Wikipedia:外来語表記法/ポルトガル語

ナビゲーションに移動 検索に移動

このページでは、ポルトガル語に由来する地名・人名などの固有名詞をカタカナで表記する際のオーソドックスな転写規則を紹介しています。ウィキペディア日本語版内の表記をこの規則に従って統一することは想定されていません(Wikipedia:外来語表記法#原則)。記事名をつける際に、迷ったときの参考資料の1つと位置づけられます。また、日本語として定着しているものがある場合はそちらを優先させてください。

ポルトガル語は、ポルトガルで話されるものとブラジルで話されるもの(ブラジルポルトガル語とで、発音が異なる部分がいくつかあります。しかし、日本語において広く普及しているカタカナ表記は両者の折衷となっています。以下の転写規則は、特記以外はポルトガル・ブラジル共通です。それ以外の地域で話されているポルトガル語についても、おおむね適用して構いません。

この転写規則は、他の目的、たとえば、記事の中で現地音を解説する場合などに「ポルトガル語の発音をできるだけ正確にカタカナで表記しよう」とする目的には使えませんので注意してください。

母音[編集]

短母音[編集]

綴り カナ
a
o
u
e
i
  • eは、位置(語頭、語末など)やアクセントの有無、ポルトガルかブラジルかによって、さまざまに発音されます。原音にできるだけ近似した表記にしようとするならば、「エ」以外に「ウ」だったり「イ」だったりします。しかし、外来語表記法においては、すべて「エ」で通すのが慣例です。
  • 同様に、oも、できるだけ近似した表記だと「オ」だったり「ウ」だったりしますが、すべて「オ」で通します。
  • éやáは、音を延ばします。

二重母音・連母音[編集]

二重母音・連母音は、単純に組み合わせます。例: ei は「エイ」。

  • ou は、元々は二重母音 /ow/ でしたが、現代語では単母音/o/に変化し、一部で/ow/が残っているというのが現状です。カタカナ表記でも「オ」「オー」で表記される例も増加してきたように感じます。しかし、ウィキペディア日本語版では伝統的な「オウ」を採用しているものが目につきました。例: オウロ・プレット (Ouro Preto)、ロウザダ (Lousada)。

鼻母音[編集]

綴り カナ
-ão アン、オン São Paulo サンパウロ / seleção セレソン
-ãe アンイ pães パンイス
-õe オンイ Camões カモンイス

長母音・促音など[編集]

アクセント位置を明確にする場合は、母音およびに有声子音の前のアクセントのある母音は長母音()に、無声子音の前のアクセントのある母音は促音(ッ)にします(ただしイ、ウ段の母音の後は長音符を付けることが多いようです<例:ジーコ (Zico)>)。ただしファド (Fado)、リオ (Rio) のような例外もあります。また、ジュ(ー)リオ (Júlio) 、アマ(ー)リア (Amália)、ア(ー)ンジェロ (Ângelo) のような後ろから3音節離れた位置にアクセントがある場合は長音符も促音も付けないのが一般的です。

綴り カナ
-a ーア Maria マリ
-go ーゴ Figo フィ
-jo ージョ Tejo ジョ
-le ーレ Vale ヴァ
-lho ーリョ Julho ジュリョ
-na ーナ China
-r ール Salvador サルヴァド
-rres ーレス Torres レス
-sa ーザ César ザル
-ça ッサ Eça
-pa ッパ Capa

子音[編集]

綴り カナ
b バ行 Braga ブラガ
c a, o, u の前 カ行(カ、コ、ク) Coimbra コインブラ
e, i の前 サ行(セ、シ) Cecília セシ(ー)リア 「スィ」は用いない
ç サ行 Bragança ブラガンサ 「スィ」は用いない
ch シャ、シ、シュ、シェ、ショ Chica シカ
d ダ、ディ、ドゥ、デ、ド Dias ディアス 「ジ」は用いないが、ブラジルではよく用いられる(例:Edinho エジーニョ)。この時、「ヂ」は用いない(正記法に反するため)。
f ファ、フィ、フ、フェ、フォ Felipe フェリペ
g ga, gui, gu, gue, go ガ行 Braga ブラガ
Guarda グアルダ
gi, ge ジ、ジェ Rogerio ロジェリオ
h 無音なので無視、ただし、ch, lh, nh に注意(シャ行、リャ行、ニャ行) Bahia バイーア
j ジャ、ジ、ジュ、ジェ、ジョ Beja ベージャ
l 母音の後でかつ子音の前 Alberto アルベルト ブラジルでは母音化することがあるが、「ウ」、「ゥ」を用いず、伝統的な表記方法で「ル」と表記する[1]
それ以外 ラ行
lh リャ、リ、リュ、リェ、リョ Guilherme ギリェルメ
m 母音の前 マ行 Roraima ロライマ
それ以外 Coimbra コインブラ
n 母音の前 ナ行 Natal ナターウ
それ以外 Branco ブランコ
nh ニャ、ニ、ニュ、ニェ、ニョ Moutinho モウティーニョ
p パ行 Palmas パルマス
qu -e, -i ケ、キ Buarque ブアルキ
その他
-e, -i クエ、クイ ポルトガルではトレマが表記されない
r 語頭 ラ行 Rio de Janeiro リオデジャネイロ
母音間 ラ行 Oliveira オリヴェイラ
rr ラ行 Guerra ゲーラ
s 語頭 サ行 Santos サントス 「スィ」は用いない
母音間 ザ行 Brasília ブラジリア 「ズィ」は用いない
語末、無声子音の前 Santos サントス
有声子音の前
ss 母音間 サ行 Bissau ビサウ 「スィ」は用いない
t タ、ティ、トゥ、テ、ト tabaco タバコ 「チ」は用いないが、ブラジルではよく用いられる(例:Curitiba クリチバ)。
v ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ Vieira ヴィエイラ
w ブラジル ヴァ行(ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ)
ポルトガル ウァ行(ウァ(ワ)、ウィ、ウ、ウェ、ウォ)
x シャ、シ、シュ、シェ、ショ Xavier シャヴィエル
z 語頭・母音間 ザ行 Souza ソウザ 「ズィ」は用いない
語末 Vaz ヴァス
zz ッ+ザ行 「ズィ」は用いない

イベリアポルトガル語とブラジルポルトガル語の相違点[編集]

イベリアポルトガル語(ポルトガルでの発音)とブラジルポルトガル語(ブラジルでの発音)の主な相違点を明記します。

  • lは、ポルトガルでは「ル」ですが、ブラジルでは「ウ」となります。
  • ti/diは、ポルトガルではティ/ディ、ブラジルではチ/ジです。また語末のte/deは、ポルトガルではテ/デ、ブラジルではチ/ジです。この時、ブラジルでのdi, deは発音的には「ヂ」なのですが、日本語の正字法に反するため、「ジ」を使用してください。
  • r行は、ブラジルの一部ではハ行で発音することがあります。ただし、2010年代時点ではロナウドなど、ブラジルの物事でもラ行で表記するのが一般的なようです。

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 彌永史郎『ポルトガル語発音ハンドブック』大学書林、2005年4月10日。ISBN 4-475-01870-6 - 特に、「VI. カタカナ表記」の章を参考にしました。

関連事項[編集]

外部リンク[編集]