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硫化カルシウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
硫化カルシウム
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.039.869 ウィキデータを編集
EC番号
  • 243-873-5
KEGG
UNII
特性
化学式 CaS
モル質量 72.143 g/mol
外観 白色の結晶、吸湿性
密度 2.59 g/cm3
融点

2525 °C, 2798 K, 4577 °F

への溶解度 加水分解
溶解度 エタノールに溶けない
酸と反応する
屈折率 (nD) 2.137
構造
ハライト立方晶系面心立方格子構造)、cF8
Fm3m, No. 225
a = 569.08 nm[1]
八面体 (Ca2+); 八面体 (S2−)
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
水と反応してH2Sを放出
GHS表示:
腐食性物質急性毒性(低毒性)水生環境への有害性
Warning
H315, H319, H335, H400
P261, P273, P305+351+338
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 2: Intense or continued but not chronic exposure could cause temporary incapacitation or possible residual injury. E.g. chloroformFlammability 0: Will not burn. E.g. waterInstability 3: Capable of detonation or explosive decomposition but requires a strong initiating source, must be heated under confinement before initiation, reacts explosively with water, or will detonate if severely shocked. E.g. hydrogen peroxideSpecial hazards (white): no code
2
0
3
関連する物質
その他の
陰イオン
酸化カルシウム
その他の
陽イオン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硫化カルシウム(りゅうかカルシウム、英:Calcium sulfide、化学式CaS)はカルシウム硫化物である。 白色であり、岩塩のように立方体の結晶を作る。 硫化カルシウムは排ガスの脱硫処理で生成する石膏をリサイクルするプロセスでの生成物として研究されて来た。 他の多くの硫化物イオンを含む塩のように、硫化カルシウムは硫化水素の臭気を持つ。 これは塩の加水分解により硫化水素が発生することによる。 冷水に難溶性

生成法

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硫化カルシウムは、より一般的なカルシウム化合物である硫酸カルシウム炭素還元反応、つまり、硫酸カルシウムと炭素の混合物を、空気を絶って900℃に熱することにより生成する。

硫化カルシウムは硫酸カルシウムとさらに以下のとおり反応する[2]

この反応は,主に廃石膏をリサイクルして生石灰を得るために用いられる.

反応性

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硫化カルシウムは湿気があるとその水分とさまざまな比率で反応し、水硫化カルシウム Ca(SH)2、水酸化カルシウム の混合物を生成する。

Ca(SH)(OH)はさらに水と反応して水酸化カルシウムと硫化水素を生じる。硫化水素は腐った卵のような不快な臭いの原因物質である。

水酸化カルシウムの飽和溶液は単体硫黄と反応して石灰硫黄合剤を生成する。これは殺虫剤として使われてきた。活性を持つ成分はおそらく硫化カルシウムではなく五硫化カルシウムである[3]

脚注

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  1. ^ ChemicalBook”. 2025年7月7日閲覧。
  2. ^ 硫酸カルシウムの還元熱分解による硫化カルシウム生成特性”. 2024年11月6日閲覧。
  3. ^ Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.

関連項目

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