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アンジョー県

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アンジョー県
ロヒット川とキビトゥ
アルナーチャル・プラデーシュ州内の位置
アルナーチャル・プラデーシュ州内の位置
インドの旗 インド
アルナーチャル・プラデーシュ州
県都 ハワイ
政府
 • ローク・サバー アルナーチャル・イースト
 • アルナーチャル・プラデーシュ州議会 ハユリアン
面積
 • Total 6,190 km2
人口
(2011)
 • Total 21,167人
 • 密度 3.4人/km2
人口統計
 • 識字率英語版 59.4%
 • 性比(男性千人あたり女性数) 805
等時帯 UTC+05:30 (IST)
ウェブサイト anjaw.nic.in

座標: 北緯27度55分30秒 東経96度20分53秒 / 北緯27.92500度 東経96.34806度 / 27.92500; 96.34806 アンジョー県(アンジョーけん、英語: Anjaw District、/ˈændʒɔ:/)は、インド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州2004年に、アルナーチャル・プラデーシュ州の県域再編修正法 (the Arunachal Pradesh Re-organization of Districts Amendment Act) により、ロヒット県英語版から分離する形で、県として新設された[1]。この県は、北側を中国と接している。 標高1296mにあるハワイは県都であり、ブラマプトラ川の支流であるロヒット川英語版の河岸に位置している。この県は、インドで最も東に位置している[2] 中国との国境にさらに近い集落には、ドン英語版[3]ワロン英語版キビトゥ英語版カホ英語版がある。

歴史

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1962年中印国境紛争の際には、アンジョー県の一部が中国によって占領された[4]。国境紛争地域であるため、アンジョー県にはインド軍が常駐している。2020年中印国境紛争の際には、追加の部隊がこの地域に派遣された[5]

地理

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河川

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ロヒット川の流域図。

おもな河川は以下の通りである[2]

交通

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2,000-キロメートル (1,200 mi)におよぶ、マゴ (Mago)=ティンブ英語版ビジャイナガル英語版マクマホンラインに沿って結ぶ、アルナーチャル・フロンティア・ハイウェイ英語版が構想されており[6][7][8][9]、さらに構想中の東西産業回廊ハイウェイ英語版と交差し、この県を縦貫すること担っているが、その地図は、 こちらこちら[10]にある。

経済

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農業

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おもな農産物は、トウモロコシ雑穀カルダモンオレンジナシプラムリンゴである[11]

行政区分

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アルナーチャル・プラデーシュ州議会英語版の選挙区はハユリアン選挙区英語版だけがある。この選挙区は、ローク・サバー(連邦議会下院)のアルナーチャル・イースト選挙区英語版の一部になっている[12]

この県には、「サークル (circle)」と称されるが8つある。

アンジョー県

人口

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2011年英語版国勢調査英語版によれば、アンジョー県の人口英語版は 21,167人であり、おおよそパラオの人口と同じである[13]。これは、640あるインドの県の中で、639番目にあたる。人口密度は、3人毎平方キロメートル (7.8/sq mi) である。2001年から2011年にかけての人口増加率は、13.77% であった。アンジョー県の性比は、男性1,000人に対して女性805人であり、識字率は 59.4% である[要出典]

部族

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ミシュミ人英語版と、 ザクリン人英語版[14](かつては「メヨル (Meyor)」と称されていた)が、この県の主要な部族となっている。

2011年の国勢調査によれば、部族人口は合わせて 16,451人 (77.72%) を占め、そのおもな部族は、 Idu/Taraon Mishmi (9,991人)、Kaman/Miju Mishmi (5,021人)、Degaru Mishmi (472人)、Meyor (472人) であった。

言語

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アンジョー県の言語 (2011年)[15]

  ミシュミ語英語版 (72.34%)
  ヒンディー語 (7.03%)
  ネパール語 (5.27%)
  チベット諸語 (2.28%)
  ベンガル語 (2.13%)
  パンジャブ語 (1.54%)
  アッサム語 (1.35%)
  ドーグリー語 (1.16%)
  アディ語英語版 (0.89%)
  オリヤー語 (0.89%)
  ミゾ語 (0.87%)
  その他 (4.25%)

宗教

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アンジョー県の宗教 (2011年)[16]
宗教 パーセント
ヒンドゥー教
  
61.83%
その他
  
28.99%
イスラム教
  
3.09%
仏教
  
3.04%
キリスト教
  
1.28%

植物相、動物相

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この件は、野生生物が豊かである。希少な哺乳動物としては、ミジュ諸語英語版で 「gheyam」と称されるミシュミタキン英語版アカゴーラル英語版ゴンシャンホエジカ英語版ブタオホエジカ英語版などがおり、鳥類の希少種ではミジュ諸語で「mankree」と称されるオジロニジキジがいる。松の一種で、ミジュ諸語で「Rok Sak」というメルクシマツ英語版は、インド北東部の中でもアンジョー県にしか自生していない[17]。近年、科学的に関心が寄せられてるモモンガも、この件には生息している。当地のものは「Mishmi giant flying squirrel」と称され、「Petaurista mishmiensis」と学名が命名されている[18]。近年、科学者たちが新たに発見したのはホオジロマカク英語版である。これは、2015年に中国で発見されていたが、インドに生息していることが確認されたのは最近のことである。この発見によって、インドに生息する哺乳類の総数は 438種となった。

金融

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アンジョー県に店舗を構える銀行の一覧。

脚注

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  1. ^ Law, Gwillim (25 September 2011). “Districts of India”. Statoids. 2011年10月11日閲覧。
  2. ^ a b Anjaw District”. 14 November 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月27日閲覧。
  3. ^ Gokhale, Nitin A. (20 August 2001). “Dong”. Outlook India. http://www.outlookindia.com/article.aspx?212945 2012年12月16日閲覧。. 
  4. ^ Sharma, Shantanu Nandan (22 June 2020). “What's it like to live in villages along the India-China border?”. The Economic Times. https://economictimes.indiatimes.com/news/politics-and-nation/whats-it-like-to-live-in-villages-along-the-india-china-frontier/articleshow/76486005.cms 2020年9月3日閲覧。 
  5. ^ India secures its east after western Himalayan clashes with China” (英語). Hindustan Times (2020年9月2日). 2020年9月3日閲覧。
  6. ^ Top officials to meet to expedite road building along China border”. Dipak Kumar Dash. timesofindia.indiatimes.com. 27 October 2014閲覧。
  7. ^ Narendra Modi government to provide funds for restoration of damaged highways”. Daily News and Analysis (20 September 2014). 27 October 2014閲覧。
  8. ^ Indian Government Plans Highway Along Disputed China Border”. Ankit Panda. thediplomat.com. 27 October 2014閲覧。
  9. ^ Govt planning road along McMohan line in Arunachal Pradesh: Kiren Rijiju”. Live Mint (14 October 2014). 2014年10月26日閲覧。
  10. ^ China warns India against paving road in Arunachal”. Ajay Banerjee. tribuneindia.com. 2014年10月26日閲覧。
  11. ^ Anjaw”. indiangos.com. 12 March 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月27日閲覧。
  12. ^ Assembly Constituencies allocation w.r.t District and Parliamentary Constituencies”. Chief Electoral Officer, Arunachal Pradesh website. 13 August 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。21 March 2011閲覧。
  13. ^ US Directorate of Intelligence. “Country Comparison:Population”. 2007年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月1日閲覧。 “Palau 20,956 July 2011 est.”
  14. ^ Zakhring”. Ethnologue.com. 11 November 2006時点のオリジナルよりアーカイブ2006年10月27日閲覧。
  15. ^ Census of India Website : Office of the Registrar General & Census Commissioner, India”. www.censusindia.gov.in. 2022年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  16. ^ Anjaw District Religion Data - Hindu/Muslim”. Population Census Data. 2023年12月5日閲覧。
  17. ^ Choudhury, Anwaruddin (2008) Survey of mammals and birds in Dihang-Dibang biosphere reserve, Arunachal Pradesh. Final report to Ministry of Environment & Forests, Government of India. The Rhino Foundation for nature in NE India, Guwahati, India. 70pp.
  18. ^ Choudhury, Anwaruddin (2009). One more new flying squirrel of the genus Petaurista Link, 1795 from Arunachal Pradesh in north-east India. The Newsletter and Journal of the RhinoFoundation for nat. in NE India 8: 26–34, plates.
  19. ^ State Bank of India Hawai, Branch Details”. 2023年12月4日閲覧。
  20. ^ State Bank of India, Hayuliang Branch Details”. 2023年12月4日閲覧。

外部リンク

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