2-イソブチル-3-メトキシピラジン

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2-イソブチル-3-メトキシピラジン
2-Isobutyl-3-methoxypyrazine[1]
識別情報
CAS登録番号 24683-00-9
特性
化学式 C9H14N2O
モル質量 166.22 g mol−1
外観 黄緑色~濃い緑色の液体
匂い 野菜の香り
嗅覚閾値 0.002ppb[2]
沸点

99℃(2.7Kpa)

危険性
引火点 80℃
関連する物質
関連するメトキシピラジン類 2-sec-ブチル-3-メトキシピラジン
2-イソプロピル-3-メトキシピラジン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-イソブチル-3-メトキシピラジン: 2-Isobutyl-3-methoxypyrazine)は、化学式C9H14N2Oで表されるピラジンの誘導体の一種である。IBMPとも略記される。天然にはグリーンペッパー、グリーンピースコーヒージャガイモゼラニウム油から検出され[2]、特にピーマンの香りを構成する上で重要な物質である[3]嗅覚閾値は0.002ppbと非常に強い匂いを持ち、これは本物質1グラムを50万トンの水で希釈しても匂いを感じることができるほどである[4]消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する[1]

用途[編集]

野菜のフレーバーが主であるが、飲料類にも0.05ppmほど使用される[2]

合成[編集]

メチルピラジンブロモエタンと反応させ2-イソブチルピラジンとしたのちに、塩化スルフリルで一旦塩素化し、ナトリウムメタノールメトキシ基に置換することで製造される[2]

脚注[編集]

  1. ^ a b 2-イソブチル-3-メトキシピラジン東京化成工業
  2. ^ a b c d 『合成香料 化学と商品知識』
  3. ^ 『フレーバー ―おいしさを演出する香りの秘密―』178頁
  4. ^ 『フレーバー ―おいしさを演出する香りの秘密―』94頁

参考文献[編集]

  • 印藤元一『合成香料 化学と商品知識』化学工業日報社、2005年、721頁。ISBN 4-87326-460-X 
  • 広山均『フレーバー ―おいしさを演出する香りの秘密―』フレグランスジャーナル社、2005年、94,178頁。ISBN 978-4-89479-086-5