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グリッグ・シェレルップ彗星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グリッグ・シェレルップ彗星
26P/Grigg-Skjellerup
1992年7月1日にヨーロッパ南天天文台(ESO)により撮影されたグリッグ・シェレルップ彗星。
1992年7月1日にヨーロッパ南天天文台(ESO)により撮影されたグリッグ・シェレルップ彗星。
仮符号・別名 1808 C1, 1808 III
1902 O1, 1902 II, 1902c
1922 K1, 1922 I, 1922b
1927 F1, 1927 V, 1927e
1932 II, 1932d
1937 III, 1937e
1942 V, 1942d
1947 II, 1947a
1952 IV, 1952b
1961 IX, 1961g
1967 I, 1966f
1972 II, 1972b
1977 VI, 1977b
1982 IV, 1982a
1987 X, 1986m
1992 XVIII[1]
分類 周期彗星
発見
発見日 1902年7月23日[2]
発見者 John Grigg[2]
発見場所 ニュージーランドテムズ英語版[2]
軌道要素と性質
元期:2007年8月14.0日 (TDB 2454326.5)
軌道長半径 (a) 3.0433 au[1]
近日点距離 (q) 1.1167 au[1]
遠日点距離 (Q) 4.9699 au[1]
離心率 (e) 0.6331[1]
公転周期 (P) 5.31[1]
軌道傾斜角 (i) 022.356 °[1]
近日点引数 (ω) 001.704 °[1]
昇交点黄経 (Ω) 211.710 °[1]
平均近点角 (M) 318.661 °[1]
前回近日点通過 2018年10月1日[3][4]
次回近日点通過 2023年12月25日[3][4]
最小交差距離 0.110 au(地球)[1]
0.0022 au(木星)[1]
ティスラン・パラメータ (T jup) 2.805[1]
物理的性質
直径 2.6 km[1]
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グリッグ・シェレルップ彗星[5](英語: 26P/Grigg-Skjellerup)は、太陽系の周期彗星である。

1902年7月23日にニュージーランドのJohn Grigg英語版が発見し、次の接近時の1922年5月17日に南アフリカで働くオーストラリア人のフランク・シェレルップが再発見した[2]。1972年にはこの彗星が4月23日頃に南半球で見えるとも座π流星群の原因となっていることが発見された[2]。1982年にはアレシボ天文台によりレーダーで観測が行われた[6]。1987年にはスロバキアの天文学者、Ľubor Kresák英語版によって、1808年にジャン=ルイ・ポンによっても観測されていたことが明らかとなった[2]

木星に何度も接近し、その重力の影響で大きく軌道が変わった。例えば、近日点距離は1725年に0.77 au、1922年に0.89 au、1977年に0.99 auと変化し、現在は1.12 auになっている[1][2]

1992年には探査機ジオットがグリッグ・シェレルップ彗星を探査した。グリッグ・シェレルップ彗星には200kmの距離にまで接近してデータを採取したが[7]、1986年にハレー彗星を探査した際にカメラが故障していたため、画像の撮影はできなかった[8]

彗星核の直径は2.6kmと推定されている[1]

2008年、NASAの中村圭子らの研究によりグリッグ・シェレルップ彗星にはマンガンのケイ酸塩が存在することが報告された[9]。この物質についてはワシントン大学の天文学の教授Donald E. Brownlee英語版にちなんでBrownleeiteと命名された[10]

近日点通過

[編集]

グリッグ・シェレルップ彗星は2018年10月1日に近日点を通過した。次回は2023年12月25日に近日点を通過すると予測されている。前回以前及び今後の近日点通過は以下の通りである[3][4]

発見前
  • 1808年3月17日(16日)
  • 1813年3月11日 (観測されず)
  • 1818年3月15日 (観測されず)
  • 1823年3月13日 (観測されず)
  • 1828年2月29日 (観測されず)
  • 1833年2月16日 (観測されず)
  • 1838年2月7日 (観測されず)
  • 1843年2月2日 (観測されず)
  • 1848年1月7日 (観測されず)
  • 1853年1月16日 (観測されず)
  • 1858年1月23日 (観測されず)
  • 1863年1月28日 (観測されず)
  • 1868年2月3日 (観測されず)
  • 1873年2月16日 (観測されず)
  • 1878年3月9日 (観測されず)
  • 1883年3月18日 (観測されず)
  • 1888年1月13日 (観測されず)
  • 1892年11月7日 (観測されず)
  • 1897年9月2日 (観測されず)
発見から前回まで
  • 1902年7月3日
  • 1907年6月1日 (観測されず)
  • 1912年5月29日 (観測されず)
  • 1917年5月22日(23日) (観測されず)
  • 1922年5月15日
  • 1927年5月10日
  • 1932年5月12日
  • 1937年5月23日
  • 1942年5月23日
  • 1947年4月18日
  • 1952年3月11日
  • 1957年2月2日
  • 1961年12月31日
  • 1967年1月16日
  • 1972年3月2日
  • 1977年4月11日
  • 1982年5月14日
  • 1987年6月18日
  • 1992年7月22日
  • 1997年8月30日
  • 2002年11月29日 (観測されず)
  • 2008年3月23日
  • 2013年7月6日
  • 2018年10月1日
今後
  • 2023年12月25日
  • 2029年3月18日
  • 2034年6月12日
  • 2039年9月9日
  • 2044年12月11日
  • 2050年6月13日
  • 2056年2月1日
  • 2061年8月23日
  • 2067年1月29日
  • 2072年6月28日
  • 2077年11月21日
  • 2083年4月13日
  • 2088年9月3日
  • 2094年1月25日
  • 2099年6月20日
  • 2104年11月18日

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 26P/Grigg-Skjellerup”. Small-Body Database Lookup. Jet Propulsion Laboratory (2019-09-30 last obs.used). 2021年10月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Kronk, Gary W.. “26P/Grigg-Skjellerup”. cometography.com. 2021年10月9日閲覧。
  3. ^ a b c グリグ-シェレルップ彗星 26P/Grigg-Skjellerup”. 吉田誠一のホームページ (2019年10月5日). 2021年10月9日閲覧。
  4. ^ a b c 26P/Grigg-Skjellerup”. 木下一男 (2018年7月3日). 2021年10月9日閲覧。
  5. ^ ジオット彗星探査機”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年3月12日). 2021年10月9日閲覧。
  6. ^ Harmon, J. K.; Campbell, D. B.; Ostro, S. J.; Nolan, M. C. (1999). “Radar observations of comets”. Planetary and Space Science 47 (12): 1409-1422. Bibcode1999P&SS...47.1409H. doi:10.1016/S0032-0633(99)00068-9. 
  7. ^ Grensemann, M. G.; Schwehm, G. (1993). “Giotto's second encounter: The mission to comet P/Grigg-Skjellerup”. Journal of Geophysical Research 98 (A12): 20907-20910. Bibcode1993JGR....9820907G. doi:10.1029/93JA02528. 
  8. ^ Giotto’s second comet encounter”. European Space Agency (2006年3月10日). 2021年10月9日閲覧。
  9. ^ Nakamura-Messenger, K.; Keller, L. P.; Clemett, S. J. et al. (2008). “New Manganese Silicide Mineral Phase in an Interplanetary Dust Particle”. Lunar and Planetary Science XXXIX: 2103. Bibcode2008LPI....39.2103N. 
  10. ^ Atkinson, Nancy (2008年6月12日). “Alien Mineral From Comet Dust Found in Earth’s Atmosphere”. Universe Today. 2021年10月9日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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