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アイザイア・ヤング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アイザイア・ヤング Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Isiah Young
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
競技 陸上競技短距離走
種目 100m, 200m
大学 アメリカ合衆国の旗 アレン・コミュニティ大学 (en
アメリカ合衆国の旗 ミシシッピ大学
生年月日 (1990-01-05) 1990年1月5日(34歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 カンザス州ジャンクション・シティ英語版
身長 180cm
体重 79kg
成績
オリンピック 200m:準決勝2組8着(2012年
世界選手権 200m:8位(2017年
国内大会決勝 全米選手権
100m:4位(2015年)
200m:優勝(2013年)
最高世界ランク 200m3位(2013年)
自己ベスト
100m 9秒89(2021年)
9秒82w(2015年)
200m 19秒86(2013年)
19秒75w(2015年)
獲得メダル
陸上競技
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
世界リレー
2017 ナッソー 4x200mR
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アイザイア・ヤングIsiah Young1990年1月5日 ‐ )は、アメリカ合衆国カンザス州出身の陸上競技選手。専門は短距離走100mで9秒89、200mで19秒86の自己ベストを持つ。2017年ロンドン世界選手権男子200mのファイナリスト(8位)である。

経歴

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高校時代

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ジャンクション・シティ高校(Junction City High School)時代の2008年に陸上選手としてのキャリアをスタートさせた[1]。また、高校時代に重量挙げを経験している[2]

大学時代

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2009年 - 2010年(アレン・コミュニティ大学)

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2009年6月の全米ジュニアオリンピック男子100mを10秒78、男子200mを22秒56で制して2冠を達成[3]。2009年と2010年の全米短期大学選手権(NJCAA選手権)では2年連続で室内と屋外のファイナリストになった[4]

2012年 - 2013年(ミシシッピ大学)

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2012年6月の全米選手権(兼ロンドンオリンピックアメリカ代表選考会)に出場すると、男子100mは10秒41(+1.6)で予選敗退に終わった[5]。男子200mは決勝まで進出し、決勝では追い風参考記録ながら自己ベスト(当時20秒33)を上回る20秒16(+2.3)をマーク。ウォーレス・スピアモン(19秒82)、モーリス・ミッチェル英語版(20秒14)に次ぐ3位に入り、ロンドンオリンピックアメリカ代表の座を掴んだ[6]

2012年8月のロンドンオリンピックの男子200m予選を20秒55(+0.9)で突破し、世界大会初出場でセミファイナリストになったが、準決勝は20秒89(-0.6)の組8着で敗退した[7]

2013年5月23日の全米学生選手権(NCAA選手権)・東地区予選の男子100mで初めて10秒の壁を破る9秒99(+0.3)をマークすると[8]、翌月の全米学生選手権男子100mは9秒96(+3.2)で3位、男子200mは20秒17(+2.6)で2位に入り(1位と0秒07差)、2種目で表彰台に上った[9]

2013年6月の全米選手権に出場すると、男子100mは決勝まで進出するも10秒12(+1.1)の6位に終わった。男子200mは昨年に続いて決勝に進出し、決勝では自身初の19秒台となる19秒86(+1.6)をマーク。タイソン・ゲイ(19秒74)に次ぐ2位(当時)に入り、モスクワ世界選手権アメリカ代表の座を掴んだ[10]。なお、後にタイソン・ゲイのドーピング処分により、順位が2位から1位に繰り上がった[11]

プロ時代

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2013年

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6月30日のダイヤモンドリーグバーミンガムグランプリ男子100mでプロとしてのキャリアをスタートさせた[12]

8月のモスクワ世界選手権の男子200mにはウサイン・ボルト(19秒66)、ウォーレン・ウィア(19秒79)に次ぐ今季3番目のタイム(19秒86)を持って出場すると[13]、予選を20秒70(+0.2)で突破し、昨年のロンドンオリンピックに続いてセミファイナリストになった。準決勝では予選のタイムを大幅に縮める20秒36(0.0)をマークするも組3着に終わり、着順で決勝に進出できた組2着とは0秒23差、タイムで拾われた最後の枠の選手とは0秒03差で決勝進出を逃した[14]

2014年

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5月の世界リレー男子4×200m予選で3走を務め、1分21秒35をマークしての決勝進出に貢献したが、決勝での出番はなかった[15]

6月の全米選手権に出場すると、男子100mは10秒43(-0.9)で予選敗退、男子200mは20秒55(+2.1)で準決勝敗退に終わった[16]

2015年

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5月の世界リレー男子4×200m予選で2走を務め、1分20秒78をマークしての決勝進出に貢献した。前回大会と違い今大会は決勝にも出場したが、3走のカーティス・ミッチェルとのバトンパスが上手くいかずオーバーゾーンで失格になった[17]

6月の全米選手権に出場すると、男子100mは予選で追い風参考記録ながら9秒85(+2.1)をマーク。準決勝も9秒93(+3.7)で突破したが、決勝はタイソン・ゲイ(9秒87)、トレイボン・ブロメル(9秒96)、マイク・ロジャース(9秒97)に次ぐ10秒00(0.0)の4位で表彰台を逃した。男子200mは予選でいきなり19秒99(+1.7)をマークすると、準決勝は20秒19(-1.3)で突破。決勝では今大会2度目の19秒台となる19秒93(+0.4)をマークし、トレーニングパートナーのジャスティン・ガトリン(19秒57)に次ぐ2位で北京世界選手権アメリカ代表の座を掴んだ[18][19]

8月の北京世界選手権男子200m予選で20秒51(-0.3)の組6着に終わり、2大会連続の準決勝進出はならなかった[20]

2016年

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7月の全米選手権(兼リオデジャネイロオリンピックアメリカ代表選考会)に出場すると、男子100mは10秒21(+2.0)で準決勝敗退、男子200mも20秒59(-1.1)で準決勝敗退に終わり、2大会連続のオリンピック出場を逃した[21]

2017年

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3大会連続の出場となった4月の世界リレー男子4×200mで3走を務め、1分19秒88で銀メダル獲得に貢献した[22]

6月の全米選手権では男子100mと男子200mの両種目でファイナリストになった。しかし、男子100mは予選で自己ベスト(9秒99)を4年ぶりに更新する9秒97(+1.5)をマークしたが、向かい風のレースとなった準決勝は10秒20(-1.6)、決勝は10秒25(-0.7)とタイムを落として8位に終わった。男子200mは予選を全体1位の20秒29(+0.4)、準決勝は全体2位の20秒28(-2.1)で突破したが、決勝は20秒42(-2.3)で5位に終わった[23]。この結果、3大会連続の世界選手権アメリカ代表の座を逃したかに思われたが、男子200mで2位に入ったクリスチャン・コールマンが100mに専念、3位に入ったElijah Hall-Thompsonが怪我で辞退したため、ロンドン世界選手権男子200mのアメリカ代表に選出された[24][25]。3大会連続の出場となった8月のロンドン世界選手権男子200mでは初の決勝に進出した。準決勝を全体1位の20秒12(+2.1)で突破したためメダル獲得も期待されたが、決勝は20秒64(-0.1)で8位に終わった[26]

自己ベスト

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 9秒97 (+1.5) 2017年6月22日 アメリカ合衆国の旗 サクラメント
9秒82w (+3.0) 2015年5月16日 アメリカ合衆国の旗 クレアモント 追い風参考記録
200m 19秒86 (+1.6) 2013年6月23日 アメリカ合衆国の旗 デモイン
19秒75w (+4.1) 2015年6月15日 アメリカ合衆国の旗 クレアモント 追い風参考記録
室内
60m 6秒61 2012年3月9日 アメリカ合衆国の旗 ナンパ
200m 21秒25 2012年2月11日 アメリカ合衆国の旗 フェイエットビル

主要大会成績

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大会 場所 種目 結果 記録 備考
2012 オリンピック イギリスの旗 ロンドン 200m 準決勝 20秒89 (-0.6)
2013 世界選手権 ロシアの旗 モスクワ 200m 準決勝 20秒36 (0.0)
2014 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x200mR 予選 1分21秒35 (3走) 決勝進出[注 1]
2015 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x200mR 決勝 DQ (2走) オーバーゾーン
世界選手権 中華人民共和国の旗 北京 200m 予選 20秒51 (-0.3)
2017 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x200mR 2位 1分19秒88 (3走)
世界選手権 イギリスの旗 ロンドン 200m 8位 20秒64 (-0.1)

ダイヤモンドリーグ

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ダイヤモンドリーグの総合成績を記載。獲得ポイント欄の( )内は出場したポイント対象レースの数を意味する。

種目 総合順位 獲得ポイント
2015 200m 5位 1 (1レース)

脚注

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注釈

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  1. ^ 予選のみ出場。決勝のアメリカはオーバーゾーンで失格。

出典

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  1. ^ Junction City Man's Family Proud Of His Olympic Debut”. WIBW.com (2012年8月10日). 2016年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月16日閲覧。
  2. ^ Isiah Young”. Jackson Free Press (2012年7月30日). 2016年4月4日閲覧。
  3. ^ 2009年全米ジュニアオリンピックフルリザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  4. ^ Isiah Young”. TFRRS (2017年6月23日). 2017年6月23日閲覧。
  5. ^ 2012年全米選手権男子100m予選リザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  6. ^ 2012年全米選手権男子200m決勝リザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  7. ^ 第30回オリンピック男子200m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  8. ^ Isiah Young Breaks Records At NCAA East Prelims”. ミシシッピ大学スポーツ (2013年5月23日). 2016年3月16日閲覧。
  9. ^ Isiah Young(Ole Miss)”. TFRRS (2017年6月23日). 2017年6月23日閲覧。
  10. ^ ゲイが今季世界最高で200mも制覇、全米陸上選手権”. フランス通信社 (2013年6月24日). 2016年3月16日閲覧。
  11. ^ 2013年全米選手権フルリザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  12. ^ Isiah Young Signs Pro Contract With Nike”. ミシシッピ大学スポーツ (2013年6月28日). 2016年3月16日閲覧。
  13. ^ 第14回世界選手権男子200m”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  14. ^ 第14回世界選手権男子200m準決勝サマリー”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  15. ^ 2014年世界リレー男子4×200m予選リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  16. ^ 2014年全米選手権フルリザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  17. ^ Men's 4x200m – IAAF/BTC World Relays, Bahamas 2015”. 国際陸上競技連盟 (2015年5月4日). 2016年3月16日閲覧。
  18. ^ ガトリン今季世界最高タイムで200メートルV 陸上全米選手権”. スポーツニッポン (2015年6月30日). 2016年3月27日閲覧。
  19. ^ 2015年全米選手権フルリザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  20. ^ 第15回世界選手権男子200m予選リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月16日閲覧。
  21. ^ 2016年全米選手権フルリザルト”. 全米陸上競技連盟 (2016年). 2016年7月12日閲覧。
  22. ^ Men's 4x200m final - IAAF/BTC World Relays Bahamas 2017”. 国際陸上競技連盟 (2017年4月23日). 2017年4月24日閲覧。
  23. ^ 2017年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年6月29日). 2017年6月29日閲覧。
  24. ^ Elijah Hall-Thompson Withdraws from World Championships”. DyeStat.com (2017年7月19日). 2017年7月25日閲覧。
  25. ^ Team USATF ready for repeat success in return to London”. 全米陸上競技連盟 (2017年7月24日). 2017年7月25日閲覧。
  26. ^ 2017年世界選手権男子200m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年8月11日). 2017年8月11日閲覧。

外部リンク

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