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[[画像:Propolis in beehives.jpg|right|thumb|プロポリス]]
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'''プロポリス'''(''propolis'')は、[[植物]]が分泌した様々な物質を[[ミツバチ]]が採集した粘着性の物質で、営巣などに用いられる<ref>[[#佐々木1994|佐々木1994]]、116-117頁。</ref>。'''蜂ヤニ'''ともいう<ref name="佐々木1994-116">[[#佐々木1994|佐々木1994]]、116頁。</ref><ref>[[#角田1997|角田1997]]、160頁。</ref>。語源は、[[ラテン語]]のpro(=前、防御)、[[ギリシャ語]]のpolis(=都市)である。
[[画像:Propolis smola.jpg|thumb|プロポリス]]


植物は、自らが傷つけられると、傷口を守るために樹脂を分泌し、また、芽を病原性の微生物から守るため新芽や蕾に抗菌作用をもった物質を送っている。ミツバチはこの抗菌作用を活用し、プロポリスを巣に塗ることで、温かく、湿度が高い巣の中でも細菌の繁殖を抑えて、巣を清潔に保つことができるようにしている<ref>田澤茂実ら,'''''Natural Medicines''''', 54(6), 306-313 (2000)</ref>。植物由来の物質をミツバチが採集したものがプロポリスであるが、採集後ミツバチが新たに何らかの物質を加えている可能性も考えられている<ref name="佐々木1994-116"/>。
'''プロポリス'''(''propolis'')は、[[ミツバチ]]が野外から採取した[[植物]]の[[樹脂]]などを練り合わせ、営巣空間の内面を内張りしたり隙間を埋めるのに使う物質である。語源は、[[ラテン語]]のpro(=前、防御)、[[ギリシャ語]]のpolis(=都市)である。基本的にはミツバチの生息環境に生育する植物の樹脂の[[混合物]]であり、その性質は採取される地域によって大きく異なると考えられている。


プロポリスを集める性質を持つのは、木の洞などの中に営巣する閉鎖空間営巣性のミツバチのうち、[[セイヨウミツバチ]]のみである。[[亜種]]のニホンミツバチを含むトウヨウミツバチなどはこれを集めない。ミツバチ営巣空間の隙間を埋めて密閉性をよする又、巣内の環境から有害微生物を排除するための物質としての役割を果たして
プロポリスを集める性質を持つのは、木の洞などの中に営巣する閉鎖空間営巣性のミツバチのうち、[[セイヨウミツバチ]]のみである。[[亜種]]のニホンミツバチを含むトウヨウミツバチなどはこれを集めない。同じ蜂産品である[[ローヤルゼリー]]や[[蜂蜜]]など中でも採取量は少なく、人為的には合成ができない。


== 生産 ==
同じ蜂産品である[[ローヤルゼリー]]や[[蜂蜜]]などと違って採取できる量は非常に少なく、人為的には増量合成ができない。しかし、特定の種類のハチを養蜂すれば(好む好まざるに関わらず)プロポリスは採取できるので、希少性はあまり高くない。
プロポリスは、ブラジルをはじめ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、ウルグアイ、エジプト、オーストラリア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアなど、世界各国で採集されている<ref>藤本琢憲,'''''プロポリス協議会会報''''', 19, 14-30 (1998)</ref>。日本においてもわずかではあるが、北は北海道から南は沖縄県まで<ref>藤本ら,'''''ミツバチ科学''''', 22(2), 67-74 (2001)</ref>、主に研究用として採集されている。
== 健康食品として ==
欧米では古くから民間薬、[[強壮剤]]として用いられてきた。最近の[[日本]]では、[[健康食品]]として商業的に宣伝が行われているが、このブームには二つの事情が関わっている。ひとつは[[ブラジル]]でセイヨウミツバチの亜種のひとつであるアフリカミツバチが研究施設から逃亡して野生化した([[アフリカナイズドミツバチ]]と呼ばれる)のみならず、飼育群とも交雑してアフリカミツバチの遺伝的な行動様式がブラジルの飼育ミツバチ群に浸透してしまったことである。そのため、ブラジルの多くの飼育ミツバチは蜜の収集量が低下したが、植物の樹脂を多量に集める性質を身につけることとなった。もうひとつは、ブラジルの森林の伐採後の土地に[[ユーカリ]]が多く植栽されたことである。これによって、精油分を多く含む樹脂を分泌する植物が、大量に供給されることとなった。


生産量が最も多いのはブラジルである。ブラジルには、プロポリス採取に適したアフリカ蜂化ミツバチがいる。アフリカミツバチとセイヨウミツバチとの自然交配によって生み出された品種である。ブラジルでは、蜂蜜を集める能力の高いアフリカミツバチを輸入研究していたが、そこから逃げ出したものが、元々ブラジルにいたセイヨウミツバチと交配し、この新種が生み出された。アフリカ蜂化ミツバチは高い防衛本能を持ち、巣を守るためのプロポリスを早く大量に生産する<ref> 熊澤茂則ら,'''''FFI JOURNAL''''', 209(2), 132-139 (2004)</ref>。湿度の高いアマゾンに生息するミツバチは、疾病から身を守るために強力なプロポリスを生産していると考えられており、そのためブラジル産のプロポリスは最高級品といわれている<ref name="川島2007-67">[[#川島2007|川島2007]]、67頁。</ref>。ブラジル産プロポリスは品質に応じて6段階の等級に分けられ、[[ミナスジェライス州]]産の[[アレクリン]]という植物に由来する「グリーン・プロポリス」が最上級品とされている<ref>[[#川島2007|川島2007]]、67-68頁。</ref>。
これによって、ブラジルで、蜂蜜よりもプロポリスを主たる産物として採取することが多くなり、ここで商品化されたものが日本にも販売されるようになったのである。[[1985年]]10月、第30回国際養蜂会議において[[中島自然科学研究所]]がブラジル産プロポリスを日本に紹介し金賞を受賞。同年日本市場に製品が流れた。


ミツバチの巣から採取されたプロポリスは、抽出を経て使用される。抽出方法としては、アルコールを用いるものが一般的である。ただしアルコール濃度が50%を超えると、プロポリスに含まれる酵素が死滅してしまい、アルコールの匂いがつくなど品質に問題が生じる<ref>[[#川島2007|川島2007]]、69-70頁。</ref>。
なかには癌が治る、精力がつくなど根拠のない宣伝文句を謳い、法外な金額で販売する[[悪徳商法]]が横行している。確かに一定の殺菌性、抗酸化性、抗炎症性、抗腫瘍作用が報告されているものの、その効果はあまり高くない<ref>中村純、松香光夫「[http://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/2/1/2_45/_article/-char/ja 補完代替医療素材としてのプロポリス]」『日本補完代替医療学会誌』2(1)、2005年、45-57頁。</ref>。また、中国産では樹脂や木の芽を煮詰めた物質を大量に混ぜた粗悪なものを「純化プロポリス」として販売されていることが、2010年11月22日中国国営中央テレビによって報じられた。年間300tしか生産されていないはずのプロポリスが、年間1000t近い販売量が流通していることから、既に大量に粗悪品が出回っていることが考えられ、さらに、このような製法は10年近く続いているとも報じられている。

== 成分・性質 ==
[[ファイル:Propolis smola.jpg|thumb|黒褐色のプロポリス]]
プロポリスは、ミツバチが集めてくる植物を原料として作られるため、起源となる植物によって、黒褐色、暗緑色、赤褐色のものなど様々な種類がある。近年の研究により、産地や起源植物によって特有成分が大きく異なることが明らかになっている。 起源植物の多くがポプラであるヨーロッパ産や中国産のプロポリスには、主な成分としてフラボノイドが含まれている。一方、キク科バッカリス属のアレクリン・ド・カンポ(''Baccharis dracunculifolia'')を起源とするブラジル産プロポリスには、主にアルテピリン C をはじめとする桂皮酸誘導体、フラボノイドが含まれている。ブラジル産プロポリスは、中国産と比べ、アルテピリンC(桂皮酸誘導体)量は約7500倍、バッカリン(桂皮酸誘導体)量は約2500倍、6‐メトキシケンフェライド(フラボノイド)量は約25倍であるという分析結果も報告されている<ref name="example">松野哲也,'''''ミツバチ科学''''',13(2),49-54 (1992)</ref>。

一般にプロポリスは樹脂・[[バルサム]](55%)、[[ワックス]](30%)、油性物質(10%)、花粉(5%)で構成され、成分としては[[フラボノイド]]類を多く含む<ref>[[#佐々木1994|佐々木1994]]、116-117頁。</ref>。成分は、微量のものを含めるとおよそ300ないし400にのぼるといわれている<ref name="川島2007-66">[[#川島2007|川島2007]]、66頁。</ref>。


巣箱や養蜂用具から[[鉛]]が混入する事が報告されているが、採集の方法により混入量は大きく異なる<ref>{{PDFlink|[http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/pdf/academy/70-1753.pdf ミツバチ科学 25巻3号 p.129-131(2004-10)]}}玉川大学</ref>。
巣箱や養蜂用具から[[鉛]]が混入する事が報告されているが、採集の方法により混入量は大きく異なる<ref>{{PDFlink|[http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/pdf/academy/70-1753.pdf ミツバチ科学 25巻3号 p.129-131(2004-10)]}}玉川大学</ref>。

== 用途 ==
用途としては、化粧品、日焼け止め、消毒抗炎剤、点眼剤、鎮静剤、ヘアスプレーの材料<ref name="佐々木1994-119"/>、[[バイオリン]]のつや出しなどが挙げられる<ref>[[#角田1997|角田1997]]、162頁。</ref>。プロポリスと人間との付き合いは長く、古くはミイラを作る際の防腐剤として利用されていた<ref>太田明一,「'''''食品機能素材の開発'''''」, シーエムシー出版(2006)</ref>。古代ローマでは「天然の抗生物質」として用いられ<ref name="川島2007-67"/>、東ヨーロッパでも伝統的に薬用に用いられてきた<ref name="佐々木1994-119">[[#佐々木1994|佐々木1994]]、119頁。</ref>。

健康食品としても注目を集め<ref name="川島2007-66"/>{{#tag:ref|[[日本]]では、[[健康食品]]として商業的に宣伝が行われているが、このブームには二つの事情が関わっている。ひとつは[[ブラジル]]でセイヨウミツバチの亜種のひとつであるアフリカミツバチが研究施設から逃亡して野生化した([[アフリカナイズドミツバチ]]と呼ばれる)のみならず、飼育群とも交雑してアフリカミツバチの遺伝的な行動様式がブラジルの飼育ミツバチ群に浸透してしまったことである。そのため、ブラジルの多くの飼育ミツバチは蜜の収集量が低下したが、植物の樹脂を多量に集める性質を身につけることとなった。もうひとつは、ブラジルの森林の伐採後の土地に[[ユーカリ]]が多く植栽されたことである。これによって、精油分を多く含む樹脂を分泌する植物が、大量に供給されることとなった。これによって、ブラジルで、蜂蜜よりもプロポリスを主たる産物として採取することが多くなり、ここで商品化されたものが日本にも販売されるようになったのである。[[1985年]]10月、第30回国際養蜂会議において[[中島自然科学研究所]]がブラジル産プロポリスを日本に紹介し金賞を受賞。同年日本市場に製品が流れた。|group="†"}}、抗癌作用を期待した大量の服用が行われている<ref name="佐々木1994-119"/>。ミツバチは、プロポリスがもつ殺菌力によって細菌やウイルスから身を守っているといわれており<ref>[[#角田1997|角田1997]]、161頁。</ref>、一定の殺菌性、抗酸化性、抗炎症性、抗腫瘍作用が報告されているものの、その効果はあまり高くない<ref>中村純、松香光夫「[http://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/2/1/2_45/_article/-char/ja 補完代替医療素材としてのプロポリス]」『日本補完代替医療学会誌』2(1)、2005年、45-57頁。</ref>

== 研究 ==
日本では、1991年9月に開催された「第50回日本癌学会総会」で松野哲也氏(国立予防衛生研)がブラジル産プロポリスに抗腫瘍活性(腫瘍細胞が活発に増殖するのを抑えたり、腫瘍細胞を死滅させたりする働き)をもった物質が含まれていることを発表<ref name="example">松野哲也,'''''ミツバチ科学''''',13(2),49-54 (1992)</ref>。このことがきっかけとなり、研究が急速に進展した。その後も、林原生物化学研究所がプロポリスのエタノール抽出物からマクロファージ活性・抗菌性などの効果を発見するなど、研究が盛んに行われるようになった。その作用についてさまざまな研究報告がなされている。日本では、1985年に名古屋で開催された第30回国際養蜂会議にてプロポリスの有用性について発表されたことが発端となり、研究が盛んとなった。

*抗菌作用について、研究報告が掲載されている。食中毒の原因菌であるサルモネラ菌''Salmonella spp.''<ref>Mazzuco, H., Silva, RDdME., Berchieri, A., Jr., de Oliveira, E., '''''Scientia Agricola''''', 53, 1-5 (1996)</ref>、胃潰瘍の原因菌であるピロリ菌''Helicobactor pylori''<ref>Banskota, A. H., Tezuka, Kadota, S., “Recent progress in pharmacological research of propolis.” '''''Phytotherapy Reseach''''', 15, 561-571 (2001)</ref>, <ref>伊藤紀久夫, 天宮一郎, 池田修一, 小西正隆, '''''ミツバチ科学''''', 15, 171-173 (1994)</ref>. <ref>Hashimoto, T., Aga, H., Tabuchi, A., Shibuya, T., Chaen, H., Fukuda, S., Kurimoto, M., '''''Natural Medicines''''', 52, 518-520 (1998)</ref>, <ref>佐藤利夫, 宮高透喜, “ ピロリ菌とプロポリス”, '''''ミツバチ科学''''', 20, 75-84 (1999)</ref>、虫歯の原因菌となる''Streptococcus mutans''や''S. sobrinus''<ref>池野久美子, 池野武行, 宮沢忠蔵, “ラットう蝕に対するプロポリスの効果”, '''''ミツバチ科学''''', 15, 1-6 (1994)</ref>, <ref>西尾真緒, 田淵彰彦, 渋谷 孝, 茶圓博人, 福田恵温, 栗本雅司, “プロポリスの抗う蝕性物質について”, '''''ミツバチ科学''''', 17, 151-154 (1996)</ref>、院内感染原因細菌として知られるMRSA (methicillin-resistant ''Staphylococcus aureus'')などの抗生物質耐性菌<ref>中野真之, 渋谷 孝, 杉本利之, 福田恵温, 栗本雅司, “プロポリス中の抗MRSA活性物質について”, '''''ミツバチ科学''''', 16, 175-177 (1995)</ref>, <ref>Bankova, V., Christov, R., Popov; S., Marcucci, M. C., Tsvetkova, I., Kujumgiev, A., “ Antibacterial activity of essential oils from Brazilian propolis.”, '''''Fitoterapia''''', 70, 190-193 (1999)</ref>、に対する有効性が報告されている。

*抗ウイルス作用について、Serkedjiva Jらによる研究報告が掲載されている。プロポリス成分(桂皮酸)がニワトリ胚を用いたCAMアッセイにより、インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことが報告されている。<ref>Serkedjieva J, Manolova N, Bankova V., “Anti-influenza virus effect of some propolis constituents and their analogues (esters of substituted cinnamic acids).”, '''''J Nat Prod'''''., 55(3):294-302 (1992)</ref>

*抗酸化作用について、岐阜大学、今井らによる研究報告が、2005年、「Adv. Exerc. Sports Physiol.」11巻3号 P109-113 に掲載されている。剣道部男子学生11名を対象としたヒト臨床試験(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)の結果、過度の運動前にプロポリスを摂取した群は、有意に血清中の還元型アルブミンの減少が抑制され、プロポリスによる運動後疲労の軽減効果が報告されている。<ref>Imai, H., Era, S., Hayashi, T., Negawa, T., Matsuyama, Y., Okihara, K., Nakatsuma, A., Yamadam, H., “Effect of Propolis Supplementation on the Redox State of Human Serum Albumin during High-Intensity Kendo Training” '''''Adv. Exerc. Sports Physiol''.''', 11 (3), 109-113 (2005)</ref>

*抗炎症作用について、Moura SAらによる研究報告が、「Evid Based Complement Alternat Med」に掲載されている。炎症の生じたマウスにプロポリスを投与した群では、炎症の低減が認められ、抗炎症効果が報告されている。<ref>Moura SA, Negri G, Salatino A, Lima LD, Dourado LP, Mendes JB, Andrade SP, Ferreira MA, Cara DC., “Aqueous Extract of Brazilian Green Propolis: Primary Components, Evaluation of Inflammation and Wound Healing by Using Subcutaneous Implanted Sponges.”. '''''Evid Based Complement Alternat Med'''''., Aug 18.(2009)</ref>

*抗腫瘍に対する作用について、Sheller Sらによる研究報告が、1999年、「ミツバチ科学」20号 P75-84 に掲載されている。エールリッヒ担癌マウスにプロポリス抽出液を投与した結果、生存率の増加が認められ、抗腫瘍効果が報告されている。<ref>Scheller S, Krol W, Swiacik J, Owczarek S, Gabrys J, Shani J., “Antitumoral property of ethanolic extract of propolis in mice-bearing Ehrlich carcinoma, as compared to bleomycin.” '''''Z Naturforsch C'''''., 44(11-12):1063-5 (1989) </ref>

*抗アレルギー作用について、鳥取大学、竹内らによる研究報告が、2009年、「応用薬理」76巻3/4号P71-77に、2008年、「応用薬理」75巻5/6号 P103-108に掲載されている。
**ヒト臨床試験(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)にて、花粉飛散前からのプロポリス摂取により、花粉症の軽減や花粉症薬剤の利用頻度を減らせることが報告されている。<ref>竹内裕美, 北野博也, 沖原清司, 橋本健, 榎本雅夫, “スギ花粉症に対するプロポリスの至適摂取量についての臨床的検討(2006年における検討)”, '''''応用薬理 Pharmacometrics''''', 76(3/4) 71-77 (2009)</ref>, <ref>竹内裕美, 北野博也, 沖原清司, 橋本健, 榎本雅夫, “スギ花粉症に対するプロポリスの有用性と安全性に関する臨床試験研究”, '''''応用薬理 Pharmacometrics''''', 75(5/6) 103-108 (2008)</ref>
**また、そのメカニズムについて、谷らによる研究報告が、2010年「Bioorg Med Chem」18巻1号 P151-157に掲載されている。アレルギー患者由来の免疫細胞を用いた研究が行われ、ブラジル産プロポリス抽出液やその主成分であるアルテピリン C が、ロイコトリエン類やヒスタミン、サイトカインの分泌を抑制することが報告されている。<ref>Tani H, Hasumi K, Tatefuji T, Hashimoto K, Koshino H, Takahashi S., “Inhibitory activity of Brazilian green propolis components and their derivatives on the release of cys-leukotrienes.” '''''Bioorg Med Chem'''''., 18(1):151-7 (2010)</ref>

*血糖降下作用について、Fuliang HUらによる研究報告が掲載されている。ラットにプロポリス抽出液を投与した結果、血中のブドウ糖やコレステロールの低下が認められ、血糖や糖代謝、脂質を調節することが報告されている。<ref>Fuliang HU, Hepburn HR, Xuan H, Chen M, Daya S, Radloff SE., “Effects of propolis on blood glucose, blood lipid and free radicals in rats with diabetes mellitus.” '''''Pharmacol Res'''''. Feb;51(2):147-52 (2005)</ref>
*血圧低下作用について、三島らによる研究報告がBPB 28(10):1909-14, (2005)に掲載されている。高血圧モデルラットにプロポリス抽出液を投与した結果、血圧の低下が認められたと報告されている。<ref>Mishima S, Yoshida C, Akino S, Sakamoto T., “Antihypertensive effects of Brazilian propolis: identification of caffeoylquinic acids as constituents involved in the hypotension in spontaneously hypertensive rats.”, '''''Biol Pharm Bull'''''., 28(10):1909-14 (2005)</ref>

*糖尿病前段階であるインスリン抵抗性の改善について、座間味らによる研究報告が掲載されている。インスリン抵抗性モデルラットや2型糖尿病自然発症モデルラットに、ブラジル産プロポリスを長期経口投与した結果、血清中のインスリン値がプロポリスの投与量に応じて低下し、インスリン抵抗性の進行を予防する作用を持つ可能性が報告されている。<ref>Zamami Y, Takatori S, Koyama T, Goda M, Iwatani Y, Doi S, Kawasaki H., “Effect of propolis on insulin resistance in fructose-drinking rats” '''''Yakugaku Zasshi''''', 127(12):2065-73 (2007)</ref>, <ref>Zamami Y, Fujiwara H, Hosoda M, Hino H, Hirai K, Okamoto K, Jin X, Takatori S, Doi-Takaki S, Kawasaki H., “Ameliorative effect of propolis on insulin resistance in Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty (OLETF) rats”, '''''Yakugaku Zasshi''''', 130(6):833-40 (2010)</ref>

*脂質代謝作用について、市らによる研究報告が掲載されている。高脂肪餌を与えたラットにプロポリスを投与すると脂肪重量の減少が認められ、プロポリスの脂質代謝作用や脂質吸収阻害作用が報告されている。<ref>Ichi I, Hori H, Takashima Y, Adachi N, Kataoka R, Okihara K, Hashimoto K, Kojo S., “The beneficial effect of propolis on fat accumulation and lipid metabolism in rats fed a high-fat diet.”, '''''J Food Sci.''''', 74(5):H127-31 (2009)</ref>

*風邪症状の軽減作用について、大熊らによる研究報告が、2010年、「応用薬理」79巻3/4号 P43-P48に掲載されている。日本人63名を対象としたプラセボ対象二重盲検試験の結果、プロポリス投与群で風邪の治癒が早く、倦怠感の軽減効果が認められたと報告されている。<ref>大熊章朗, 菅野智子, 浅間孝志, 高木志真, 川口光彦, 立藤智基, 橋本健, ”風邪症状に対するブラジル産プロポリス含有食品の効果” '''''応用薬理 Pharmacometrics''''', 79 (3/4) 43-48 (2010)</ref>

*オーバートレーニング症候群の予防についての研究報告が、2009年、『食品と科学』12月号に掲載されている。持久的競技種目を行う運動部女子学生20名を対象としたランダム化二重盲検試験を行った結果、オーバートレーニング症候群の予防に有効であると報告されている。<ref>'''''『食品と科学』''''', 食品と科学社, 2009年12月号</ref>


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[ミツバチ]]
*[[ミツバチ]]
*[[ローヤルゼリー]]
*[[蜂蜜]]
*[[健康食品]]
*[[谷口明]]


==脚注==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<div class="references-small"><references /></div>
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=†}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書
|author = 川島茂
|year = 2007
|title = ハチミツの「危ない話」 本物のハチミツを食べてみたい!
|publisher = 三五館
|isbn = 4883203867
|ref = 川島2007
}}
* {{Cite book|和書
|author = 佐々木正己
|year = 1994
|title = 養蜂の科学
|series = 昆虫利用科学シリーズ5
|publisher = サイエンスハウ
|isbn = 4915572668
|ref = 佐々木1994
}}
* {{Cite book|和書
|author = 角田公次
|year = 1997
|title = ミツバチ 飼育・生産の実際と蜜源植物
|series = 新特産シリーズ
|publisher = 農山漁村文化協会
|isbn = 4540961160
|ref = 角田1997
}}


==外部リンク==
==外部リンク==
* [http://hfnet.nih.go.jp/contents/indiv_agreement.html?135 プロポリス - 「健康食品」の安全性・有効性情報] ([[国立健康・栄養研究所]])
* [http://hfnet.nih.go.jp/contents/indiv_agreement.html?135 プロポリス - 「健康食品」の安全性・有効性情報] ([[国立健康・栄養研究所]])
* [http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/college/college/tamagawa-mitsubachi.html ミツバチ科学]玉川大学
* [http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/college/college/tamagawa-mitsubachi.html ミツバチ科学]玉川大学
* [http://japanpropolisconference.giving.officelive.com/default.aspx 日本プロポリス協議会]
* [http://www.apidologie.org/ Apidologie]
* [http://www.tamagawa.ac.jp/hsrc/contents/hsrc_top.htm 玉川大学ミツバチ科学研究センター]
* [http://bee-lab.jp/ みつばち健康科学研究所]


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2011年10月16日 (日) 04:52時点における版

プロポリス

プロポリスpropolis)は、植物が分泌した様々な物質をミツバチが採集した粘着性の物質で、営巣などに用いられる[1]蜂ヤニともいう[2][3]。語源は、ラテン語のpro(=前、防御)、ギリシャ語のpolis(=都市)である。

植物は、自らが傷つけられると、傷口を守るために樹脂を分泌し、また、芽を病原性の微生物から守るため新芽や蕾に抗菌作用をもった物質を送っている。ミツバチはこの抗菌作用を活用し、プロポリスを巣に塗ることで、温かく、湿度が高い巣の中でも細菌の繁殖を抑えて、巣を清潔に保つことができるようにしている[4]。植物由来の物質をミツバチが採集したものがプロポリスであるが、採集後ミツバチが新たに何らかの物質を加えている可能性も考えられている[2]

プロポリスを集める性質を持つのは、木の洞などの中に営巣する閉鎖空間営巣性のミツバチのうち、セイヨウミツバチのみである。亜種のニホンミツバチを含むトウヨウミツバチなどはこれを集めない。同じ蜂産品であるローヤルゼリー蜂蜜などの中でも採取量は少なく、人為的には合成ができない。

生産

プロポリスは、ブラジルをはじめ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、ウルグアイ、エジプト、オーストラリア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアなど、世界各国で採集されている[5]。日本においてもわずかではあるが、北は北海道から南は沖縄県まで[6]、主に研究用として採集されている。

生産量が最も多いのはブラジルである。ブラジルには、プロポリス採取に適したアフリカ蜂化ミツバチがいる。アフリカミツバチとセイヨウミツバチとの自然交配によって生み出された品種である。ブラジルでは、蜂蜜を集める能力の高いアフリカミツバチを輸入研究していたが、そこから逃げ出したものが、元々ブラジルにいたセイヨウミツバチと交配し、この新種が生み出された。アフリカ蜂化ミツバチは高い防衛本能を持ち、巣を守るためのプロポリスを早く大量に生産する[7]。湿度の高いアマゾンに生息するミツバチは、疾病から身を守るために強力なプロポリスを生産していると考えられており、そのためブラジル産のプロポリスは最高級品といわれている[8]。ブラジル産プロポリスは品質に応じて6段階の等級に分けられ、ミナスジェライス州産のアレクリンという植物に由来する「グリーン・プロポリス」が最上級品とされている[9]

ミツバチの巣から採取されたプロポリスは、抽出を経て使用される。抽出方法としては、アルコールを用いるものが一般的である。ただしアルコール濃度が50%を超えると、プロポリスに含まれる酵素が死滅してしまい、アルコールの匂いがつくなど品質に問題が生じる[10]

成分・性質

黒褐色のプロポリス

プロポリスは、ミツバチが集めてくる植物を原料として作られるため、起源となる植物によって、黒褐色、暗緑色、赤褐色のものなど様々な種類がある。近年の研究により、産地や起源植物によって特有成分が大きく異なることが明らかになっている。 起源植物の多くがポプラであるヨーロッパ産や中国産のプロポリスには、主な成分としてフラボノイドが含まれている。一方、キク科バッカリス属のアレクリン・ド・カンポ(Baccharis dracunculifolia)を起源とするブラジル産プロポリスには、主にアルテピリン C をはじめとする桂皮酸誘導体、フラボノイドが含まれている。ブラジル産プロポリスは、中国産と比べ、アルテピリンC(桂皮酸誘導体)量は約7500倍、バッカリン(桂皮酸誘導体)量は約2500倍、6‐メトキシケンフェライド(フラボノイド)量は約25倍であるという分析結果も報告されている[11]

一般にプロポリスは樹脂・バルサム(55%)、ワックス(30%)、油性物質(10%)、花粉(5%)で構成され、成分としてはフラボノイド類を多く含む[12]。成分は、微量のものを含めるとおよそ300ないし400にのぼるといわれている[13]

巣箱や養蜂用具からが混入する事が報告されているが、採集の方法により混入量は大きく異なる[14]

用途

用途としては、化粧品、日焼け止め、消毒抗炎剤、点眼剤、鎮静剤、ヘアスプレーの材料[15]バイオリンのつや出しなどが挙げられる[16]。プロポリスと人間との付き合いは長く、古くはミイラを作る際の防腐剤として利用されていた[17]。古代ローマでは「天然の抗生物質」として用いられ[8]、東ヨーロッパでも伝統的に薬用に用いられてきた[15]

健康食品としても注目を集め[13][† 1]、抗癌作用を期待した大量の服用が行われている[15]。ミツバチは、プロポリスがもつ殺菌力によって細菌やウイルスから身を守っているといわれており[18]、一定の殺菌性、抗酸化性、抗炎症性、抗腫瘍作用が報告されているものの、その効果はあまり高くない[19]

研究

日本では、1991年9月に開催された「第50回日本癌学会総会」で松野哲也氏(国立予防衛生研)がブラジル産プロポリスに抗腫瘍活性(腫瘍細胞が活発に増殖するのを抑えたり、腫瘍細胞を死滅させたりする働き)をもった物質が含まれていることを発表[11]。このことがきっかけとなり、研究が急速に進展した。その後も、林原生物化学研究所がプロポリスのエタノール抽出物からマクロファージ活性・抗菌性などの効果を発見するなど、研究が盛んに行われるようになった。その作用についてさまざまな研究報告がなされている。日本では、1985年に名古屋で開催された第30回国際養蜂会議にてプロポリスの有用性について発表されたことが発端となり、研究が盛んとなった。

  • 抗菌作用について、研究報告が掲載されている。食中毒の原因菌であるサルモネラ菌Salmonella spp.[20]、胃潰瘍の原因菌であるピロリ菌Helicobactor pylori[21], [22]. [23], [24]、虫歯の原因菌となるStreptococcus mutansS. sobrinus[25], [26]、院内感染原因細菌として知られるMRSA (methicillin-resistant Staphylococcus aureus)などの抗生物質耐性菌[27], [28]、に対する有効性が報告されている。
  • 抗ウイルス作用について、Serkedjiva Jらによる研究報告が掲載されている。プロポリス成分(桂皮酸)がニワトリ胚を用いたCAMアッセイにより、インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことが報告されている。[29]
  • 抗酸化作用について、岐阜大学、今井らによる研究報告が、2005年、「Adv. Exerc. Sports Physiol.」11巻3号 P109-113 に掲載されている。剣道部男子学生11名を対象としたヒト臨床試験(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)の結果、過度の運動前にプロポリスを摂取した群は、有意に血清中の還元型アルブミンの減少が抑制され、プロポリスによる運動後疲労の軽減効果が報告されている。[30]
  • 抗炎症作用について、Moura SAらによる研究報告が、「Evid Based Complement Alternat Med」に掲載されている。炎症の生じたマウスにプロポリスを投与した群では、炎症の低減が認められ、抗炎症効果が報告されている。[31]
  • 抗腫瘍に対する作用について、Sheller Sらによる研究報告が、1999年、「ミツバチ科学」20号 P75-84 に掲載されている。エールリッヒ担癌マウスにプロポリス抽出液を投与した結果、生存率の増加が認められ、抗腫瘍効果が報告されている。[32]
  • 抗アレルギー作用について、鳥取大学、竹内らによる研究報告が、2009年、「応用薬理」76巻3/4号P71-77に、2008年、「応用薬理」75巻5/6号 P103-108に掲載されている。
    • ヒト臨床試験(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)にて、花粉飛散前からのプロポリス摂取により、花粉症の軽減や花粉症薬剤の利用頻度を減らせることが報告されている。[33], [34]
    • また、そのメカニズムについて、谷らによる研究報告が、2010年「Bioorg Med Chem」18巻1号 P151-157に掲載されている。アレルギー患者由来の免疫細胞を用いた研究が行われ、ブラジル産プロポリス抽出液やその主成分であるアルテピリン C が、ロイコトリエン類やヒスタミン、サイトカインの分泌を抑制することが報告されている。[35]
  • 血糖降下作用について、Fuliang HUらによる研究報告が掲載されている。ラットにプロポリス抽出液を投与した結果、血中のブドウ糖やコレステロールの低下が認められ、血糖や糖代謝、脂質を調節することが報告されている。[36]
  • 血圧低下作用について、三島らによる研究報告がBPB 28(10):1909-14, (2005)に掲載されている。高血圧モデルラットにプロポリス抽出液を投与した結果、血圧の低下が認められたと報告されている。[37]
  • 糖尿病前段階であるインスリン抵抗性の改善について、座間味らによる研究報告が掲載されている。インスリン抵抗性モデルラットや2型糖尿病自然発症モデルラットに、ブラジル産プロポリスを長期経口投与した結果、血清中のインスリン値がプロポリスの投与量に応じて低下し、インスリン抵抗性の進行を予防する作用を持つ可能性が報告されている。[38], [39]
  • 脂質代謝作用について、市らによる研究報告が掲載されている。高脂肪餌を与えたラットにプロポリスを投与すると脂肪重量の減少が認められ、プロポリスの脂質代謝作用や脂質吸収阻害作用が報告されている。[40]
  • 風邪症状の軽減作用について、大熊らによる研究報告が、2010年、「応用薬理」79巻3/4号 P43-P48に掲載されている。日本人63名を対象としたプラセボ対象二重盲検試験の結果、プロポリス投与群で風邪の治癒が早く、倦怠感の軽減効果が認められたと報告されている。[41]
  • オーバートレーニング症候群の予防についての研究報告が、2009年、『食品と科学』12月号に掲載されている。持久的競技種目を行う運動部女子学生20名を対象としたランダム化二重盲検試験を行った結果、オーバートレーニング症候群の予防に有効であると報告されている。[42]

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 日本では、健康食品として商業的に宣伝が行われているが、このブームには二つの事情が関わっている。ひとつはブラジルでセイヨウミツバチの亜種のひとつであるアフリカミツバチが研究施設から逃亡して野生化した(アフリカナイズドミツバチと呼ばれる)のみならず、飼育群とも交雑してアフリカミツバチの遺伝的な行動様式がブラジルの飼育ミツバチ群に浸透してしまったことである。そのため、ブラジルの多くの飼育ミツバチは蜜の収集量が低下したが、植物の樹脂を多量に集める性質を身につけることとなった。もうひとつは、ブラジルの森林の伐採後の土地にユーカリが多く植栽されたことである。これによって、精油分を多く含む樹脂を分泌する植物が、大量に供給されることとなった。これによって、ブラジルで、蜂蜜よりもプロポリスを主たる産物として採取することが多くなり、ここで商品化されたものが日本にも販売されるようになったのである。1985年10月、第30回国際養蜂会議において中島自然科学研究所がブラジル産プロポリスを日本に紹介し金賞を受賞。同年日本市場に製品が流れた。

出典

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  7. ^ 熊澤茂則ら,FFI JOURNAL, 209(2), 132-139 (2004)
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  9. ^ 川島2007、67-68頁。
  10. ^ 川島2007、69-70頁。
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  12. ^ 佐々木1994、116-117頁。
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参考文献

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  • 佐々木正己『養蜂の科学』サイエンスハウ〈昆虫利用科学シリーズ5〉、1994年。ISBN 4915572668 
  • 角田公次『ミツバチ 飼育・生産の実際と蜜源植物』農山漁村文化協会〈新特産シリーズ〉、1997年。ISBN 4540961160 

外部リンク