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「スタソーマ」の版間の差分

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'''スタソーマ'''('''Sutasoma''')は、[[インド]]の[[叙事詩]]『[[マハーバーラタ]]』の登場人物。[[パーンダヴァ]]の[[ビーマ]]と[[ドラウパディー]]との間に生まれた子で、父親の異なる4人の兄弟[[プラティヴィンディヤ]]、[[シュルタキールティ]]、[[シャタニーカ]]、[[シュルタセーナ]]がいる。また異母兄弟に[[ガトートカチャ]]がいる。
'''スタソーマ'''('''Sutasoma''',須陀素彌,蘇陀蘇摩,普明王{{sfn|小野玄妙|1927|p=185}},須陀摩王)は{{sfn|日明|小川孝栄|1887|p=13}}、[[インド]]の[[叙事詩]]『[[マハーバーラタ]]』の登場人物。[[パーンダヴァ]]の[[ビーマ]]と[[ドラウパディー]]との間に生まれた子で、父親の異なる4人の兄弟[[プラティヴィンディヤ]]、[[シュルタキールティ]]、[[シャタニーカ]]、[[シュルタセーナ]]がいる。また異母兄弟に[[ガトートカチャ]]がいる。


{{仮リンク|クルクシェートラの戦い|en|Kurukshetra War}}では主に他の4兄弟とともに戦ったが、後に眠っているところを[[アシュヴァッターマン]]の夜襲にあい、他の4兄弟や[[ドリシタデュムナ]]、[[シカンディン]]らとともに殺された。
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== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
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* {{Cite book|和書|author1=大屋徳城|year=1909|title=釈迦|url=https://dl.ndl.go.jp/pid/816545/1/187|pages=17-18|publisher=内外出版協会|accessdate=2023-10-9|ref=harv|doi=10.11501/816545|oclc=673053224|crid=1130282270893591168|id={{NDLBibID|000000461347}}|ncid=BN08876074}}
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* {{Cite book|和書|author1=寺尾与三|author2=本田穆堂|year=1931|title=天の花地の花 : 童話物語|url=https://dl.ndl.go.jp/pid/1717084/1/22|pages=23-30|publisher=八紘社|accessdate=2023-10-9|ref=harv|doi=10.11501/1717084|oclc=672905776|crid=1130000796674777472|id={{NDLBibID|000000809725}}|ncid=BB06859342}}
* {{Cite journal|和書|author1=早川厚一|author2=曽我良成|author3=村井宏栄|author4=橋本正俊|author5=志立正知|authorlink5=志立正知|year=2014|title=『源平盛衰記』全釈(9・巻3-2) (梅本和泰教授 退職記念号)|url=https://ngu.repo.nii.ac.jp/records/366|journal=名古屋学院大学論集|issue=2|volume=50|pages=134-212|publisher=[[名古屋学院大学]]総合研究所|accessdate=2023-10-9|ref=harv|crid=1390009224749277952|doi=10.15012/00000358|issn=03850056|naid=120005662314|oclc=5571105260|id={{NDLBibID|025277292}}|ncid=AN00179501}}
* {{Cite journal|和書|author1=滝口晴生|author2=滝口晴生|year=2013|title=太宰治「走れメロス」の原話をたどって|url=http://id.nii.ac.jp/1705/00001299/|journal=山梨大学教育人間科学部紀要|issue=15|pages=75-82|publisher=[[山梨大学]]教育人間科学部|accessdate=2023-10-9|ref=harv|doi=10.34429/00001299 |crid=1390853649708877184|issn=18825923|naid=120006804492|oclc=5567725655|id={{NDLBibID|025353188}}|ncid=AA12316801}}
* {{Cite journal|和書|author1=幸田国広|year=2015|title=「走れメロス」教材史における定番化初期の検討 : 道徳教育と読解指導に着目して|url=https://doi.org/10.19011/sor.56.2_65|journal=読書科学|volume=56|issue=2|pages=65-75|publisher=日本読書学会|accessdate=2023-10-9|ref=harv|doi=10.19011/sor.56.2_65|crid=1390282680123870080|issn=0387284X|naid=130005330425|oclc=9660816351|id={{NDLBibID|026161742}}|ncid=AN00172568}}
* {{Cite journal|和書|author1=引田弘道|author2=大羽恵美|year=2017|title=クシャーンティ・アヴァダーナ : 『ボーディサットヴァ・アヴァダーナ・カルパラター』第38章和訳|url=https://agu.repo.nii.ac.jp/records/3628|journal=愛知学院大学文学部紀要|issue=47|pages=103-117|publisher=[[愛知学院大学]]文学会|accessdate=2023-10-9|ref=harv|crid=1050573407752963584|issn=02858940|naid=40021506778|oclc=7447322571|id={{NDLBibID|028907848}}|ncid=AN0000649X}}
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[[Category:マハーバーラタの登場人物]]
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2023年10月9日 (月) 13:49時点における版

スタソーマSutasoma,須陀素彌,蘇陀蘇摩,普明王[1],須陀摩王)は[2]インド叙事詩マハーバーラタ』の登場人物。パーンダヴァビーマドラウパディーとの間に生まれた子で、父親の異なる4人の兄弟プラティヴィンディヤシュルタキールティシャタニーカシュルタセーナがいる。また異母兄弟にガトートカチャがいる。

クルクシェートラの戦い英語版では主に他の4兄弟とともに戦ったが、後に眠っているところをアシュヴァッターマンの夜襲にあい、他の4兄弟やドリシタデュムナシカンディンらとともに殺された。

ジャータカにおいては[3]カウラヴァ王朝における釈迦前世とされ[4]性善説を説く沙門布施をするという約束を果たす前に人食いに捕えられた際に必ず戻ると約束して布施の約束を守り[5]、人食いとの約束も守って食われに戻り、感動した人食いに[6]真実の功徳を説いている[7]太宰治の『走れメロス』の元となったといわれることもあるが、『走れメロス』は作品末尾で「古伝説とシルレルの詩から」と典拠を示しており、「シルレルの詩」とはフリードリヒ・フォン・シラーの『人質譚詩』[8]、「古伝説」とは太宰が少年時に読んだ可能性のある高等小学校用国語読本に『真の知己』として採録され[9]、それ以前にも少なくない修身の教科書に収録されていた『デイモンとピシアス』が指摘されている[10]

脚注

参考文献