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「高山美香 (イラストレーター)」の版間の差分

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出典が地元メディアばかりですが、北海道小樽市ではかなり知名度がある方なんですか?
、と思います。出典が地元メディアばかりは否定できませんので、地元以外の出典を追記し、ついでに北海道外での活動も加筆いたしました。
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| ウェブサイト = {{Twitter|takayamamika|高山 美香}}
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'''高山 美香'''(たかやま みか、[[1969年]]〈[[昭和]]44年〉<ref name="朝日新聞20110401e_p5">{{Cite news|和書|title=北の文人立ち話 蛇が出なけりゃ理想郷 有島武郎の来道理由|newspaper=[[朝日新聞]]|edition=北海道夕刊|date=2011-4-1|publisher=[[朝日新聞社]]|author=高山美香|page=5|language=ja}}</ref><ref name="小樽ジャーナル20150120">{{Cite news|title=道ゆかりの文豪96人! 知られざる愉快なエピソード紹介|newspaper=[[小樽ジャーナル]]|date=2015-1-20|url=https://www.otaru-journal.com/2015/01/2015-0120-1/ |accessdate=2021-11-7|publisher=小樽ジャーナル社|language=ja}}</ref> - )は、[[日本]]の[[イラストレーター]]、[[人形]][[作家]]。本や雑誌のイラストレーターとして活動する他、[[作家]]や[[偉人]]の[[粘土]]人形を作ることで話題を呼んでいる<ref name="北海道新聞20090912m_p29">{{Cite news|和書|title=プラザ 文化 小樽文学館 作家そっくりと評判「粘土人形」作りに挑戦|newspaper=[[北海道新聞]]|edition=樽B朝刊|date=2009-9-12|publisher=[[北海道新聞社]]|page=29|language=ja}}</ref>。
'''高山 美香'''(たかやま みか、[[1969年]]〈[[昭和]]44年〉<ref name="朝日新聞20110401e_p5">{{Cite news|和書|title=北の文人立ち話 蛇が出なけりゃ理想郷 有島武郎の来道理由|newspaper=[[朝日新聞]]|edition=北海道夕刊|date=2011-4-1|publisher=[[朝日新聞社]]|author=高山美香|page=5|language=ja}}</ref><ref name="小樽ジャーナル20150120">{{Cite news|title=道ゆかりの文豪96人! 知られざる愉快なエピソード紹介|newspaper=[[小樽ジャーナル]]|date=2015-1-20|url=https://www.otaru-journal.com/2015/01/2015-0120-1/ |accessdate=2021-11-7|publisher=小樽ジャーナル社|language=ja}}</ref> - )は、[[日本]]の[[イラストレーター]]、[[人形]][[作家]]。本の挿絵や雑誌のイラストレーターとして活動する他、[[作家]]や[[偉人]]の[[粘土]]人形を作ることで話題を呼んでいる<ref name="北海道新聞20090912m_p29">{{Cite news|和書|title=プラザ 文化 小樽文学館 作家そっくりと評判「粘土人形」作りに挑戦|newspaper=[[北海道新聞]]|edition=樽B朝刊|date=2009-9-12|publisher=[[北海道新聞社]]|page=29|language=ja}}</ref><ref>{{Cite news|和書|title=はと笛|newspaper=[[琉球新報]]|edition=朝刊|date=2016-3-19|publisher=琉球新報社|page=35|language=ja}}</ref>。


== 経歴 ==
== 経歴 ==
[[北海道]][[札幌市]]に誕生する{{R|朝日新聞20110401e_p5|小樽ジャーナル20150120}}。幼少時より絵を描くことが好きで、本人曰く「ずっと絵を描いていた」という<ref name="朝日新聞20090316m_p21">{{Cite news|和書|title=ひと・街 北海道|newspaper=朝日新聞|edition=北海道朝刊|date=2009-3-16|page=21|language=ja}}</ref>。印刷会社を経て、[[4丁目プラザ|4プラ]]自由市場大賞・準大賞受賞をきっかけにフリーのイラストレーターとして独立する<ref name="北海道新聞20120110e_p11">{{Cite news|和書|title=偉人、文豪 表情生き生き イラストレーターの高山さん|newspaper=北海道新聞|edition=夕後夕刊|date=2012-1-10|author=山中いずみ|page=11|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=第865回 ちまちま人形作家 高山美香さん|url=http://sapporojinzukan.sapolog.com/e426872.html|website=札幌人図鑑|accessdate=2021-11-06|language=ja}}</ref>。
[[北海道]][[札幌市]]に誕生する{{R|朝日新聞20110401e_p5|小樽ジャーナル20150120}}。幼少時より絵を描くことが好きで、本人曰く「ずっと絵を描いていた」という<ref name="朝日新聞20090316m_p21">{{Cite news|和書|title=ひと・街 北海道|newspaper=朝日新聞|edition=北海道朝刊|date=2009-3-16|page=21|language=ja}}</ref>。印刷会社を経て、[[4丁目プラザ|4プラ]]自由市場大賞・準大賞受賞をきっかけにフリーのイラストレーターとして独立する<ref name="北海道新聞20120110e_p11">{{Cite news|和書|title=偉人、文豪 表情生き生き イラストレーターの高山さん|newspaper=北海道新聞|edition=夕後夕刊|date=2012-1-10|author=山中いずみ|page=11|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=第865回 ちまちま人形作家 高山美香さん|url=http://sapporojinzukan.sapolog.com/e426872.html|website=札幌人図鑑|accessdate=2021-11-06|language=ja}}</ref>。


2004年(平成16年)頃、本や雑誌にイラストを描く中で、色褪せたもの、風化したものに次第に魅力を感じたこと{{R|朝日新聞20090316m_p21}}、文学少女だった自分の原点に気づいたことで<ref name="北海道新聞20090925e_p9">{{Cite news|和書|title=カルチャープラス イラストレーター 高山美香の世界|newspaper=北海道新聞|edition=全道夕刊|date=2009-9-25|author=寺町志保|page=9|language=ja}}</ref>、偉人や作家の15センチメートルほどの人形を、粘土で作り始める{{R|朝日新聞20090316m_p21}}。最初に[[芥川龍之介]]の写真を見て作ったものの、まったく似ず、当人をより理解する必要性に気づき、[[図書館]]で数十冊もの本を借り、作家たちの調査に没頭し始める<ref>{{Cite news|title=ミニチュア人形を語る 文学館「ちまちまギャラリートーク」|newspaper=小樽ジャーナル|date=2010-1-23|url=https://www.otaru-journal.com/2010/01/2010-0123-2/ |accessdate=2021-11-7|language=ja}}</ref>。本人はこれを「ちまちました作業を繰り返す」の意味で「ちまちま人形」と称している{{Sfn|高山|2009|p=126}}。
2004年(平成16年)頃、本や雑誌にイラストを描く中で、色褪せたもの、風化したものに次第に魅力を感じたこと{{R|朝日新聞20090316m_p21}}、文学少女だった自分の原点に気づいたことで<ref name="北海道新聞20090925e_p9">{{Cite news|和書|title=カルチャープラス イラストレーター 高山美香の世界|newspaper=北海道新聞|edition=全道夕刊|date=2009-9-25|author=寺町志保|page=9|language=ja}}</ref>、偉人や作家の15センチメートルほどの人形を、粘土で作り始める{{R|朝日新聞20090316m_p21}}。最初に[[芥川龍之介]]の写真を見て作ったものの、まったく似ず、当人をより理解する必要性に気づき、[[図書館]]で数十冊もの本を借り、作家たちの調査に没頭し始める<ref>{{Cite news|title=ミニチュア人形を語る 文学館「ちまちまギャラリートーク」|newspaper=小樽ジャーナル|date=2010-1-23|url=https://www.otaru-journal.com/2010/01/2010-0123-2/ |accessdate=2021-11-7|language=ja}}</ref><ref name="東奥日報20160324e_p5">{{Cite news|和書|title=小さな人形「本物」創出 札幌のイラストレーター制作|newspaper=[[東奥日報]]|edition=夕刊|date=2016-3-24|publisher=東奥日報社|page=5|language=ja}}</ref>。本人はこれを「ちまちました作業を繰り返す」の意味で「ちまちま人形」と称している{{Sfn|高山|2009|p=126}}。


アルバイト情報誌でコラム「ミニちま偉人伝」の連載を始めたところ{{R|北海道新聞20090925e_p9}}、[[市立小樽文学館]]の目に留まり、特別展での人形の制作を依頼される{{R|北海道新聞20090925e_p9}}。2007年(平成19年)、同館の特別展「石川啄木と小樽日報」展で、下宿で寝ころぶ[[石川啄木]]の人形が展示され、話題となる<ref name="北海道新聞20071011m_p35">{{Cite news|和書|title=こだま|newspaper=北海道新聞|edition=全道朝刊|date=2007-10-11|page=35|language=ja}}</ref><ref name="北海道新聞20081005m_p31">{{Cite news|和書|title=日曜ぷりずむ 作家の輝き 人形に凝縮 札幌の高山さん|newspaper=北海道新聞|edition=樽B朝刊|date=2008-10-5|author=寺町志保|page=31|language=ja}}</ref>。2008年(平成20年)には同館で特別展「小樽ちまちま文豪展 高山美香ミニチュア人形の世界」が開催され、好評により数体の人形が同館に常設展示され<ref name="北海道新聞20090901e_p12">{{Cite news|和書|title=多喜二、漱石、伊藤整…… 粘土人形で表現 練りに練った10センチの大物 札幌の高山さん制作|newspaper=北海道新聞|edition=全道夕刊|date=2009-9-1|page=12}}</ref>、多くのリピーターを獲得する{{R|北海道新聞20090925e_p9}}。
アルバイト情報誌でコラム「ミニちま偉人伝」の連載を始めたところ{{R|北海道新聞20090925e_p9}}、[[市立小樽文学館]]の目に留まり、特別展での人形の制作を依頼される{{R|北海道新聞20090925e_p9}}。2007年(平成19年)、同館の特別展「石川啄木と小樽日報」展で、下宿で寝ころぶ[[石川啄木]]の人形が展示され、話題となる<ref name="北海道新聞20071011m_p35">{{Cite news|和書|title=こだま|newspaper=北海道新聞|edition=全道朝刊|date=2007-10-11|page=35|language=ja}}</ref><ref name="北海道新聞20081005m_p31">{{Cite news|和書|title=日曜ぷりずむ 作家の輝き 人形に凝縮 札幌の高山さん|newspaper=北海道新聞|edition=樽B朝刊|date=2008-10-5|author=寺町志保|page=31|language=ja}}</ref>。2008年(平成20年)には同館で特別展「小樽ちまちま文豪展 高山美香ミニチュア人形の世界」が開催され、好評により数体の人形が同館に常設展示され<ref name="北海道新聞20090901e_p12">{{Cite news|和書|title=多喜二、漱石、伊藤整…… 粘土人形で表現 練りに練った10センチの大物 札幌の高山さん制作|newspaper=北海道新聞|edition=全道夕刊|date=2009-9-1|page=12}}</ref>、多くのリピーターを獲得する{{R|北海道新聞20090925e_p9}}。


2009年(平成21年)には初の作品集『一葉のめがね』を刊行する{{R|北海道新聞20090901e_p12}}。表紙を飾る[[樋口一葉]]を始め、53人の作家や偉人たちの人形の写真と、その人物たちにまつわるイラストやエピソードが収録されている<ref>{{Cite news|和書|title=親と子サンデー|newspaper=北海道新聞|edition=全道朝刊|date=2014-2-23|author=河田由美子|page=17|language=ja}}</ref>。題名の「一葉のめがね」は、「樋口一葉は、本当は極度の近視であり、人前で眼鏡をかけるのを嫌い、裸眼で通した」といわれることから、作家たちの素顔に焦点を当てることを意味している{{R|北海道新聞20090901e_p12}}<ref>{{Cite news|和書|title=図書館発! おすすめ本箱『一葉のめがね』|newspaper=朝日新聞|edition=北海道朝刊|date=2018-7-3|author=只石美由紀|page=29|language=ja}}</ref>。初版3千部が完売後も、全国の図書館などから注文や問合せが続き、その人気から2014年(平成26年)には第2弾『鷗外のやかん』が刊行される<ref>{{Cite news|和書|title=偉人の面白い素顔を本に 粘土人形写真と逸話収録|newspaper=朝日新聞|edition=北海道朝刊|date=2014-1-9|page=26}}</ref><ref>{{Cite news|和書|title=札幌のイラストレーター高山さん 偉人の一面 エッセーに|newspaper=北海道新聞|edition=圏B夕刊|date=2013-12-18|author=志村直|page=9|language=ja}}</ref>。
2009年(平成21年)には初の作品集『一葉のめがね』を刊行する{{R|北海道新聞20090901e_p12}}。表紙を飾る[[樋口一葉]]を始め、53人の作家や偉人たちの人形の写真と、その人物たちにまつわるイラストやエピソードが収録されている<ref>{{Cite news|和書|title=親と子サンデー|newspaper=北海道新聞|edition=全道朝刊|date=2014-2-23|author=河田由美子|page=17|language=ja}}</ref>。題名の「一葉のめがね」は、「樋口一葉は、本当は極度の近視であり、人前で眼鏡をかけるのを嫌い、裸眼で通した」といわれることから、作家たちの素顔に焦点を当てることを意味している{{R|北海道新聞20090901e_p12}}<ref>{{Cite news|和書|title=図書館発! おすすめ本箱『一葉のめがね』|newspaper=朝日新聞|edition=北海道朝刊|date=2018-7-3|author=只石美由紀|page=29|language=ja}}</ref>。初版3千部が完売後も、全国の図書館などから注文や問合せが続き、その人気から2014年(平成26年)には第2弾『鷗外のやかん』が刊行される<ref>{{Cite news|和書|title=偉人の面白い素顔を本に 粘土人形写真と逸話収録|newspaper=朝日新聞|edition=北海道朝刊|date=2014-1-9|page=26}}</ref><ref>{{Cite news|和書|title=札幌のイラストレーター高山さん 偉人の一面 エッセーに|newspaper=北海道新聞|edition=圏B夕刊|date=2013-12-18|author=志村直|page=9|language=ja}}</ref><ref>{{Cite news|和書|title=アートな本 高山美香著『鴎外のやかん』|newspaper=[[中日新聞]]|edition=朝刊|date=2014-1-26|publisher=[[中日新聞社]]|page=8|language=ja}}</ref>。


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イラストレーターならではの着眼点{{R|北海道新聞20090925e_p9|北海道新聞20081005m_p31}}、独自の視線による作家の逸話の紹介{{R|小樽ジャーナル20150120}}、人形1体につき何冊もの本を読みこむことでの細かな小道具の拘りようが、人気を呼んでいる<ref>{{Cite news|title=ちまちまキネマ・ワールド 映画スター40体|newspaper=小樽ジャーナル|date=2019-4-6|url=https://www.otaru-journal.com/2019/04/2019-0406-1/ |accessdate=2021-11-7|language=ja}}</ref>。[[小樽市]]を始めとして札幌市、[[東京都]]など、各地でも作品展が開催されている<ref>{{Cite news|和書|title=しりべし旅日記 高山美香さんの「ちまちまワールド」|newspaper=北海道新聞|edition=夕後夕刊|date=2012-1-31|author=渡辺多美江|page=11|language=ja}}</ref><ref>{{Cite news|和書|title=立体・工芸 マリオン|newspaper=朝日新聞|edition=東京夕刊|date=2009-10-2|page=4|language=ja}}</ref>。[[福井県]][[福井市]]の福井県ふるさと文学館からは、福井の歌人である[[山川登美子]]や詩人の則武三雄やの人形を依頼され{{R|東奥日報20160324e_p5}}<ref>{{Cite news|和書|title=原稿や書簡 にじむ人柄 県文学館 ゆかりの作家370点展示|newspaper=[[福井新聞]]|edition=朝刊|date=2017-5-5|author=吉川良治|publisher=福井新聞社|page=3|language=ja}}</ref>、[[山梨県]][[甲府市]]の[[山梨県立文学館]]へは学校への貸し出し用に、山梨の俳人の[[飯田蛇笏]]・[[飯田龍太|龍太]]親子の人形を納める{{R|東奥日報20160324e_p5}}<ref>{{Cite news|和書|title=チャイム リアリティー持つ「ちまちま人形」|newspaper=[[産経新聞]]|edition=東京朝刊|date=2016-3-21|publisher=[[産業経済新聞社]]|page=27|language=ja}}</ref>。小樽文学館からは「年間入館者数を一気に押し上げたほどの人気<ref>{{Cite news|和書|title=小さな巨匠 いつでも会える 小樽文学館|newspaper=[[読売新聞]]|edition=東京朝刊|date=2010-5-9|publisher=[[読売新聞社]]|page=26|language=ja}}</ref>」「文豪や偉人への親しみがわく」「なじみの薄い作家でも、人形の魅力で関心を持ってもらえている」と評価されている{{R|北海道新聞20090901e_p12}}。


== 著作 ==
== 著作 ==

2021年11月7日 (日) 10:30時点における版

高山 美香
誕生日 1969年(54 - 55歳)
出生地 北海道札幌市
国籍 日本の旗 日本
芸術分野 イラスト人形製作
代表作伊藤整」(人形)など[1]
ウェブサイト 高山 美香 (@takayamamika) - X(旧Twitter)
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高山 美香(たかやま みか、1969年昭和44年〉[2][3] - )は、日本イラストレーター人形作家。本の挿絵や雑誌のイラストレーターとして活動する他、作家偉人粘土人形を作ることで話題を呼んでいる[4][5]

経歴

北海道札幌市に誕生する[2][3]。幼少時より絵を描くことが好きで、本人曰く「ずっと絵を描いていた」という[6]。印刷会社を経て、4プラ自由市場大賞・準大賞受賞をきっかけにフリーのイラストレーターとして独立する[7][8]

2004年(平成16年)頃、本や雑誌にイラストを描く中で、色褪せたもの、風化したものに次第に魅力を感じたこと[6]、文学少女だった自分の原点に気づいたことで[9]、偉人や作家の15センチメートルほどの人形を、粘土で作り始める[6]。最初に芥川龍之介の写真を見て作ったものの、まったく似ず、当人をより理解する必要性に気づき、図書館で数十冊もの本を借り、作家たちの調査に没頭し始める[10][11]。本人はこれを「ちまちました作業を繰り返す」の意味で「ちまちま人形」と称している[12]

アルバイト情報誌でコラム「ミニちま偉人伝」の連載を始めたところ[9]市立小樽文学館の目に留まり、特別展での人形の制作を依頼される[9]。2007年(平成19年)、同館の特別展「石川啄木と小樽日報」展で、下宿で寝ころぶ石川啄木の人形が展示され、話題となる[13][14]。2008年(平成20年)には同館で特別展「小樽ちまちま文豪展 高山美香ミニチュア人形の世界」が開催され、好評により数体の人形が同館に常設展示され[15]、多くのリピーターを獲得する[9]

2009年(平成21年)には初の作品集『一葉のめがね』を刊行する[15]。表紙を飾る樋口一葉を始め、53人の作家や偉人たちの人形の写真と、その人物たちにまつわるイラストやエピソードが収録されている[16]。題名の「一葉のめがね」は、「樋口一葉は、本当は極度の近視であり、人前で眼鏡をかけるのを嫌い、裸眼で通した」といわれることから、作家たちの素顔に焦点を当てることを意味している[15][17]。初版3千部が完売後も、全国の図書館などから注文や問合せが続き、その人気から2014年(平成26年)には第2弾『鷗外のやかん』が刊行される[18][19][20]

イラストレーターならではの着眼点[9][14]、独自の視線による作家の逸話の紹介[3]、人形1体につき何冊もの本を読みこむことでの細かな小道具の拘りようが、人気を呼んでいる[21]小樽市を始めとして札幌市、東京都など、各地でも作品展が開催されている[22][23]福井県福井市の福井県ふるさと文学館からは、福井の歌人である山川登美子や詩人の則武三雄やの人形を依頼され[11][24]山梨県甲府市山梨県立文学館へは学校への貸し出し用に、山梨の俳人の飯田蛇笏龍太親子の人形を納める[11][25]。小樽文学館からは「年間入館者数を一気に押し上げたほどの人気[26]」「文豪や偉人への親しみがわく」「なじみの薄い作家でも、人形の魅力で関心を持ってもらえている」と評価されている[15]

著作

  • 『一葉のめがね』猫の事務所、2009年8月8日。 NCID BB01415002 
  • 『鷗外のやかん』猫の事務所、2013年12月20日。 NCID BB20535384 

脚注

  1. ^ 高山 2013, p. 128.
  2. ^ a b 高山美香「北の文人立ち話 蛇が出なけりゃ理想郷 有島武郎の来道理由」『朝日新聞朝日新聞社、2011年4月1日、北海道夕刊、5面。
  3. ^ a b c 道ゆかりの文豪96人! 知られざる愉快なエピソード紹介」『小樽ジャーナル』小樽ジャーナル社、2015年1月20日。2021年11月7日閲覧。
  4. ^ 「プラザ 文化 小樽文学館 作家そっくりと評判「粘土人形」作りに挑戦」『北海道新聞北海道新聞社、2009年9月12日、樽B朝刊、29面。
  5. ^ 「はと笛」『琉球新報』琉球新報社、2016年3月19日、朝刊、35面。
  6. ^ a b c 「ひと・街 北海道」『朝日新聞』、2009年3月16日、北海道朝刊、21面。
  7. ^ 山中いずみ「偉人、文豪 表情生き生き イラストレーターの高山さん」『北海道新聞』、2012年1月10日、夕後夕刊、11面。
  8. ^ 第865回 ちまちま人形作家 高山美香さん”. 札幌人図鑑. 2021年11月6日閲覧。
  9. ^ a b c d e 寺町志保「カルチャープラス イラストレーター 高山美香の世界」『北海道新聞』、2009年9月25日、全道夕刊、9面。
  10. ^ ミニチュア人形を語る 文学館「ちまちまギャラリートーク」」『小樽ジャーナル』、2010年1月23日。2021年11月7日閲覧。
  11. ^ a b c 「小さな人形「本物」創出 札幌のイラストレーター制作」『東奥日報』東奥日報社、2016年3月24日、夕刊、5面。
  12. ^ 高山 2009, p. 126.
  13. ^ 「こだま」『北海道新聞』、2007年10月11日、全道朝刊、35面。
  14. ^ a b 寺町志保「日曜ぷりずむ 作家の輝き 人形に凝縮 札幌の高山さん」『北海道新聞』、2008年10月5日、樽B朝刊、31面。
  15. ^ a b c d 「多喜二、漱石、伊藤整…… 粘土人形で表現 練りに練った10センチの大物 札幌の高山さん制作」『北海道新聞』、2009年9月1日、全道夕刊、12面。
  16. ^ 河田由美子「親と子サンデー」『北海道新聞』、2014年2月23日、全道朝刊、17面。
  17. ^ 只石美由紀「図書館発! おすすめ本箱『一葉のめがね』」『朝日新聞』、2018年7月3日、北海道朝刊、29面。
  18. ^ 「偉人の面白い素顔を本に 粘土人形写真と逸話収録」『朝日新聞』、2014年1月9日、北海道朝刊、26面。
  19. ^ 志村直「札幌のイラストレーター高山さん 偉人の一面 エッセーに」『北海道新聞』、2013年12月18日、圏B夕刊、9面。
  20. ^ 「アートな本 高山美香著『鴎外のやかん』」『中日新聞中日新聞社、2014年1月26日、朝刊、8面。
  21. ^ ちまちまキネマ・ワールド 映画スター40体」『小樽ジャーナル』、2019年4月6日。2021年11月7日閲覧。
  22. ^ 渡辺多美江「しりべし旅日記 高山美香さんの「ちまちまワールド」」『北海道新聞』、2012年1月31日、夕後夕刊、11面。
  23. ^ 「立体・工芸 マリオン」『朝日新聞』、2009年10月2日、東京夕刊、4面。
  24. ^ 吉川良治「原稿や書簡 にじむ人柄 県文学館 ゆかりの作家370点展示」『福井新聞』福井新聞社、2017年5月5日、朝刊、3面。
  25. ^ 「チャイム リアリティー持つ「ちまちま人形」」『産経新聞産業経済新聞社、2016年3月21日、東京朝刊、27面。
  26. ^ 「小さな巨匠 いつでも会える 小樽文学館」『読売新聞読売新聞社、2010年5月9日、東京朝刊、26面。

外部リンク