Kojima-1L

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
Kojima-1L[1]
星座 おうし座
位置
元期:J2000.0[2]
赤経 (RA, α) 05h 07m 42.7246702587s[2][注 1]
赤緯 (Dec, δ) +24° 47′ 56.374960236″[2][注 1]
距離 1,650 ± 150光年[3]
(505 ± 47 パーセク[3]
Taurus IAU.svg
Cercle rouge 100%.svg
Kojima-1Lの位置
物理的性質
質量 0.581 ± 0.033 M[3]
別名称
別名称
TCP J05074264+2447555L[3]
Template (ノート 解説) ■Project

Kojima-1Lは、おうし座の領域にある恒星。2017年に観測された重力マイクロレンズ現象TCP J05074264+2447555で重力レンズとなった天体で、その後の観測結果から海王星質量の太陽系外惑星が発見された[3]

概要[編集]

主星はK型M型の境界付近のスペクトルを持つ主系列星で、質量は太陽の約60パーセント程度とされる[3]。2017年10月31日(日本時間11月1日)に、群馬県のアマチュア天文家小嶋正によって増光現象が発見された[4]。当初は何らかの爆発現象が予想されたが、X線で明るく見えるものがなく、増光の前後でスペクトルの変化も見られないことから、重力マイクロレンズ現象によって後背にある天体が増光したものであることがわかった[4]

惑星[編集]

Kojima-1Lをレンズ星とした増光現象が発見された直後からKojima-1Lに惑星質量の天体が存在する可能性が指摘されており[5]、2018年には地球質量の9.2 ± 6.6倍程度の質量を持つスーパーアースが存在するとする説が提唱されていた[6]

2019年11月、東京大学の福井暁彦特任助教、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所の鈴木大介研究員、東京大学/NASAの越本直季学振特別研究員らの研究グループは、岡山天体物理観測所やカナリア諸島のテイデ天文台他海外の望遠鏡を使った追跡観測から、当該惑星は海王星に匹敵する地球の約20倍の質量を持ち[注 2]、主星の雪線に近い約1.1天文単位 (au) の軌道にある、とする研究結果を発表した[3]

今回のような重力マイクロレンズ現象で、雪線付近で海王星質量の惑星が検出される確率を研究チームが試算したところ、わずか35%程度という結果が出た。この結果から研究チームは、「雪線付近に海王星質量の天体が存在する確率は、近年のトランジット法や視線速度法による観測結果から想定されていたよりも高い可能性がある」としている[3]

Kojima-1Lの惑星[3]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 20.0 ± 2.0 M 1.08+0.019
−0.015

名称[編集]

重力レンズ法で発見された系外惑星系の主星と惑星には慣例的にそれぞれ「増光事象名L」「増光事象名Lb」という呼称が付けられる[1]。当該増光事象は「TCP J05074264+2447555」という名称だが、研究チームは小嶋の発見を称えて増光現象に「Kojima-1」という別称を付けた[1]。これにより、主星は「Kojima-1L」、惑星は「Kojima-1Lb」と呼ばれる。

注釈[編集]

  1. ^ a b 光源天体のデータより引用
  2. ^ 海王星の質量は地球の約17.2倍

出典[編集]

  1. ^ a b c 福井暁彦; 鈴木大介; 越本直季; 前原裕之; 米原厚憲; 成田憲保 (2019年11月1日), “アマチュア天文家が発見した最近傍の重力レンズ系外惑星” (プレスリリース), 東京大学大学院理学系研究科・理学部, https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2019/6605/#a2 2019年11月8日閲覧。 
  2. ^ a b c UCAC4 574-013830”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2019年11月8日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i “Kojima-1Lb Is a Mildly Cold Neptune around the Brightest Microlensing Host Star”. The Astronomical Journal 158 (5): 206. (2019). Bibcode2019AJ....158..206F. doi:10.3847/1538-3881/ab487f. ISSN 1538-3881. 
  4. ^ a b 前原裕之 (2017年11月4日). “小嶋さんが明るい重力マイクロレンズ現象を発見”. VSOLJニュース (日本変光星観測者連盟). http://www.cetus-net.org/ml/vsolj-news/201711/msg00000.html 2019年11月8日閲覧。 
  5. ^ Nucita, A. A.; Licchelli, D.; De Paolis, F.; Ingrosso, G.; Strafella, F. (2017-11-08). “TCP J05074264+2447555 as a bright microlensing event due to a binary system with very low mass ratio component: hint for a new planetary system?”. The Astronomer's Telegram. http://www.astronomerstelegram.org/?read=10934 2019年11月8日閲覧。. 
  6. ^ Nucita, A A et al. (2018). “Discovery of a bright microlensing event with planetary features towards the Taurus region: a super-Earth planet”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 476 (3): 2962-2967. arXiv:1802.06659. Bibcode2018MNRAS.476.2962N. doi:10.1093/mnras/sty448. ISSN 0035-8711.