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2007年10月に中国[[河北省]]の天洋食品で製造された[[冷凍食品|冷凍]][[餃子]]にメタミドホスが混入し、これを食べた10人に中毒が発生する事件が日本でも発生した。このうち5歳の女児は一時重態となった。<ref>TBS中国製冷凍ギョーザから農薬成分検出[http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3767498.html]</ref>餃子は、[[ジェイティフーズ]]が[[双日]]食品を通じて[[OEM]]輸入した「CO・OP手作り餃子」と「手包みひとくち餃子」で、ジェイティフーズが回収するとともに、千葉県は絶対に食べないように呼びかけている<ref>[http://www.pref.chiba.lg.jp/syozoku/c_eisi/date/presukannkei19/200130press.pdf 千葉県「食中毒の発生について」(pdf)]</ref>。ただしメタミドホスがいつ、どのように混入したのかは判明していない。
2007年10月に中国[[河北省]]の天洋食品で製造された[[冷凍食品|冷凍]][[餃子]]にメタミドホスが混入し、これを食べた10人に中毒が発生する事件が日本でも発生した。このうち5歳の女児は一時重態となった。<ref>TBS中国製冷凍ギョーザから農薬成分検出[http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3767498.html]</ref>餃子は、[[ジェイティフーズ]]が[[双日]]食品を通じて[[OEM]]輸入した「CO・OP手作り餃子」と「手包みひとくち餃子」で、ジェイティフーズが回収するとともに、千葉県は絶対に食べないように呼びかけている<ref>[http://www.pref.chiba.lg.jp/syozoku/c_eisi/date/presukannkei19/200130press.pdf 千葉県「食中毒の発生について」(pdf)]</ref>。ただしメタミドホスがいつ、どのように混入したのかは判明していない。


またこの事件を受け、中国の同じ工場で製造された製品を[[味の素]]、[[加ト吉]]も自主回収する方針を固めた。
またこの事件を受け、中国の同じ工場で製造された製品を[[味の素]]、[[加ト吉]]も自主回収する方針を固めた。中国政府は製造していた[[天洋食品]]に対し、生産・輸出の停止を命じた。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2008年1月31日 (木) 08:56時点における版

メタミドホス
IUPAC名O,S-ジメチルホスホロアミドチオエート
分子式C2H8NO2PS
分子量141.1
CAS登録番号10265-92-6
密度1.31 g/cm3,
融点44.5 °C

メタミドホス(Methamidophos)は、有機リン化合物農薬殺虫剤の一種。日本国内では登録がなく使用できない。

概要

日本では農薬、殺虫剤として使用することはできないが、中華人民共和国などでは広範に使用されていた。昆虫の他、ダニ類にも効果が高い。このため、中国国内や香港などに出荷する野菜果物に残留許容量を超えているのが発見され、廃棄処分をされたり、中毒を起こす事件がたびたび発生していた。この事態を受けて中国政府は、2006年ごろより使用禁止を検討してきたが、2008年1月9日に他の毒性の高い農薬4種と共に禁止の通達を出し、原則として生産、流通、使用を禁じた[1]。日本でも過去にソバレイシなどで、基準を超える残留が発見されている。

日本では2008年1月現在、毒劇物取締法における(毒物劇物の)指定は受けていない。

なお、農薬として使用されているアセフェート(O,S-ジメチル-N-アセチルホスホロアミドチオエート,CAS登録番号 30560-19-1)の変性によって生じることがある。

毒性

コリンエステラーゼの活性阻害作用がある。人が摂取すると神経生理機能に障害を与える。頭痛、吐き気、食欲不振、腹痛、下痢瞳孔縮小などの症状がでて、重篤な場合は肺水腫、呼吸困難、昏迷を引き起こし死に至る。神経生理機能に障害を与える有機リン化合物にはサリンも含まれる。

半数致死量(LD50)はラット・経口の場合で16-21mg/kg、ウサギ・経皮の場合で118mg/kgとの知見がある。[2]。人間の経口毒性については、専門家の談話としてLD50=30mg/kg程度との報道がなされた。[3]。また魚毒性も指摘されている。

事件

中国産冷凍餃子への混入事件

Template:節現在進行 2007年10月に中国河北省の天洋食品で製造された冷凍餃子にメタミドホスが混入し、これを食べた10人に中毒が発生する事件が日本でも発生した。このうち5歳の女児は一時重態となった。[4]餃子は、ジェイティフーズ双日食品を通じてOEM輸入した「CO・OP手作り餃子」と「手包みひとくち餃子」で、ジェイティフーズが回収するとともに、千葉県は絶対に食べないように呼びかけている[5]。ただしメタミドホスがいつ、どのように混入したのかは判明していない。

またこの事件を受け、中国の同じ工場で製造された製品を味の素加ト吉も自主回収する方針を固めた。中国政府は製造していた天洋食品に対し、生産・輸出の停止を命じた。

関連項目

参考文献

  1. ^ 中国農業信息網:メタミドホスなど5種類の高毒性農薬の生産、流通、使用禁止通達(2008年1月9日。中国語) [1]
  2. ^ 独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理情報 GHS分類結果データベース「メタミドホス」 [2]
  3. ^ FNNニュース 中国産冷凍ギョーザを食べた10人が健康被害訴え 各地で一斉に回収作業(Yahooニュース経由)[3]
  4. ^ TBS中国製冷凍ギョーザから農薬成分検出[4]
  5. ^ 千葉県「食中毒の発生について」(pdf)