若き日の歌
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『若き日の歌』(わかきひのうた、独語:Lieder und Gesänge aus der Jugendzeit )は、14曲からなるグスタフ・マーラーの連作歌曲集の通称。声楽独唱とピアノ伴奏のために作曲された。欧米では単に「歌曲集」(Lieder und Gesänge )とも呼ばれているが、これこそ本来マーラー自身のつけた名称であった。この通称は、作品がマーラーの初期作品であることに触れているのか(マーラーが最初の歌曲集を完成させたときは20歳であり、とうに思春期ではなかった)、それとも誰かの青春の追憶に事寄せたものなのかは定かでない。通称は、歌詞の大半を占める詩集『子供の不思議な角笛』に言及しているだけかもしれない。
1880年から1889年にかけて作曲され、1892年に3巻に分けて出版された。
- 第1集 (作曲1880/81年)
- 春の朝 Frühlingsmorgen (リヒャルト・レアンダー)
- 思い出 Erinnerung (リヒャルト・レアンダー)
- ハンスとグレーテ Hans und Grete (マーラー自作詩)
- ドン・ファンのセレナード Serenade aus Don Juan (ティルソ・デ・モリーナ)
- ドン・ファンの幻想 Phantasie aus Don Juan (ティルソ・デ・モリーナ)
- 第2集 (作曲1888/89年、民謡集「子供の不思議な角笛」より)
- いたずらっ子をしつけるために Um schlimme Kinder artig zu machen
- 私は緑の野辺を楽しく歩いた Ich ging mit Lust durch einen grünen Wald
- 外へ、外へ Aus! Aus!
- たくましい想像力 Starke Einbildungskraft
- 第3集 (成立と詩の出典は第2集と同じ)
- シュトラスブルクの砦に Zu Straßburg auf der Schanz'
- 夏に小鳥はかわり(夏の歌い手交替す) Ablösung im Sommer
- 別離 Scheiden und Meiden
- もう会えない! Nicht wiedersehen!
- うぬぼれ Selbstgefühl
オーケストラの編曲版
[編集]幾人かの作曲家がオーケストラ伴奏のための編曲版を試みている。デイヴィッドとコルジン・マテウスによる第7・9・11・13曲の編曲や、ルチアーノ・ベリオによる編曲が知られる。ベリオはこの曲集から、まず5曲:第11・10・13・6・2曲の男声独唱と管弦楽伴奏のための編曲版を1986年に、次に6曲:第3・7・1・5・12・2曲のバリトンと管弦楽伴奏のための編曲版を1987年に発表して、マーラーの作曲小屋がある北イタリアのトプラッハで初演している。ただし第2曲の「思い出」は2回編曲している。
参考文献
[編集]- 梶木喜代子著「ドイツリートへの誘い」 音楽之友社
外部リンク
[編集]- 若き日の歌の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト