コンテンツにスキップ

イージー・ライダーのバラード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。K's Garage (会話 | 投稿記録) による 2022年10月13日 (木) 04:35個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

イージー・ライダーのバラード
ロジャー・マッギン楽曲
収録アルバムEasy Rider
リリース1969年8月
録音ロサンゼルス、コロムビア・スタジオ(1969年2月)
ジャンルフォークロックカントリーロック
時間2分15秒
レーベルダンヒル・レコード
作詞者ロジャー・マッギン
ボブ・ディラン(クレジットなし)
作曲者ロジャー・マッギン
Easy Rider 収録曲
Side 1
  1. 「ザ・プッシャー」
  2. ワイルドでいこう!
  3. ザ・ウェイト
  4. ワズント・ボーン・トゥ・フォロー
  5. 「イフ・ユー・ウォント・トゥ・ビー・ア・バード」
Side 2
  1. 「ドント・ボガート・ミー」
  2. 「イフ・シックス・ワズ・ナイン」
  3. 「キリエ・エレイソン」
  4. イッツ・オールライト・マ
  5. イージー・ライダーのバラード

イージー・ライダーのバラード」(Ballad of Easy Rider)は、ロジャー・マッギンが映画『イージー・ライダー』(1969年)のために作詞作曲した楽曲。マッギンはボブ・ディランが書き留めた言葉を元に曲を完成させた。

ロジャー・マッギンのバージョン

映画『イージー・ライダー』の製作・脚本を務め、主演者でもあるピーター・フォンダはボブ・ディランの「イッツ・オールライト・マ」を使おうと当初考えていたが、権利の関係で使用は認められなかった。フォンダは代わりに、バーズロジャー・マッギンにカバー・バージョンを依頼した[1]。次にフォンダはディランに映画のテーマソングを書いてくれないかと頼む。ディランは依頼を断るが、ナプキンに「The river flows, it flows to the sea / Wherever that river goes, that's where I want to be / Flow, river, flow」という言葉を走り書きし、「これをマッギンに渡してくれ。彼ならどうしたらいいか分かるはずだ」と言った[2][3] 。詞の断片は言われたとおりマッギンに渡され、彼は言葉を付け加えるとともにメロディも完成させた[2]

ディランは『イージー・ライダー』の内輪向けの上映会で、自分の名前がテーマソングの共作者としてクレジットされていることに気付いた。彼はマッギンに電話をかけ、エンドロールから自分の名前を外すこと、および今後リリースされる際にも名前を外すことを要求した。マッギンはディランが「イージー・ライダーのバラード」を自分のものではないと主張した理由をこう推測した。「彼はあの映画がそんなに好きになれなかった。あのエンディングも。詩的正義[4]が果たされるために、むしろトラックが爆破することを彼は望んだ。ピーター・フォンダのアンチ・ヒーローのコンセプトが彼には理解できなかったようだ」[5]

1969年2月、マッギンはロサンゼルスのコロムビア・スタジオでレコーディングを行った。バーズのメンバーのジーン・パーソンズがハーモニカで参加した。

同年7月公開の映画『イージー・ライダー』には前述の「イッツ・オールライト・マ」と本作品がマッギンの単独名義で収録された。映画のサントラは8月に発売された[6]

バーズのバージョン

「イージー・ライダーのバラード」
バーズシングル
初出アルバム『イージー・ライダー
B面 Oil in My Lamp(9月)
ワズント・ボーン・トゥ・フォロー(10月)
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 ロサンゼルス、コロムビア・スタジオ(1969年6月18日)
ジャンル フォークロックカントリーロック
時間
レーベル コロムビア・レコード
作詞・作曲 ロジャー・マッギン
ボブ・ディラン(クレジットなし)
プロデュース テリー・メルチャー
チャート最高順位
テンプレートを表示

バーズのバージョンは1969年6月18日に録音された。プロデューサーのテレー・メルチャーは当時ヒットしていたグレン・キャンベルの「ジェントル・オン・マイ・マインド」やニルソンの「うわさの男」などを真似て、オーケストラのダビングを行った[5]

同年9月9日、シングルA面として発売。B面は「Oil in My Lamp[7]。それから間もない10月1日、コロムビア・レコードはB面を映画で使用された「ワズント・ボーン・トゥ・フォロー」に差し替え、10月1日に再発売した[8]。シングルはビルボード・Hot 100で65位を記録した。11月10日、バーズの8番目のアルバム『Ballad of Easy Rider』に収録された。

バーズのライブ・バージョンは2000年にリリースされた『(タイトルのないアルバム)』の再発盤にボーナストラックとして収録された。

脚注

  1. ^ Rogan, Johnny. (1998). The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.). Rogan House. pp. 290–291. ISBN 0-9529540-1-X 
  2. ^ a b Fricke, David. (1997). Ballad of Easy Rider (1997 CD liner notes) 
  3. ^ Hjort, Christopher. (2008). So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star: The Byrds Day-By-Day (1965–1973). Jawbone Press. pp. 201–203. ISBN 1-906002-15-0 
  4. ^ 「詩的正義」とは「poetic justice」の直訳の文学用語。文学作品、特に劇で、登場人物がその行為に基づいて受ける正当な因果応報の原理を言う。
  5. ^ a b Rogan, Johnny. (1998). The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.). Rogan House. pp. 298–299. ISBN 0-9529540-1-X 
  6. ^ Easy Rider (Music From The Soundtrack) (1969, Terre Haute Pressing, Vinyl) | Discogs
  7. ^ a b 45cat - The Byrds - Ballad Of Easy Rider / Oil In My Lamp - Columbia - USA - 4-44990
  8. ^ a b 45cat - The Byrds - Ballad Of Easy Rider / Wasn't Born To Follow - Columbia - USA - 4-44990