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ヒゲペンギン

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ヒゲペンギン
ヒゲペンギン
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ペンギン目 Sphenisciformes
: ペンギン科 Spheniscidae
: アデリーペンギン属 Pygoscelis
: ヒゲペンギン P.antarctica
学名
Pygoscelis antarctica
Forster, 1781
英名
Chinstrap Penguin

ヒゲペンギン(学名:Pygoscelis antarctica)は、ペンギン科・アデリーペンギン属に分類されるペンギンの一種。南極大陸の周辺に生息する中型のペンギンである。

分布

ペンギンの分布域、オレンジが繁殖地、水色が生息地

南極大陸の周辺海域に分布するが、特に南アメリカ南端部から南極半島の周辺に多い。ペンギンの中では最も個体数が多く、繁殖するつがいが約750万組と見積もられている。非繁殖期は外洋で生活し、オキアミや小魚などを捕食する。

おもな繁殖地は南極周辺の島嶼である。

大西洋ではイギリスサウス・サンドウィッチ諸島サウス・オークニー諸島サウス・シェトランド諸島サウス・ジョージア島ノルウェーブーベ島。 南太平洋ではバレニー諸島ピョートル1世島 等である。この他、南極半島などにも繁殖地がある。

形態

体長は約71cm-76cm[1]、体重4kg-7kgほど。羽毛は腹側が白く、背中側が黒い。足はピンク色をしている。

顔は白いが目は黒く、さらに目の後ろから喉を通る黒い帯模様があるのが特徴である。和名の「ヒゲペンギン」は喉を通る帯模様をあごひげに見立てたものである。また、英名の"Chinstrap"は帽子ヘルメットのあごひものことで、これもやはり喉を通る帯模様に由来している。なお、学名の種小名" antarctica "は南極を意味する。現在日本において南極のペンギンといえばコウテイペンギンアデリーペンギンであるが、第二次世界大戦前に日本で南極のペンギンといえばヒゲペンギンを指していた。このため、「ナンキョクペンギン」の和名で紹介している書籍も、当時は存在した。

生態

ほとんどの時間を沿岸海域の浅い海での採餌に費やす。餌はオキアミが大きな割合を占める。他のペンギンと同様に食べられるかぎり採餌する。オキアミから十分な栄養が得られる場合は1分程度の潜水しか行わず、3分以上潜ることはめったに無い。オキアミが十分に育たず、栄養が取れない場合は普段以上に長く深く潜ってハダカイワシを狙う。他のペンギンに比べて夜間視力に優れ、他のペンギンが深く潜らない夜間に日中よりも深く潜水することでオキアミの不足を補う。最深潜水記録は179mだが、必要であれば更に深く潜ることができる。[1]

天敵はヒョウアザラシオオトウゾクカモメミズナギドリカモメサヤハシチドリに卵を狙われることもある。特にヒョウアザラシは潜水中でも浮上した水際でも襲われる。給餌期には頻繁に海に出入りするためヒョウアザラシに襲われやすく、個体数に打撃を与える。他のペンギンよりも逃げるのが下手で、特に幼鳥は犠牲になりやすい。[1]

野生下でも20年生きた個体がいるが、平均寿命は12歳未満[1]

繁殖行動

アデリーペンギンジェンツーペンギンと同じく、に繁殖を始める。が溶けた岩場に小石を円形に積み上げてを作るのも同じだが、他のペンギンが避けるような斜面にも巣を作る。また、性格が攻撃的で、繁殖地が重なる他の種類のペンギンを押しのけることもある。

は1個-3個だが、たいていの場合2個産卵する。他のペンギンはまずオスが抱卵するが、ヒゲペンギンの場合はメスが最初に抱卵する。5日から10日おきにオスとメスが交代しながら抱卵し、産卵から約35日後に灰色の綿毛におおわれたヒナが孵化する。

ヒナは約1ヶ月ほど巣にとどまり親鳥から給餌を受ける。大きくなったヒナはヒナ同士の集団「クレイシュ」に集まり、2ヶ月ほど親鳥から給餌を受けながら集団生活をする。充分に成長したヒナは成鳥の羽毛に換羽して海へ旅立つ。

日本で飼育する水族館

和歌山アドベンチャーワールドのヒゲペンギン
アドベンチャーワールドのヒゲペンギン

脚注

  1. ^ a b c d デイビット・サロモン『ペンギン・ペディア』151-163頁。

参考文献

関連項目

外部リンク