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アカオビヤドクガエル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アカオビヤドクガエル
アカオビヤドクガエル
アカオビヤドクガエル Oophaga lehmanni
保全状況評価(2019年時点)[1]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
: ヤドクガエル科 Dendrobatidae
: オオファガ属 Oophaga
: アカオビヤドクガエル
O. lehmanni
学名
Oophaga lehmanni (Myers and Daly, 1976)
シノニム[3]
  • デンドロバテス・レマニ Dendrobates lehmanni (Myers and Daly, 1976)
和名
アカオビヤドクガエル
赤帯矢毒蛙
英名
Lehmann's Poison Frog
(リーマンズ・ポイズン・フロッグ)
Red-banded Poison Frog
(レッドバンデッド・ポイズン・フロッグ)

アカオビヤドクガエル学名Oophaga lehmanni〈オオファガ・レマニ〉)は、バジェ・デル・カウカコロンビア)の在来種であり、ヤドクガエル科オオファガ属分類されるカエルの仲間(無尾目)2019年時点における絶滅寸前種

学名(種小名)

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種小名lehmanni、コロンビアの著名な保全生物学者および鳥類学者であるフェデリコ・カルロス・レーマン・バレンシア英語版の名にちなんで命名された[3]

分布

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コロンビア西部英語版にある山のふもと低地熱帯雨林低山性森林に生息する。急な斜面を好み、地上60センチメートルまでの葉の上にいる[1]

特徴

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体長3.13.6センチメートル[3]。皮膚はなめらかで、12よりも少し短い[3]

捕食回避に関わる特徴

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自然毒

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野生種有毒だが、飼育下においては有毒になるために必要な餌を摂取しなければ無毒[3]

警告色

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色には個体差があり、ダークブラウンを基色としてオレンジ黄色のいずれかの縞模様が入り、この派手な色で捕食者警告する[3]

生態

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昼行性であり、おもな餌は昆虫である[3]

繁殖

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繁殖雨季の直後に行われ、オスは卵を外敵から守るのに安全な水の近くを見つけると、そこで何度も鳴き声を上げてメスを誘う[3]受精はメスが林床から1.2メートルの葉の上に5ほどの大きな卵を産み付けながら、オスが体外受精する[3][1]。オスは、十分な酸素がいきわたるよう定期的に卵を回転させて世話をする[3]24週間後に卵が孵化ふかすると、それらを背中に担いでパイナップル科の植物や樹洞、あるいは竹の茎まで運び、メスはそこでオタマジャクシに自らの無精卵を与えて育てる[3]。なお、オタマジャクシは共食いをする性質があるため、それぞれ別々の場所に連れていかれる[3]。オタマジャクシは孵化から23月で成熟する[3][1]

また、本種はハーレクイン・ポイズン・フロッグ英語版と似ているだけでなく、交配が可能な種であり、本種にはヒストリオニコトキシンがないことを除けば、ほとんど変わりがないことから、同種であるかどうかの議論がしばしば発生している[3]

保全状況

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ワシントン条約上は絶滅の恐れのある種ではないとされる付属IIに記載されているが[2]IUCNレッドリスト絶滅寸前という調査結果を出している[1]1976年に本種が公表されて以降その個体数は急激に減少しており、その一番の要因は、合法または違法を問わず、国際的なペット取引のために収集され続けていることに起因する[1]。そして、その高い収集率の影響を受け、生息地での遺伝的多様性も大きく減少している[1]。また、繁殖のために必要なパイナップル科の植物が伐採されたり、開墾によって生息地自体が失われることもあり、これらが個体数の減少に拍車をかけている[1]

一方でコロンビアの動物科学者であるイバン・ロサーノ=オルテガ(Ivan Lozano-Ortega)は、絶滅の恐れがあるコロンビアの在来種を違法な密輸業者から保護することを目的として、該当種を適切な飼育環境のもとで繁殖させて、合法的に国際的なペット取引を行うために「テソロス・デ・コロンビア(Tesoros de Colombia)」という組織を2006年に立ち上げた[4]。ロサーノ=オルテガは、密輸業者による違法な活動を阻止するには、持続可能で合法的に養殖された良質なカエルを愛好家たちに提供するのが最善の策だと考え、コロンビアの法律が絡んだ問題を解決する必要があったというが、組織立ち上げから5年後2011年11月、初めてカエルの在来種を合法的に輸出する許可を得たという[4]。そして、彼の悲願であったという本種の輸出は2015年9月に実現した[4]

参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i IUCN SSC Amphibian Specialist Group (2019). Oophaga lehmanni. IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T55190A85891808. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T55190A85891808.en. https://www.iucnredlist.org/species/55190/85891808 2024年3月25日閲覧。. 
  2. ^ a b lehmanni Checklist of CITES Species”. CITES. UNEP-WCMC. 2024年3月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n Phoebe Lehmann (2003年1月11日). “Oophaga lehmanni”. AmphibiaWeb. 2024年3月25日閲覧。
  4. ^ a b c Pool, J.R. (18 November 2015). “Farmed and legally exported Colombian poison frogs take on the illegal pet trade”. Mongabay. 2024年3月27日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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テソロス・デ・コロンビア(Tesoros de Colombia) (スペイン語)(英語)(フランス語)