.初音ミク FLLM-007 サイハテ FULL MOON
2012年03月07日 THE 39s『アコミク with VOCALISTs』 DGLA-10011 サイハテ feat.Milia BALLOOM
2012年08月01日 初音ミク 5thバースデー ベスト〜memories〜 MHCL-2108 サイハテ Sony Music Direct
2014年09月17日 初音ミク Thank you 1826 Days ~SEGA feat.HATSUNE MIKU Project 5th Anniversary Selection~ SRCL-8594
SRCL-8597
サイハテ Sony Records
2015年02月18日 logical emotion『LOGISTIC FUNCTION VOCALOID SONGS COMPILATION』 SCGA-00021
SCGA-00022
サイハテ Subcul-rise Record

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c “EXIT TUNES、「EXITTUNES PRESENTS Vocalostar feat.初音ミク」を発売”. マイコミジャーナル (毎日コミュニケーションズ). (2009年6月16日). https://news.mynavi.jp/article/20090616-a089/ 2009年12月11日閲覧。 
  2. ^ a b c d “フルカワミキ移籍第1弾シングルは初音ミクの名曲カバー”. ナタリー (ナターシャ). (2009年10月21日). https://natalie.mu/music/news/22717 2009年12月11日閲覧。 
  3. ^ a b 四本淑三 (2010年6月19日). “初音ミクに見る音楽の世代観 小林オニキスさんが語る”. ASCII.jp. アスキー・メディアワークス. 2010年6月19日閲覧。
  4. ^ a b DTM magazine』第15巻9(通号 173)、寺島情報企画、2008年8月、58頁。 
  5. ^ 本多らな『初音ミク・名曲ガイド』ヤマハミュージックメディア、2009年、98頁頁。ISBN 978-4-636-84684-3 
  6. ^ a b c 後藤勝 (2009年11月13日). “緊急インタビュー 「VOCALOID2」とフルカワミキ そして「サイハテ」、ネットとリアルをめぐる冒険”. 日刊サイゾー (サイゾー). https://www.cyzo.com/2009/12/post_3310_entry.html 2009年12月11日閲覧。 
  7. ^ 「自力で音楽を広める方法」『サウンド&レコーディング・マガジン』第29巻第3号、リットーミュージック、2010年2月、67頁、ISSN 1344-6398 
  8. ^ ミカタン (2009年8月28日). “【5日目】「ねんぷちボカロ」の感想を全力で聞いたみたお!あと「サイハテミク」と「咲音メイコ」!”. フィギュアメーカー・グッドスマイルカンパニー勤務 ミカタンブログ. グッドスマイルカンパニー. 2009年12月13日閲覧。
  9. ^ 「初音ミク Project DIVA 2nd」念願のあの3曲が収録されます!!”. 週刊ディーヴァステーション. セガ (2010年7月5日). 2010年7月10日閲覧。
  10. ^ モジュール”. 初音ミク -Project DIVA- 2nd 公式サイト. セガ. 2010年7月10日閲覧。
  11. ^ DTM magazine』第17巻2(通号 193)、寺島情報企画、2010年2月、106頁。 
  12. ^ “フルカワミキ×小林オニキスがミクを語る「サイハテ対談」”. ナタリー (ナターシャ). (2009年10月29日). https://natalie.mu/music/news/23098 2009年12月12日閲覧。 

外部リンク[編集]