金陵十三釵
| 金陵十三釵 | |
|---|---|
| タイトル表記 | |
| 簡体字 | 金陵十三钗 |
| 英題 | The Flowers Of War |
| 各種情報 | |
| 監督 | 張芸謀(チャン・イーモウ) |
| 脚本 | 劉恆(リュウ・ホン) |
| 原作 | 厳歌苓(ゲリン・ヤン)『金陵十三釵』 |
| 製作 |
ウィリアム・コン 張偉平(チャン・ウェイピン) 張芸謀 |
| 製作総指揮 | 張偉平 |
| 出演者 |
クリスチャン・ベール 倪妮 張歆怡 佟大為 渡部篤郎 小林成男 |
| 音楽 | 陳其鋼(チェン・チーガン) |
| 撮影 | 趙小丁(チャオ・シャオティン) |
| 編集 | 孟佩璁(Peicong Meng) |
| 衣装 |
張叔平(ウィリアム・チャン) グラシエラ・マゾン |
| 美術 |
赤塚佳仁 Yingzhang Fu 種田陽平 |
| 製作会社 | 北京新画面影業公司 |
| 公開 |
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| 上映時間 | 145分 |
| 製作国 |
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| 言語 |
中国語 南京語 英語 日本語 |
『金陵十三釵』(きんりょうじゅうさんさ、英語題:The Flowers Of War)は、2011年公開の中国映画。張芸謀(チャン・イーモウ)監督作品。日本未公開。
原作は厳歌苓(ゲリン・ヤン)の同名小説で、題名は『紅楼夢』の『金陵十二釵』に由来する。
南京事件を題材とした映画で、製作当時、中国映画史上最高額となる製作費6億元(約78億円)を投じた超大作で、2011年の中国の年間総興行第1位(約71億円)と大ヒットし[1]、中国社会に大きな影響を与えた[2]。第84回アカデミー賞外国語映画賞中国代表作品[3]。
ストーリー
[編集]この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
1937年、日本軍の侵攻によって南京での市街戦が勃発。キリスト教会に逃げ込んだ女学生と娼婦たちを守るため、アメリカ人の納棺師・ジョン(クリスチャン・ベール)は聖職者を装って奔走する。
南京を占領した日本軍の長谷川大佐は、教会をやって来るとジョンたちに安全を約束する。しかし、後日再び現れた彼は、女学生たちに戦勝祝賀会での合唱を要求する。ジョンたちは、その要求が彼女たちを慰安婦として連れ去るための口実に過ぎないことを確信する。
女学生たちを救うため、12人の娼婦と一人の少年侍者が彼女たちに扮し、身代わりとなって日本軍の祝賀会へと向かう。その隙に、ジョンは修理したトラックに女学生たちを乗せ、密かに入手した通行証を使って決死の南京脱出を試みる。
出演
[編集]- クリスチャン・ベール - ジョン:アメリカ人。納棺師。かつて12歳の娘を亡くしたことがある。神父を弔うため南京のキリスト教会に赴いたところ日本軍の南京攻撃に巻き込まれる。
- 倪妮 - 玉墨:南京の秦淮河沿いの繁華街から逃れてきた娼婦。6歳までキリスト教の学校で学んでいたことがあり英語を解す。
- 張歆怡 - 孟書娟
- 佟大為 - 李教官
- 黄天元 - 陳喬治:キリスト教会の侍者。亡くなった神父から中国人女学生の保護を託されている。
- 韓熙庭 - 怡春
- 李玥敏 - 荳蔻
- 白雪 - 香蘭
- 袁楊純子 - 蚊
- 孫佳 - 胖美花
- 曹可凡 - 孟先生:キリスト教会に逃れてきた女学生の父。娘を守るため渋々日本軍に協力するが、彼を利用した加藤中尉に射殺される。
- 黄海波 - 許大鵬
- 聶遠 - 中国軍人:瀕死の部下・浦生を連れてキリスト教会を訪れる。その後、一人で日本軍と死闘を繰り広げる。
- 朱良奇 - 浦生:中国兵。戦闘で重傷を負い、上官によってキリスト教会に運ばれるが息を引き取る。
- ポール・シュナイダー - テリー
- 渡部篤郎 - 長谷川大佐:日本軍将校。英語を能くし、音楽を愛する教養人。上官から女学生を教会から連れ出すよう命じられるが、その目的が慰安婦にするためであると察し、良心の呵責に苛まれながらも任務に従う。
- 小林成男 - 加藤中尉:日本軍将校。長谷川大佐の部下。便宜を図ることを約束しつつ孟先生から金品を巻きあげた末、彼を射殺する。
- 山中崇 - 朝倉中尉:日本軍将校。中国軍追討のために押し入ったキリスト教会で女学生を見つけると部下たちと共に乱暴しようとする。
- 安長博文 - 日本兵
- 梶岡潤一 - 日本兵
評価
[編集]映画レビューサイトRotten Tomatoesでは44%の評価が付いた[4]。
映画ライターの小西未来は、映画について中国政府によるプロパガンダだと決めつけるのは簡単だし実際に彼らにはその意図があるのかもしれないとしつつ、長谷川大佐の描き方などでは日本兵を邪悪で凶悪な存在として画一的に描くこともできたのにあえて避けており、チャン・イーモウ監督の演出に悪意は感じないとし、またストーリーも良いと評価した。一方で、普通の作品のように物語世界に没頭できず、これほど居心地の悪い思いをしたのは初めてだとした[5]。
戦争映画研究家・作家の永田喜嗣は、悲惨な事件の映画化であるにもかかわらず、映像美と人間愛に彩られた作品であると評している[6]。
映画賞ノミネート
[編集]| 賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|---|
| ゴールデングローブ賞[7] | 外国語映画賞 | 『金陵十三釵』 | ノミネート |
| アジア・フィルム・アワード[8] | 作曲賞 | 陳其鋼 | ノミネート |
| 衣裳デザイナー賞 | 張叔平 | ノミネート | |
| 監督賞 | 張芸謀 | ノミネート | |
| 作品賞 | 『金陵十三釵』 | ノミネート | |
| 新人賞 | 倪妮 | ノミネート | |
| 脚本賞 | 劉恆、厳歌苓 | ノミネート |
第84回アカデミー賞外国語映画賞の中国代表作品になるもノミネートを逃している。
中国社会への影響
[編集]日本兵によるリアルで残虐な戦闘シーンや、中国人女性への強姦や輪姦、殺戮シーンなど反日感情を刺激する日本軍の残虐性を強調するシーンが多く、上映中、中国の映画館内では、すすり泣きと日本人を罵倒する声があちこちから聞こえ、またインターネット上にはこの映画の影響を受け反日を叫ぶ書き込みが溢れたという[2][9]。
この映画を鑑賞した人気歌手の韓紅が中国版ツイッター・新浪微博に日本を罵倒する書き込みをしたところ、インターネット上ではそれに対する賞賛の書き込みがあふれる[10]一方で、韓紅の書き込みは「愛国主義の濫用」「品位に欠ける」などの批判もなされる[11][12][13]など、賛否両論の論争となった[14]。
脚注
[編集]- ↑ 2011年の中国映画ランキング、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『金陵十三釵(The Flowers of War)』が1位 CRIオンライン、2012年2月2日閲覧
- 1 2 【矢板明夫の中国ネットウオッチ】 産経ニュース、2012年1月9日、2012年2月3日閲覧
- ↑ “Hong Kong chooses A Simple Life for Oscar race, China selects The Flowers Of War”. Screen International (2011年9月23日). 2012年2月3日閲覧。
- ↑ The Flowers of War - Rotten Tomatoes RottenTomatoes.com. 2012年2月14日閲覧
- ↑ “巨匠チャン・イーモウ監督最新作は、南京大虐殺を扱った超大作”. 映画.com (2011年11月24日). 2023年10月2日閲覧。
- ↑ 永田喜嗣『戦争映画を解読せよ! ナチス、大日本帝国、ヒロシマ・ナガサキ』青弓社、2024年、p358。
- ↑ “THE 69TH ANNUAL GOLDEN GLOBE AWARDS (2012)”. ハリウッド外国人映画記者協会. 2012年2月3日閲覧。
- ↑ “Asian Film Awards 2012: Nominations: THE FLYING SWORDS OF DRAGON GATE”. Film Book (2012年1月18日). 2012年2月3日閲覧。
- ↑ 日本文化チャンネル桜・公式メールマガジン「桜・ニュース・ダイジェスト」(第269号・2012年1月28日発行)水島総「弁慶の立ち往生」2012年2月3日閲覧
- ↑ 中国歌手・韓紅が日本人に罵言=チャン・イーモウの南京映画を見て Record China 2011年12月31日
- ↑ 中国有名歌手が日本を罵倒「それは愛国主義でない」 サーチナ 2012年1月1日
- ↑ 「日本人くそったれ」愛国主義を濫用した人気歌手 Record China 2012年1月1日
- ↑ 歌手・韓紅の「日本製品ボイコット」は全くの茶番劇 Record China 2012年1月4日
- ↑ 日本兵の少女暴行は許せない!「日本人くそったれ」発言の歌手が反論 Record China 2012年1月8日