山邊時雄

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山邊時雄(やまべ ときお、1936年9月生まれ)は、日本化学者京都大学名誉教授長崎総合科学大学学長、特命教授。工学博士。京都府出身。日本三景の一つ「天橋立」の麓で生まれる。

リチウムイオン二次電池リチウムイオンキャパシタの負極材料の理論設計により、その実現に貢献した。恩師は、フロンティア軌道理論によりノーベル化学賞を受賞した福井謙一先生。[1][2][3]

受賞歴・主な業績[編集]

  • 1997年 第49回(平成8年度) 日本化学賞「π共役系の電子物性に関する研究」

それまでの経験化学から、理論化学に基づいた新材料開発への転換に広く貢献した。

合成金属の分子設計、電子材料開発における量子化学的手法の有用性の確立と、特にその手法を応用してポリアセン系材料(PAS、難黒鉛化炭素材料)を負極に用いたリチウムイオン二次電池の開発に関する基礎的研究を世界に先駆けて行った業績、新炭素クラスターの電子物性に関する理論的実験的研究に対して、日本化学賞を受賞している。

リチウムイオン二次電池は、軽量で高容量、繰返し充電でき、それまでの電池は使い捨てという固定観念を変えたが、負極に用いられた炭素(ポリアセン系材料)の素材が軽くて金属(リチウムイオン)を吸蔵できるようになったからであり、矢田静邦(鐘紡(株)〜カネボウKRI)と 共に、その作製方法や安定的に動作させる技術を確立し高く評価されている。[4][5][6][7][8]

主要著書[編集]

  • 『合成金属(編)』(1980年、科学同人、白川英樹先生と共著)
  • 『ノーベル賞科学者福井謙一: 化学と私(編)』(1982年、科学同人)

出典[編集]

  1. ^ 基礎科学の創造性と役割「機関誌デジマ」NPO産業技術推進機構長崎 64号 p.4(2014年)
  2. ^ 随想「基礎科学の創造性と役割」
  3. ^ 古川安「燃料化学から量子化学へ―福井謙一と京都学派のもう一つの展開―」化学史学会編集『化学史研究』第41巻第4号(2014/12)pp.181〜233
  4. ^ 化学と工業、第50巻、第3号(1997)、p.257
  5. ^ P. Novák, K. Müller, K. S. V. Santhanam, O. Haas, “Electrochemically Active Polymers for Rechargeable Batteries,”Chem. Rev., 97, 217-272(1997).
  6. ^ 「リチウムイオン二次電池研究開発の源流を語る〜負極材料の開発史を中心に」月刊化学 vol.70 no.12(2015)、p.40-46
  7. ^ リチウムイオン電池・キャパシタの実践評価技術、矢田静邦、技術情報協会、2006
  8. ^ 続・リチウムイオン電池・キャパシタの実践評価技術、矢田静邦、技術情報協会、2009