Nu (アーケードゲーム基板)
Nu(ニュー)は、セガ(後のセガ・インタラクティブ)が2013年9月に次世代業務用汎用基板として発表したアーケードゲーム用のシステム基板。RINGシリーズの後継機となる。
概要
[編集]アーキテクチャは前身のRINGシリーズ同様PCベースで構成されており、OSにWindows 8ベースのMicrosoft Windows Embedded 8 Standardを採用。Intel Core i3-3220(Ivy Bridge)やNVIDIA GeForce GTX650 Ti(Keplerアーキテクチャ)等を搭載する。これによりRINGEDGEと比較して消費電力が上がってはいるものの、性能は前世代機より2倍程度向上し、RINGシリーズからの移植も容易としている。
アプリケーションは従来までのDVD-ROMに加えて、USBストレージ、ネットワーク配信等により供給される。
Nu基板の外観はほぼRINGEDGEそのままで、I/Oパネルは一部配置が変更、PCIスロットの数はRINGEDGE2と同じであり、残り2つのスペースにJVS端子やその他ハーネス用の端子を搭載した基板が取り付けられている。電源ユニットはFlexATXサイズで専用コネクタを使用する。またセキュリティキーチップはRINGシリーズまでの専用端子方式からUSB接続方式に変更され、さらに当基板にてUSB 3.0端子が採用されたことに伴い、LINDBERGHから採用されたJVS I/Oコネクタとの誤接続を防止するための端子としてのUSBミニA端子がついに廃止され、通常のUSB A端子となった。これはUSB 3.0に対応したUSBミニA端子が規格としてはじめから用意されていなかったこと、USB 3.0端子とUSB 2.0の絶縁部が混在する環境ではUSB2.0は白か黒、USB3.0は青でそれぞれ区別することが推奨されていることにそれぞれ起因し、結果的にJVS I/OコネクタやUSB 2.0との区別が付きやすくなったからである。これによりオペレーターがインストール作業のたびに専用のDVDドライブ(USB MiniA - USB MiniB対応ケーブルを使用するもの)を探し回らなくとも、通常の外付DVDドライブ(USB A - USB B・MiniB・MicroBの各対応ケーブルを使用するもの)でインストールが可能となった。
ローンチタイトルは『初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone』。2013年11月21日より稼動開始し、nuの市場向けデビューとなる。
セガ・インタラクティブ設立後は、ビデオボードの型番などが変更された「Nu1.1」が登場。外観はオリジナルのNu基板そのままに、ロゴラベルに「1.1」の表記が追加された程度。サードパーティ向けの供給も『ルイージマンションアーケード』によるカプコンへの供給もなされた。
その後、廉価版(RING世代でいうRINGWIDE相当)となる「Nu SX」および「NuSX1.1」も登場し、このころにnuのブランド展開としてピークを迎えた。基板単体だと中身がむき出し状態である外観が特徴。
さらに2017年1月に「Nu2」が登場。外観は従来までのNu基板から大きく変更。ATXサイズの電源をそのまま採用し、通常のC14ソケット-C13プラグの組み合わせとなった。後述する後継汎用基板ALLSで本基板の外観が継承されている。しかしながら対応タイトルが2種類しかなく、PCベースのシステム基板の宿命として構成部材のEOL(End of Life:生産終了)によるシステム基板自体の供給の短命化により、nuのブランドでの新製品リリースは事実上の終焉を迎えるが、『けものフレンズ3 プラネットツアーズ』という例外が存在する。
なお、最初に登場したNuにおいてはストレージとなるSSDが64GB(本ページでは前期と記載)と128GB(同 後期と記載)のものが存在し、それぞれ採用ベンダーが異なっている。
基板スペック
[編集]- CPU
- Nu,Nu1.1:Intel Core i3-3220 3.30GHz 3.30GHz Nu2:Intel Core i5-6500 3.20GHz
- メインメモリ
- Nu,Nu1.1:DDR3 SDRAM PC3-12800 4GB Nu2:DDR4 SDRAM PC4‑2133P 8GB
- GPU
- Nu:NVIDIA製GeForce GTX650 Ti GDDR5 VRAM1GB搭載、Nu1.1:NVIDIA製GeForce GTX750 Ti GDDR5 VRAM2GB搭載、
- DirectX11.1・OpenGL4.3対応 フルHD2画面出力対応
- Nu2:NVIDIA製GeForce GTX950 GDDR5 VRAM2GB搭載
- サウンド
- High Definition Audio。192KHz/32bit 5.1ch出力対応
- 入出力
- アナログ・デジタル出力DVI-I端子×1、デジタル出力DVI-D端子×1
- オンボードLAN10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T
- 業務用ゲーム入出力 JVS I/Oコネクタ
- シリアル4ch
- USB 3.0×4ポート
- CAN×2ポート
- ストレージ
- 前期:APACER製SATA SSD 64GB+HGST製HDD500GB:後期:TDK製SATA SSD GBDISK GS1 128GB+HGST製HDD500GB
- その他
- ALL.Netサービス標準対応(課金・配信):
対応ゲーム
[編集]日付は稼働開始日(シリーズ作品は1作目もしくは当基板使用最初の作品の稼働開始日)
- Nu(オリジナル)使用タイトル
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- 初音ミク Project DIVA Arcade Future Toneシリーズ(セガ、2013年11月21日)
- このバージョン以前はRINGEDGE基板を使用。
- Wonderland Warsシリーズ(セガ、2015年2月19日)
- 初音ミク Project DIVA Arcade Future Toneシリーズ(セガ、2013年11月21日)
- Nu 1.1使用タイトル
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- ルイージマンションアーケード(カプコン、2015年6月18日→現在はオンラインサービスを終了しオフライン稼働となっている)
- チュウニズムシリーズ(セガ・インタラクティブ、2015年7月16日〜「PARADISE LOST」まで)
- 「NEW」よりALLS HX 2.1に移行。
- crossbeats REV.(カプコン、2015年7月23日→現在はオンラインサービスを終了しオフライン稼働となっている)
- マリオ&ソニック AT リオオリンピック アーケードゲーム(任天堂/セガ・インタラクティブ、2016年2月24日)
- 艦これアーケード(セガ・インタラクティブ、2016年4月26日)
- Nu 2使用タイトル
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- 三国志大戦(第2期)(セガ・インタラクティブ、2016年12月21日)
- 頭文字D ARCADE STAGE Zero(セガ・インタラクティブ、2017年3月7日)
- 「6AA」-「8 インフィニティ」はRINGEDGE基板を使用。
- 头文字D Arcade Stage Zero(中国版頭文字D)
- Nu SX使用タイトル[1]
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- ヒーローバンク アーケード(セガ、2014年7月2日→終了済)キッズゲーム向け専用ビデオゲーム筐体、SAYAKA CABINETを採用
- え~でる すなばシリーズ(セガ、2014年11月27日)
- 占いコレクション トロッテ(セガ、2014年12月18日)
- 新甲虫王者ムシキング(セガ・インタラクティブ、2015年7月16日→終了済)『ヒーローバンク』の筐体、SAYAKA CABINETを流用[要出典]
- ネイルプリ(セガ・インタラクティブ、2015年11月19日→終了済)
- けものフレンズ3 プラネットツアーズ(セガ・インタラクティブ、2019年9月26日)SAYAKA CABINETで提供
- Sonic Dash Extreme(USAのみ)
- Nu SX1.1使用タイトル
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- らくがきカードバトル撃墜王(セガ・インタラクティブ/ココノヱ、2016年7月13日)
- レッ釣り GO!(セガ・インタラクティブ、2018年9月20日)※メダルゲーム
- バベルのメダルタワー
後継汎用基板
[編集]Nuシリーズの後継基板となる。
脚注
[編集]- ^ 「え~でる すなば」シリーズ以外のタイトルはレンタル契約のため、終了済のものは回収され市場に存在しない。