老いぼれグリンゴ
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老いぼれグリンゴ(スペイン語: Gringo Viejo)は、1964年から1984年にかけて書かれたカルロス・フエンテスの小説である。そして1985年に最初に出版された。池澤夏樹は、この小説を、「現代世界の十大小説」の1つであると述べており[1]、池澤夏樹=個人編集 世界文学全集にも作品が収められている[2]。フエンテスは次のように述べている。「この小説を書き始めたのは、アンブローズ・ビアスと彼の『兵士と民間人の物語』に対する私の賞賛であります。私は、アメリカ南北戦争で戦い、メキシコ内戦で亡くなった男性のアイデアに魅了されたのです」 [3]。この小説は、とりわけ、死や文化交流などに焦点を当てており、その英語の翻訳は、メキシコの作家が米国のベストセラーになった最初の小説としても知られている[4]。この本は、1985年のベストノベルとしてヘミングウェイ賞にノミネートされた3作のうちの1作であった[5]。
翻訳
[編集]- スペイン点字: Gringo Viejo (1985)
- 英語訳:The Old Gringo(1985)
- デンマーク語: Den gamle gringo (1985)
- フランス語: Le vieux gringo (1986)
- ドイツ語: Der alte Gringo (1986)
- スウェーデン語: Den gamle gringon (1986)
- イタリア語: Il gringo vecchio (1986)
- 英語の点字:The Old Gringo(1987)
- ギリシャ語: Ho gero-gkrinnko (1987)
- ポルトガル語:ポルトガル: O velho gringo (1987)、ブラジル: Gringo Velho (1988)
- オランダ語: De oude gringo (1988)
- フィンランド語: Vanha gringo (1989)
- 日本語:『老いぼれグリンゴ』(1990)[6]
- 中国語:『奧拉; 異鄉老人』(1991)
- ポーランド語: Stary gringo (1992)
- ルーマニア語: Bătrânulgringo (1998)
- ペルシア語: Grīngu-yipīr (1378 [1999])
- 韓国語: 내가사랑한그링고 / NaekasaranghanGŭringgo (2001)
- トルコ語: Koca gringo (2004)
- クロアチア語:Stari gringo(2005)
- チェコ語: Starýgringo (2005)
- シンハラ語: Grangomahallā (2007)
- ロシア語: Старыйгринго / Staryĭgringo (2010)
出典
[編集]- ^ 池沢, 夏樹『現代世界の十大小説』NHK出版、2014年12月。ISBN 978-4-14-088450-8。OCLC 900620677。
- ^ 『世界文学全集 2-08』河出書房新社、2009年。ISBN 978-4-309-70960-4。
- ^ Rohter, Larry, "From One Civil War to Another". New York Times, Oct. 27, 1985.
- ^ Anahi Rama and Lizbeth Diaz (May 15, 2012). “Mexican novelist Carlos Fuentes dies at 83”. Chicago Tribune. Reuters May 17, 2012閲覧。
- ^ Richter, Larry, "Why the Road Turned Rocky for 'Old Gringo'." New York Times, Oct. 22, 1989.
- ^ 安藤哲行訳。1990年に『私が愛したグリンゴ』の訳題で集英社から刊行されたのち、1994年に集英社文庫から再刊される際に『老いぼれグリンゴ』と改題された。『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』II-08(2009年)に再録。
関連項目
[編集]- 1985年の文学
- メキシコ文学
- アンブローズ・ビアス - 本作の主要登場人物の一人。題名の「老いぼれグリンゴ」とはビアスのこと。
- 私が愛したグリンゴ - 1989年のアメリカ映画。本作を原作とする。原題は本作の英訳と同じ。