再婚禁止期間

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再婚禁止期間(さいこんきんしきかん)とは、日本における民法733条の規定により、女性)が前婚の解消または取消しの日から再婚することができない100日間のことを指す。待婚期間とも呼ばれる。これは父性推定の混乱を防ぐ目的による。

条文[編集]

(再婚禁止期間)733条

  1. 女は、前婚の解消または取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
  2. 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
    1. 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
    2. 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

例外[編集]

  • 前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合(民法733条2項)[1]
  • 前夫の懐胎している時は、出産の日以降(民法733条2項)。
  • 再婚相手が前婚の解消または取消し相手の場合。
  • 失踪宣告を受けた場合。
  • 夫の生死が三年以上不明のために、裁判離婚した場合。
  • 前婚解消後、女性が優生保護法(現:母体保護法)に基づく優生手術(不妊手術)を受けて、医師の証明書を提出した場合。

論評[編集]

規定は女性だけに再婚禁止期間があり、男性にはない。そのため女性差別男女平等権を定めた日本国憲法に違反しているとする批判がされることもある。

民法が施行された1898年明治31年)では、女性の再婚禁止期間は前婚の解消(離婚届提出)または取消しの日から6ヶ月間であり、最高裁は長らく合憲としていた。

しかし、2015年平成27年)12月16日に、最高裁大法廷は6ヶ月の女性再婚禁止期間につき、100日を超える部分について過剰な制約であり、無効であると違憲判決を初めて下した。さらに、弁護士出身の山浦善樹判事と鬼丸かおる判事は、制度自体を違憲とする反対意見を示した[2]。判決を受け、2016年に民法が改正された。

100日とする規定は、民法第772条第2項に「婚姻の成立の日から二百日を経過した後(中略)に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」という規定があり、同条文で規定されている離婚後300日問題と重複しないという期間とされたためである。

世界では、女性の再婚禁止期間を廃止する国家もある[3]

脚注[編集]

  1. ^ 2016年の改正民法ができる前の1933年には「現在において受胎した事実がない」という医師の診断書を添付して離婚後6ヶ月以内の女性が婚姻届を提出した事例では、その婚姻届は受理されなかった先例があった。
  2. ^ 「国の損害賠償を認めた最高裁元判事 山浦 善樹さん」しんぶん赤旗2016年12月18日
  3. ^ AERA2007年4月2日

関連項目[編集]