COMPLEX
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COMPLEX | |
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出身地 |
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ジャンル |
ロック ビートロック ポップ・ロック デジタルロック パワーポップ |
活動期間 |
1988年 - 1990年 2011年(チャリティー限定) 2019年[注 1] |
レーベル |
東芝EMI/イーストワールド (1988年 - 1990年、1998年) USM JAPAN[注 1] (2019年) |
事務所 |
IRc2コーポレーション(布袋) 7'sエンタープライズ(吉川、1988年 - 1990年) アクセルミュージックエンターテイメント(吉川、2011年) |
公式サイト | ユニバーサルミュージック合同会社によるページ |
メンバー |
吉川晃司(ボーカル・ギター) 布袋寅泰(ギター・コーラス) |
COMPLEX(コンプレックス)は、シンガーソングライターの吉川晃司と元BOØWYのギタリスト・布袋寅泰の2人によって結成された日本の音楽ユニット・バンド。
目次
メンバー[編集]
来歴[編集]
結成[編集]
2人は、布袋の所属していたバンドであるBOØWYのアルバムに吉川が参加、また吉川のアルバムにギタリストとして布袋が参加するなど結成以前から交流があり、1988年12月10日にCOMPLEX結成を発表する。翌1989年4月にシングル「BE MY BABY」でデビュー。
活動休止[編集]
結成から2年後の1990年11月8日、この日開催の東京ドーム公演をもって無期限の活動休止状態となる。表向きは活動休止となっているが、事実上の解散である。COMPLEX結成以前から公私に渡る付き合いがあり友人関係だった2人だが、COMPLEX後期には関係が悪化していたことを本人達も認めている。吉川曰く「離婚したような関係」。
その後2人の交流はほとんど無かったが、2005年に布袋のCOMPLEX時代の曲を含むベストアルバムがリリースされた。また吉川の口からも布袋に関する話題が出るようになり、布袋のライブに吉川から花が贈られることもあった。
復活[編集]
2011年4月28日、吉川、布袋双方の公式サイトにおいて21年ぶりに一日限りの復活をすることが発表された[1][2]。7月30日、東京ドームにおいて「日本一心」と銘打ったライヴを行った。このライヴは3月に発生した東日本大震災のチャリティーライブとして行われ、本公演の収益は同震災の復興、復旧に全額寄付された。なおこのライヴは、当初予定されていたFUNKY MONKEY BABYSの公演が中止となり、その空いた枠を利用して行われた。
5月28日、当初は7月30日の1日だけの予定であったが、7月31日の追加公演が決定したことが発表され、2DAYS公演となった。
震災後、吉川が布袋に「いつかコンプレックスをやろうと話したこともあり、ならば(震災からの復興を目指している)今しかないだろう」と再結成を呼び掛けたところ、布袋も一度は「まだ気持ちの整理が付いていない」と返答を保留したが、程なく(返事を保留した翌日と言われている)「願いは一つ。心は一つ。答えは一つ。是非やりたい。」と再結成することを事実上二つ返事に近い形で承諾した。
12月31日、IRc2コーポレーション、アクセルミュージックエンターテイメント、ディスクガレージより、公演、コンサートグッズ、公演を収録したDVDの売り上げから総額654,318,473円という金額を集めることができたと発表があった(翌年ブルーレイが発売された為、総額は更に多い)。
逸話[編集]
結成[編集]
- 渡辺プロから独立したての吉川と、BOØWY解散後の布袋の、飲み屋での一緒にやろうかと言う話から、双方の事務所も乗り気になり結成へと至る。吉川サイドはアイドルからの脱皮・ソロアーティストとしてのキャリアしかなくロックバンドという活動形態に魅力を感じ、それを通して「自分のコンプレックスそのものである洋楽に匹敵するスケールの大きい音楽」を採算度外視で作るため[3]、布袋サイドはソロアルバムに対し、BOØWYファンからの布袋の歌への否定的な声と、ギタリストとしてギターインストの作品を求める声があがり、布袋本人も一流ギタリスト、プロデューサーとして、未熟なボーカリストの自分を認められずにいたため、双方の事務所はこのユニットの企画を積極的に進めていった。
- ギター雑誌で布袋は「一時的なものではなく、パーマネントにやっていくつもり。吉川もソロをやりたくなったらソロをやるし、俺も『GUITARHYTHM』をやる」と発言。後年、吉川に対しては「君」付けになり、自身の一人称を「僕」と言うようになった(布袋はインタビューの内容や相手によって、意図的に使い分けているようである)。
- 結成当時のインタビューで初対面の印象を聞かれ、布袋は「やっぱりアイドルってこんな感じかっていう。肩幅もあってバランスが取れてるし。ロックの奴ってやっぱ斜めじゃん」、吉川は「とにかくデケェ!っていう。俺より背の高い奴なんてそんなに会った事なかったし、190cmなんて規格外でしょ!」とお互いについて言い表し、「何だ?この会話は。君らプロレスラーか?」と渋谷陽一に突っ込まれていた。
解散の原因[編集]
- 本能のままに生音を制作し、シンガーソングライターとして急成長する吉川と、音楽の細部にわたるこだわりだけでなく、活動コンセプトやファッション、ビジネス面に至るまでを綿密に計画しプロデューサー視点でトータルで捉える布袋との間に徐々に溝が生まれ、最後は飲み屋でのつかみ合いに発展して活動停止に至った。また当時、コンピュータを多く導入した隙のないサウンド作りを考えていた布袋と、COMPLEXのツアーで一流ミュージシャンによる生演奏で歌うことの楽しみを知った吉川との間に音楽性の根本的な違いが生じたことも休止の要因と言われている[3]。
- 吉川は自身の20周年企画番組の中で、「組んでみたら最初から全然感覚から何から違っていて、最後のアルバムを出すときにはもう勝手にやってという感じだった。」、「1枚だけしかアルバムを出さないのはカッコ悪いから2枚目のアルバムも出したんだけど、その時はもう完全に分業体制でレコーディングをしていた。」というニュアンスのコメントを残している。しかしながら解散時のインタビューでは「プロデュースの仕方とか、(布袋の)仕事を見ていて得るものは沢山あった。」ともコメントしている。
- また布袋がDJを担当していたラジオ番組『ミュージック・スクエア』内で組まれたCOMPLEXセカンドアルバム特集においては、布袋とゲストの吉川両名ともアルバムコンセプトや社会情勢、お互いの音楽ルーツについて深く語り合うなど、上記の確執を感じさせないパートナーシップを見せていた。
- 活動停止直後に同番組内で布袋は「演りたくなったらまた演ろうというのは全然おかしくないと思うのだけど、みんな深読みするからね」とコメントをしたが、更に後には「商業的成功以外、何も得ることはなかった」というコメントも残している。
- 活動停止直後の音楽雑誌において、吉川は「2人ともわがままだったから、急死(休止)したのも、お互い『もういいや』って思ったからだった。周囲のスタッフやファンから嫌われても仕方のないことをしてしまった」[3]、布袋は「COMPLEXさえ組まなければ、少なくとも友達を失くす事はなかった筈なんだよね」とコメントしていた。
- 解散直前の時期、布袋は既に『GUITARHYTHM II』の製作に入っていたが、吉川の強い希望によって最後の東京ドームコンサートが実現した。吉川は後に「布袋は、最後の東京ドーム公演が終わったステージ上で、自分とCOMPLEXを組んで以来初めて笑ったんだぜ」と語った。
その他[編集]
- 元BOØWYのボーカル氷室京介はCOMPLEXについて、雑誌『宝島』のインタビューで「好きですか?って質問?」、「あんなことがやりてぇのかなと思うよ」、「いや、2人と言うか……あれが布袋の本当にやりたいことなのかなと思って」、「というかソロアルバムを出したじゃん。『GUITARHYTHM』を発表したのはわかる。で、あえてバンドを組んでああいう事をやる必要性って言うか、分からないよね」とコメントしている。一方、解散後の2人については「吉川が布袋から受けた音楽的影響は、決して小さいものではないはず。」と語っている。
- 「MODERN VISION」など、COMPLEX時代の楽曲で吉川が91年にソロとして活動を再開した後のライブで唄われたりソロとしてカバーされてアルバムに収録されている楽曲もある。
- 吉川が行きつけるスーパーマーケットでたまたま布袋と出会って話し込むなど、現在は悪い関係ではないという事が吉川の口から語られている[4]。ちなみに再会時、吉川と布袋は偶然にもまったく同じ靴を履いており、それが会話のきっかけになったという。また前述の通り、行きつけのスーパーが同じことや、「21年ぶりの復活」を話すために会ったのが互いの自宅近くにある公園ということから、いわゆる「ご近所さん」であった。(2012年に布袋はロンドンに活動拠点を移している)。
- 発表した楽曲の権利関係は、全曲布袋の所属事務所の出版社「アイアールシートゥコーポレーション トイボックス・ゼロ」が管理している[5]。
ディスコグラフィー[編集]
シングル[編集]
発売日 | タイトル | レーベル | 規格 | 規格品番 | 順位[6] | 収録アルバム | |
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1st | 1989年4月8日 | BE MY BABY | 東芝EMI/イーストワールド | 7インチ 8センチCD |
RT07-2324 XT10-5036 |
1位 | COMPLEX |
2nd | 1990年3月14日 | 1990 | 東芝EMI/イーストワールド | 8センチCD CT |
TODT-2486 TOST-2486 |
1位 | ROMANTIC 1990 |
オリジナル・アルバム[編集]
発売日 | タイトル | レーベル | 規格 | 規格品番 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1st | 1989年4月26日 | COMPLEX | 東芝EMI/イーストワールド | LP CD CT |
RT28-5443 CT32-5443 ZT28-5443 |
1位 |
2nd | 1990年4月18日 | ROMANTIC 1990 | 東芝EMI/イーストワールド | CD CT |
TOCT-5660 TOTT-5660 |
1位 |
ライブ・アルバム[編集]
発売日 | タイトル | レーベル | 規格 | 規格品番 | 順位 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1st | 1991年1月23日 | 19901108 | 東芝EMI/イーストワールド | CD CT |
TOCT-5980 TOTT-5980 |
2位 | |
2nd | 2012年7月30日 | COMPLEX 20110731 日本一心 | ディスクガレージ | CD | - | Blu-ray Disc版『COMPLEX 20110730 日本一心』の付属特典。CD2枚組。 |
ベスト・アルバム[編集]
発売日 | タイトル | レーベル | 規格 | 規格品番 | 順位 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1st | 1998年2月6日 2019年4月24日 |
COMPLEX BEST | 東芝EMI/イーストワールド USM JAPAN |
CD SHM-CD+BD SHM-CD |
TOCT-10180 UPCY-9908 UPCY-7579 |
4位 | 唯一のベストアルバム。 2019年にバンドデビュー30周年を記念して、高音質ディスクSHM-CDを採用しミュージック・ビデオとライブ映像を収録したBlu-ray付属の「限定盤」と「通常盤」の2形態で再発リリース。 |
映像作品[編集]
発売日 | タイトル | レーベル | 規格 | 規格品番 | 順位 | 備考 | |
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1st | 1989年5月3日 | BE MY BABY | 東芝EMI | VHS DVD |
FK020-7004H TOBF-5166 |
1位(VHS) | ミュージック・ビデオ集 DVD盤には『romantic extra』の内容も収録されている |
2nd | 1989年11月1日 | COMPLEXTOUR'89 | 東芝EMI | VHS LD DVD DVD |
TOVF-1038 TOLF-1038 TOBF-5165 TOBF-91012 |
- | ライブ・ビデオ |
3rd | 1990年 | romantic | 東芝EMI | VHS | COM-001 | - | ミュージック・ビデオ集 romantic1990ツアーでのライブ会場限定販売 |
4th | 1990年6月27日 | romantic extra | 東芝EMI | VHS LD |
TOVH-1070 TOLF-1070 |
- | ミュージック・ビデオ集 |
5th | 1991年2月14日 | 19901108 | 東芝EMI | VHS DVD DVD |
TOVF-1108 TOBF-5167 TOBF-91013 |
- | ライブ・ビデオ |
6th | 2011年11月21日 | COMPLEX 20110730 日本一心 | ディスクガレージ | DVD BD+CD |
COMP-2011 COMPLEX-1 |
- | ライブ・ビデオ BD盤はライブCD2枚付きの3枚組 |
ミュージック・ビデオ[編集]
年 | タイトル | 監督 | 収録作品 |
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1989年 | BE MY BABY | 中村友彦 | ビデオ『BE MY BABY』 |
PRETTY DOLL | |||
1990年 | 1990 | ビデオ『romantic』 ビデオ『romantic extra』 | |
HALF MOON | |||
GOOD SAVAGE | |||
MAJESTIC BABY | |||
BLUE |
タイアップ[編集]
年 | 楽曲 | タイアップ内容 |
---|---|---|
1989年 | 恋をとめないで | TBS系ドラマ23「白鳥麗子でございます!」主題歌 |
1991年 | BE MY BABY | トヨタ自動車「セラ」コマーシャルソング |
2005年 | 恋をとめないで | アサヒ飲料缶コーヒー「WONDA」コマーシャルソング |
2008年 | BE MY BABY | トヨタ自動車『bB「エクササイズ篇」』コマーシャルソング |
2019年 | BE MY BABY | クラシエ「いち髪」コマーシャルソング |
公演[編集]
年 | 形態 | タイトル | 公演規模・会場・セットリスト | 収録作品 |
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1989年 | コンサートツアー | COMPLEX TOUR'89 | 35都市全42公演
5月10日 群馬県民会館 全19曲
1.PRETTY DOLL |
ビデオ『COMPLEXTOUR'89』 |
1990年 | コンサートツアー | ROMANTIC 1990 TOUR | 20都市全33公演
5月9日 群馬県民会館 全20曲
1.ROMANTICA |
- |
単発コンサート | ROMANTIC EXTRA | 全1公演
11月8日 東京ドーム 全21曲
1.BE MY BABY |
アルバム『19901108』 ビデオ『19901108』 | |
2011年 | 単発コンサート | 東日本大震災復興支援チャリティライブ 日本一心 | 全2公演
7月30日 東京ドーム 全22曲
1.BE MY BABY |
ビデオ『COMPLEX 20110730 日本一心』 |
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
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