Iris motion graphics

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Iris motion graphics(アイリス・モーション・グラフィックス)は、主にアダルトゲームコンシューマーゲーム映像作品を制作しているムービー制作ブランド。Tsukune.が主宰している。

本ブランドが制作に携わった作品は、ユーザーによる主要な美少女ゲームランキングの映像部門において、複数回のランクインを果たしている。

経緯[編集]

かつてTsukune.は「捏音たむ」(つくね-)名義にて神藝工房MADムービー制作を行っていたが[1]、神藝工房の解散に伴い独立[2]。その後Tsukune.はブランド「Iris motion graphics」を立ち上げ、現在までアダルトゲームやコンシューマーゲームのOPムービープロモーションムービー等を制作している。

人物・作風[編集]

本節ではIris motion graphicsを主宰するTsukune.について述べる。9月17日生まれ[3]。アメリカの大学に通っていた当時、知人に影響を受けてMADムービーの制作を嗜んでいた[4]。Tsukune.の作品を観たアダルトゲームブランド「GROOVER」のプロデューサー、竹内博が声をかけたことをきっかけに、外注としてゲーム『グリーングリーン』の制作に関わることとなった[4]

制作にあたっては絵コンテを用いない[5]。編集技術をあくまで踏み台として考え、作品の伝えたいメッセージをなるべく表現し、そのうえに自らの個性を追加する手法をとっている[5]。また、美少女ゲームというジャンルに興味の無い視聴者にも関心をもってもらえるような作品制作を重視している[5]。作業環境(2002年当時)はWindows機2台で、1台をレンダリング用、もう1台を作業用として利用している[4]

反響[編集]

ランキング[編集]

Iris motion graphicsが制作を行った映像作品群について、関連する主要なランキングについて言及する。担当作品およびその制作内容については後述の節を参考にされたい。2003年から2010年までベクターが運営していた美少女ゲーム情報サイト「Galge.com」では、無料配信された各データの年間ダウンロード数を集計し、その結果をもとに順位を決定するランキングが発表されていた[6]。そのうちの2007年デモムービー部門において『長靴をはいたデコ』のデモムービーが15位を獲得した[6]

また、美少女ゲームサイト「Getchu.com」においても2003年より毎年発売された作品について、ユーザーによる投票数から各部門のランキングを発表しており、2007年までの映像部門および2008年からのムービー部門についてランクインした作品が多数ある。2004年には『SHUFFLE!』は2位、『はるのあしおと』は4位、『Canvas2 〜茜色のパレット〜』は8位、『Soul Link』は19位を記録[7]、2006年に『ef - the first tale.』は2位、『Really? Really!』は9位となった[8]。さらに2008年のside Whiteにおいて『ef - the latter tale.』が1位、続いて『FORTUNE ARTERIAL』が2位となり[9]、2009年でも『eden*』が1位を、『俺たちに翼はない』が3位に位置している[10]。2012年には『すぴぱら STORY#01 - Spring Has Come!』が2位、『はつゆきさくら』が7位にランクインしている[11]

批評[編集]

キルタイムコミュニケーションより2002年に発行された美少女ゲーム誌『美少女ゲームマニアックス3』には、Iris motion graphicsが制作を担当した『グリーングリーン』デモムービーの批評が掲載された。「いきなり重々しい男性のナレーションから始まる珍しいデモだが、その内容はポップな主題歌をベースにした、ノリのよい作品」と評価し、全シーンにさりげなく緑を配置した演出については「タイトルやゲームのテーマに沿っているため」と推測した上、センスがある・「秀逸」とした[12]。「誰もが懐かしくなるような緑溢れる夏と青春の日々の雰囲気をうまく表現している」と概して高評価だったが、「ちょっと煽り文句が興ざめなところ」を欠点に挙げている[12]

担当作品[編集]

注記のないものはOP担当。

映像制作[編集]

一般向け[編集]

(以上5作の出典:[13]

アーケードゲーム[編集]

(以上2作の出典:[13]

アダルトゲーム[編集]

エフェクト制作[編集]

(以上2作の出典:[13]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ What's神藝工房?”. Shingei-Factory International. 2000年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月26日閲覧。
  2. ^ Radiant Impression Prelude”. Yashiro Kanzuki. 2001年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月26日閲覧。
  3. ^ 『RASPBERRY』vol.13, p.17.
  4. ^ a b c 『RASPBERRY』vol.4, p.32.
  5. ^ a b c 『RASPBERRY』vol.4, p.33.
  6. ^ a b galge.com - 特集 -”. Galge.com. 2008年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月29日閲覧。
  7. ^ 2004年MOEゲーランキング”. Getchu.com. 2014年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月29日閲覧。
  8. ^ 2006年美少女ゲームランキング 結果発表 —映像—”. Getchu.com. 2013年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月29日閲覧。
  9. ^ Getchu.com:2008年美少女ゲームランキング 結果発表−ムービー部門−”. Getchu.com. 2014年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月29日閲覧。
  10. ^ Getchu.com:げっちゅ投票「このゲームは“絶対”プレイしとけ!!」ユーザーランキング2009年決定版−投票結果発表−”. Getchu.com. 2013年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月29日閲覧。
  11. ^ 美少女ゲーム大賞2012 −ムービー部門投票・結果発表− Getchu.com”. Getchu.com. 2014年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月29日閲覧。
  12. ^ a b 『美少女ゲームマニアックス3』, p.61.
  13. ^ a b c d Iris motion graphics | MOTIONGRAPHY”. Iris motion graphics. 2015年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月26日閲覧。

参考文献[編集]

書籍[編集]

  • 「デモムービーで駆け抜けろ!」『美少女ゲームマニアックス3』キルタイムコミュニケーション、2002年、60 - 63頁。ISBN 978-4-86032-031-7 

雑誌記事[編集]

  • 「Wind -a breath of heart- CONTENTS #1 CREATOR'S INTERVIEW#1 新海誠×Tsukune」『RASPBERRY』第4号、ソフトバンクパブリッシング、32 - 33頁、2002年。 
  • Vector ベクトルのある風景 Answer to Tsukune.「発売直前! 巻頭12ページ大特集!! SHUFFLE!」『RASPBERRY』第13号、ソフトバンクパブリッシング、16 - 17頁、2003年。 

外部リンク[編集]