家意識

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家意識(いえいしき)は家族のとらえ方において家制度の下において確立された家とその構成諸要素を中心に置く観念である。

具体的には総体としての家とその構成要素である先祖家系家名家格家業家憲家風などを尊重し、家長及びその後継者である長男もしくは養子を重んじて他の構成員とのの違いを明確化する。更に家系を継承する家長と長男もしくは養子は同居すること、地域・職域における本家と分家の結合を保全して同族集団の維持を図ることなどが挙げられる。

1947年における民法の大規模改正によって家制度は解体されたものの、家意識は地方部・高齢者を中心に強く温存され、内閣審議室などの政府機関の調査(1956年「家族制度に関する世論調査」など)でも家制度の支持や法的復活を求める意見が示されることがあった[1]。しかし、高度経済成長期の急激な都市化・核家族化はこうした意識を急激に希薄化させていくことになった。

しかしながら、民法改正後60余年を経た21世紀初頭に於いても民間での「家意識」あるいは旧法による家制度若しくはそれに準ずる制度が存続しているとの誤解(または家制度を当然視する社会通念)は廃れることはなく継続しており、「入籍(実際には婚姻による新戸籍)」、「婿養子(妻の両親の養子になっていない限り単に結婚に際してを選択)」、「本家の跡継ぎ」、「長男(だから遺産・家業を単独で相続・承継して当然)」、「長男の(だから義親介護が当然)」などの言葉がラジオテレビなどの人生相談番組法律相談番組などで頻出する状況である。また、一部の政党では家制度の法的復活を綱領に挙げる党もある。

家父長制度、父権制あるいはそれに準じる意識がDVの原因となっているとの研究や指摘がある[2][3][4][5]。現在の日本においても、選択的夫婦別姓制度を認めない現在の民法下では、夫の姓を名乗っている夫婦が多く、いわば妻が夫に従う形になるため、夫の中にはあたかも妻が自分の所有物であるかのような潜在意識を有する者がおり、妻に暴力を振るう傾向を持つことを否定できず、現在の制度は、DVの原因にもなっている、といった議論もある[6]

脚注[編集]

  1. ^ 1956年の「家族制度に関する世論調査」では、家制度に対する支持が郡部で4割、60歳以上で5割を占めた。
  2. ^ R.E. Dobash and R.P. Dobash, "Violence and Social Change, Routledge & Kegan Paul, 1992.
  3. ^ K. Yllo and M. Bograd, "Feminist Perspectives on Wife Abuse, Sage", 1988.
  4. ^ 「ドメスティック・バイオレンス(DV)の加害者に関する研究」、研究部報告24、法務総合研究所研究部。
  5. ^ 松島京、「親密な関係性における暴力性とジェンダー」、立命館産業社会論集、36(4)、2001年。
  6. ^ 「少子化の障害は取り除け、夫婦別姓問題」、BLOGOS、2015年12月4日

参考文献[編集]

  • 小山隆「家意識」(『社会科学大事典 1』(鹿島研究所出版会、1968年) ISBN 978-4-306-09152-8