門脇孝

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門脇 孝
生誕 1952年
日本の旗 日本 青森県
居住 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 糖尿病学内科学
研究機関 東京大学
出身校 東京大学
主な受賞歴 紫綬褒章
日本学士院賞
プロジェクト:人物伝

門脇 孝(かどわき たかし、1952年 - )は、日本医学者博士(医学)。専門は内科学糖尿病学。東京大学大学院医学系研究科教授、東京大学医学部附属病院長(2011-15年)、一般社団法人日本糖尿病学会理事長。

糖尿病の研究に携わり、その研究は日本国内で多くの表彰を受けている。特に、(1)遺伝子異常による糖尿病の同定、(2)発生工学的手法を用いた2型糖尿病メタボリックシンドロームの分子機構の解明、(3)PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)の生理的意義の解明と糖尿病治療薬チアゾリジン誘導体の作用機序の解明、(4)アディポネクチンインスリン感受性亢進作用の発見とアディポネクチン受容体の同定などの成果をあげ、2型糖尿病の成因・病態の解明とその臨床応用に貢献したとされている[1]

2008年より日本糖尿病学会理事長を務める。

経歴[編集]

  • 1952年 - 青森県八戸市生まれ
  • 1971年 - 東京教育大学附属駒場高等学校卒業
  • 1978年 - 東京大学医学部医学科卒業、東京大学医学部附属病院内科研修医
  • 1980年 - 東京大学医学部第三内科医員小坂樹徳教授)
  • 1986年 - 東京大学医学部第三内科助手(高久史麿教授)
  • 1986年 - アメリカ国立衛生研究所糖尿病部門客員研究員( - 1990年)
  • 1990年 - 東京大学医学部第三内科助手
  • 1996年 - 東京大学医学部第三内科講師
  • 1997年 - 東京大学博士(医学) 学位論文は 「ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病 -新しい糖尿病亜型の同定」。[2]
  • 1998年 - 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科講師
  • 2001年 - 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科助教授、科学技術振興事業団戦略的基礎研究推進事業「生物の発生・分化・再生」研究代表者         
  • 2002年5月17日 - 社団法人日本糖尿病学会理事(非常勤)
  • 2003年 - 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授(現職)
  • 2004年 - 東京大学総長補佐(兼務)、独立行政法人国立健康・栄養研究所応用栄養学研究部部長
  • 2005年 - 東京大学医学部附属病院副病院長(兼務)、群馬大学客員教授、順天堂大学環境医学研究所客員教授
  • 2006年 - 独立行政法人国立健康・栄養研究所臨床栄養プログラムリーダー
  • 2007年 - 情報・システム研究機構国立遺伝学研究所客員研究部門応用遺伝研究部門客員教授
  • 2008年 - 社団法人日本糖尿病学会理事長(非常勤)、グローバルCOEプログラム拠点リーダー
  • 2009年 - 東京大学総長特任補佐(臨床研究担当)(兼務)
  • 2010年 - 独立行政法人国立国際医療研究センター理事(2015年より国立研究開発法人国立国際医療研究センター理事、現職)
  • 2011年 - 東京大学医学部附属病院病院長(~2015年)、内閣官房医療イノベーション推進室次長(菅内閣 (第2次改造))
  • 2012年 - 東京大学トランスレーショナルリサーチ機構長(~2015年)
  • 2014年 - 武田薬品臨床研究不正疑惑に関わっていたことが報道された[3]が、適正な手続きの元に進められている臨床研究であることが、論文等で明らかになった[4] [5]
  • 2015年 - 2015年1月1日頃に、日本分子生物学会会員が運営する「日本の科学を考える」というWebサイトの「捏造問題にもっと怒りを」というトピックのコメント欄において、1996年~2004年に出版された責任著者を務める5報の論文に不自然な画像データの酷似があることが匿名Aというハンドルネームの投稿で指摘された[6][7][8][9]。共に指摘された東京大学に関わる他の責任著者の7報の論文と共に予備調査が行われた。その結果、いずれの論文についても「不正行為が存在する疑いはない」と判断されたことが東京大学から2015年7月31日に発表された [10][11][12]
  • 2016年 - 2016年9月20日に、東京大学は、Ordinary_researchersと名乗る匿名の差出人から捏造及び改ざんの疑いがあるとする申立てが2016年8月中にあった6名の22報の論文について、本調査を開始することをプレスリリースした[13]。東京大学は本調査される対象者を明らかにはしなかったが、産経新聞[14]、Science誌[15]、および週刊現代[16]は、対象者の一人が門脇孝であることを報道した。Science誌は、オンラインのニュース記事で、本調査の対象となっている門脇孝が責任著者の論文の数は7報であることを明らかにした[17]

受賞・叙勲歴[編集]

など受賞多数

著作[編集]

主な著作は以下のとおり[30]

  • 糖尿病の分子医学 / 羊土社、1992.12、(臨床医のための実験医学シリーズ ; 4)
  • 細胞増殖因子の最前線 / 羊土社、1993.7、(臨床医のための実験医学シリーズ ; 10)
  • 情報伝達とその異常 / 羊土社、1993.3、(臨床医のための実験医学シリーズ ; 7)
  • 分子糖尿病学の進歩 / 金原出版、1994.5
  • トランスジエニツクマウスとジーンターゲテイングを用いた糖尿病モデル動物の作製 / 東京大学、1994-1996
  • 糖尿病 / 羊土社、1995.10、(実験医学別冊)
  • 候補遺伝子及び全ゲノム解析による日本人インスリン非依存型糖尿病の原因遺伝子の解明 / 東京大学、1995-1996
  • 糖尿病の診断と治療 / 河盛隆造、柏木厚典と共著、メジカルビュー社、1997.6、(Modern diabetes ; 1)
  • 糖尿病血管合併症の診断と治療 / 河盛隆造、柏木厚典、メジカルビュー社、1997.6、(Modern diabetes ; 2)
  • 内分秘・代謝疾患 / 赤沼安夫、藤田敏郎と共著、医歯薬出版、1997.10、(別冊・医学のあゆみ)
  • 糖尿病の最前線 / 羊土社、1997.9、(新臨床医のための分子医学シリーズ)
  • 発生工学を用いたNIDDMの病態モデル作成によるNIDDMの発症機構の解明 / 東京大学、1997-1999
  • 罹患同胞対法を中心とした日本人主要NIDDM遺伝子のマッピングと同定 / 東京大学、1997-1999
  • PCR法利用の手引き / 矢崎義雄[他]、中外医学社、1998.4
  • 脂肪細胞 / 医歯薬出版、1999.12、(別冊・医学のあゆみ)
  • 軽症糖尿病 / 河盛隆造と共著、中外医学社、1999.11
  • 脂肪細胞の驚異と肥満 / 中尾一和、講談社、1999.12、((財)加藤記念バイオサイエンス研究振興財団シンポジウムシリーズ ; 15)
  • 糖尿病略語辞典 / 日本臨牀社、2000.3
  • PPARγ欠損マウスを用いた肥満・インスリン抵抗性・動脈硬化の分子機構の解明 / 東京大学、2000-2001
  • PPARγ内因性リガンド同定による肥満・インスリン抵抗性の新規診断・治療法の開発 / 東京大学、2000-2001
  • 糖尿病ナビゲーター / メディカルレビュー社、2002.3、(Medical navigator series)
  • 糖尿病療養指導ハンドブック / 渥美義仁[他]、南江堂、2002.3
  • アディポネクチンの2型糖尿病・高脂血症・動脈硬化症における病態生理学的意義の解明 / 東京大学、2002-2003
  • 創薬等ヒューマンサイエンス研究重点研究報告書. 平成15年度 第5分野、ヒューマンサイエンス振興財団、2004.9
  • 創薬等ヒューマンサイエンス研究総合研究報告書. 平成13-15年度 第5分野、ヒューマンサイエンス振興財団、2004.9
  • 症例から学ぶEBM時代の糖尿病診療 / 門脇孝[他]、医学書院、2004.2、(総合診療ブックス)
  • 糖尿病病態の分子生物学 / 南山堂、2004.3、(The frontiers in medical sciences)
  • 糖尿病・代謝症候群 / 小川佳宏、下村伊一郎と共著、医歯薬出版、2004.4、(別冊・医学のあゆみ)
  • アディポネクチン受容体の生理機能・情報伝達機構と病態生理学的意義 / 東京大学、2004-2005
  • 糖尿病合併症 / 最新医学社、2005.7、(最新医学別冊 ; 2005年)
  • 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち. 総論 / 香川靖雄、近藤和雄、石田均と共著、南江堂、2005.2、(健康・栄養科学シリーズ)
  • 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち. 各論 1 / 香川靖雄、近藤和雄、石田均と共著、南江堂、2005.5、(健康・栄養科学シリーズ)
  • 糖尿病の最新医療 / 堀田饒、豊田隆謙[他]、寺田国際事務所/先端医療技術研究所、2005.3、(先端医療シリーズ ; 32)
  • 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち. 各論 2 / 香川靖雄、近藤和雄、石田均と共著、南江堂、2005.10、(健康・栄養科学シリーズ)
  • 行動変化をうながす糖尿病エンパワーメント101のコツ / Robert M.Anderson、Martha Mitchell Funnell、Nugget Burkhart、Mary Lou Gillard、Robin Nwankwo[他]、医歯薬出版、2005.5
  • 療養指導を変える糖尿病セルフマネジメント教育101のコツ / Martha Mitchell Funnell、Robert M.Anderson、Nugget Burkhart、Mary Lou Gillard、Robin Nwankwo[他]、医歯薬出版、2006.2
  • 健康食品のすべて / 田中平三、篠塚和正、清水俊雄、山田和彦と共著、同文書院、2006.5
  • 新・病気とからだの読本. 第10巻 / 西村忠郎、福田諭、池田稔、廣瀬肇、大西正俊、田上順次、石川烈、早川巖、相馬邦道、島田馨、山中龍宏、岩田誠、永井良三、杉本恒明、福地義之助、藤井潤、工藤翔二、三木一正、大西真、井廻道夫、山田明、菅野健太郎、里見和彦、山本一彦、辻省次、江藤隆史、溝口秀昭、増田寛次郎、小林一女、高山幹子[他]、暮しの手帖社、2006.3
  • 最新糖尿病学 / 垂井清一郎、花房俊昭と共著、朝倉書店、2006.10
  • (内臓脂肪症候群)メタボリックシンドロームは内臓脂肪から始まります / 健康日本21推進全国連絡協議会、2006.11
  • インスリン抵抗性 / 松澤佑次、藤田敏郎と共著、医学書院、2006.12
  • アディポネクチン受容体の生理・病態生理的意義解明と生活習慣病治療の分子標的同定 / 東京大学、2006-2007
  • 期待されるチアゾリジン薬 / フジメディカル出版、2007.1
  • ゲノムは何をどのように決めているのか? / 文部科学省科学研究費特定領域研究「ゲノム」4領域、小原雄治、クバプロ、2007.1
  • ジョスリン糖尿病学 / ジョスリン[他]、第2版、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2007.3
  • 生活習慣病とPPARs / 藤田敏郎と共著、ライフサイエンス出版、2007.3
  • 糖尿病学 / 石橋俊、佐倉宏、戸邉一之、野田光彦と共著、西村書店、2007.6
  • ゲノムを医学する / 山村研一、渡邊武、丸山征郎、原田実根、南山堂、2007.7
  • 各種ガイドラインの効果的な活用法 / 坂本信夫、赤沼安夫、吉川隆一、豊田隆謙、清野裕、中村二郎、堀田饒、医歯薬出版、2007.9、(糖尿病up-date ; 23)
  • 脂肪細胞と脂肪組織 / 門脇孝、小川佳宏、文光堂、2007.5、(糖尿病カレントライブラリー ; 7)
  • 糖尿病治療 / メディカルレビュー社、2007.10、(Diabetes & cardiovascular disease ; no.3)
  • 糖尿病診療のあゆみと展望 / 小坂樹徳と共著、文光堂、2007.10
  • メタボリックシンドロームup to date / 岩本安彦、山田信博[他]、日本医師会、2007.7、(日本医師会生涯教育シリーズ)
  • 治療薬ハンドブック / 高久史麿[他]、じほう、2008.1
  • やさしい糖尿病教室 / 門脇孝[他]、医薬ジャーナル社、2008.3
  • メタボリックシンドロームリスク管理のための健診・保健指導ガイドライン / 島本和明、津下一代、松澤佑次と共著、南山堂、2008.3
  • 医療イノベーションとくすり / 日本薬学会、丸善プラネット、2008.5
  • アディポネクチンとその受容体 / フジメディカル出版、2008.6
  • SRL update forum講演集. 第4回、エスアールエル学術情報部、2008.7、(SRL宝函別冊 ; 2008)
  • あなたがメタボになる理由 / PHPエディターズ・グループ、2008.8
  • 健康食品のすべて / 田中平三、篠塚和正、清水俊雄、山田和彦と共著、第2版、同文書院、2008.5
  • 糖尿病学. 1 / 石橋俊、佐倉宏、戸邉一之、野田光彦と共著、西村書店、2009.6
  • 健診で血糖値が心配ですよと言われた人の本 / 門脇孝、法研、2009.3
  • 糖尿病up・date. 25 / 堀田饒、清野裕、柏木厚典、中村二郎と共著、時事通信出版局、2009.6
  • 最新メタボリックシンドローム診療マニュアル / 戸邉一之[他]、医歯薬出版、2009.5
  • NST臨床栄養療法スタッフマニュアル / 清野裕、中村丁次、本田佳子と共著、医学書院、2009.11
  • 病態を改善する糖尿病治療戦略、メディカルレビュー社、2010.3、(Diabetes & cardiovascular disease ; no.4)
  • 糖尿病up・date. 26 / 堀田饒、清野裕、柏木厚典、中村二郎と共著、時事通信出版局、2010.6

脚注[編集]

  1. ^ 医学系研究科 門脇 孝教授が紫綬褒章を受章 | 東京大学医学部附属病院” (2010年4月28日). 2010年8月10日閲覧。
  2. ^ 博士論文書誌データベース
  3. ^ 武田薬品に新たな「贈収賄」疑惑新薬拡販でばらまいた「黒い研究費」『選択』2014年
  4. ^ BMJ Open 4:e004760, 2014. Protocol for a large-scale prospective observational study with alogliptin in patients with type 2 diabetes: J-BRAND Registry. Inagaki N, Ueki K, Tanizawa Y, Watada H, Nakamura J, Yamada Y, Shimomura I, Nishimura R, Yamazaki T, Kadowaki T.
  5. ^ http://www.j-brand-registry.com/rep/gaiyou.php
  6. ^ ネットで論文画像の「類似」、「匿名A」が指摘 東大や阪大などの生命科学系約80本 産経新聞 2015年1月9日
  7. ^ 名大や東京医科歯科大、不正指摘受け本調査へ m3.com 2015年2月9日
  8. ^ 【超STAP事件】日本の学会は捏造論文だらけ!大スキャンダルに発展か 堀川大樹「むしマガ」Vol.272 2015年1月11日
  9. ^ 記者会見でも決着つかぬJ‐ADNI事件「不都合な真実」『集中』2015年2月12日
  10. ^ http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_270731_01_j.html
  11. ^ [東大、論文画像「不正行為なし」 調査結果を発表]日本経済新聞 2015年8月1日
  12. ^ [東大「論文に不正行為ない」] 朝日新聞 2015年8月1日
  13. ^ http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_280920_02_j.html
  14. ^ http://www.sankei.com/smp/affairs/news/160920/afr1609200035-s1.html
  15. ^ http://science.sciencemag.org/content/353/6306/1344.full
  16. ^ 「週刊現代」2016年9月24日・10月1日合併号
  17. ^ http://www.sciencemag.org/news/2016/09/university-tokyo-investigate-data-manipulation-charges-against-six-prominent-research
  18. ^ ベルツ賞 第31回~40回の受賞論文”. 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社. 2010年8月10日閲覧。
  19. ^ 持 田 記 念 学 術 賞 受 賞 者 一 覧”. 公益財団法人 持田記念医学薬学振興財団. 2010年8月10日閲覧。
  20. ^ 教員受賞一覧”. 東京大学医学部・医学系研究科. 2010年8月10日閲覧。
  21. ^ 教員受賞一覧”. 東京大学医学部・医学系研究科. 2010年8月10日閲覧。
  22. ^ 上原賞受賞者”. 上原記念生命科学財団. 2010年8月10日閲覧。
  23. ^ 「日本医師会医学賞」ならびに「日本医師会医学研究助成費」一覧”. 日本医師会. 2010年8月10日閲覧。
  24. ^ 平成22年春の褒章受章者”. 内閣府. 2010年8月10日閲覧。
  25. ^ 2011年度武田医学賞受賞者 (PDF)”. 武田科学振興財団. 2011年10月2日閲覧。
  26. ^  “日本内分泌学会学会賞歴代受賞者2002年~(PDF)”. 一般社団法人日本内分泌学会.2015年12月18日閲覧
  27. ^ 日本学士院賞授賞の決定について”. 日本学士院. 2013年6月17日閲覧。
  28. ^ “日本肥満学会学会表彰過去受賞者”. 一般社団法人日本肥満学会.2015年12月18日閲覧
  29. ^ “平成27年度第8回鈴木万平記念糖尿病国際賞受賞者”. 公益財団法人鈴木万平糖尿病財団.2015年12月18日閲覧
  30. ^ 国立国会図書館NDL-OPACによる検索結果より(2010年8月10日閲覧)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]