敵味方識別装置

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敵味方識別装置(てきみかたしきべつそうち、: identification friend or foe、略称:IFF)とは、電波などを用いて、敵の機材・部隊であるか味方の機材・部隊であるかを識別する装置。

概要[編集]

敵味方識別装置は、電波を発射して対象に返信を要求する装置である。電波を発射して既定の返信があれば友軍、既定の返信がなければ敵軍であると判別し、レーダースクリーンなどに敵と味方を識別して表示する。航空機や艦船に搭載される。

歴史[編集]

第二次世界大戦中はレーダーの発達により、航空機は目視可能な距離よりもはるかに遠距離で存在を確認できるようになった。機体の国籍マークを視認する敵味方の識別は迎撃が間に合わず、視認距離外すなわち敵の有効射程外から攻撃する利点が損なわれる。そのため航空機に自動応答する二次レーダートランスポンダ)を搭載し、電波による質問波と航空機からの応答波で敵味方を識別した。

CIP[編集]

1991年湾岸戦争アメリカ軍の地上部隊は、装備する暗視装置中東の砂漠の砂塵で十分に機能せずに同士討ちが発生した[1]ことを省みて、戦闘識別パネル(英: Combat Identification Panel, CIP)と称する装備を導入した。

輻射熱を低下させるテープを貼付したパネルを羽板状に組み、車体の上面や側面などに装備すると、サーモグラフィーの画像で周囲よりも相対的に低温となり暗い領域として表示されるため、敵味方の明確な識別を容易にしている。

2003年イラク戦争で初めて実戦に用いられ、ほぼすべてのイラク多国籍軍の車両で後部や砲塔の側面に装備され、高機動多用途装輪車両などは運転席と助手席のドアを加工して装備した。

登場作品[編集]

小説[編集]

神林長平によるSF小説。自機と同じ外観の機体が接近してくるがIFF要求に応答が無く、敵と判断して撃墜する描写がある。敵の接近を許した事で自らも損傷を負う。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ The M1 Abrams: The Army tank that could not be stopped - the 13th paragraph”. NBC NEWS. 2014年2月5日閲覧。