土気からし菜

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土気からし菜(とけからしな)は、千葉県千葉市緑区(旧・土気町)の伝統野菜[1]

概要[編集]

千葉県千葉市の土気地区の土気城址周辺で300年以上前栽培されている在来品種である[1][2]

2014年11月には千葉市が商標権者として登録商標が行われ(商標登録第5721935号)、マスコットキャラクター「とけからちゃん」が制定された[2]

2017年2月には「土気からし菜レディース」(土気からし菜出荷組合)が結成され、増産と文化伝承活動を行っている[1][2]

2021年3月31日、味の箱船英語版に登録され、同年7月1日に登録証が千葉市に授与された[2]。千葉県からの登録は初の事例となる[3]

2023年時点では、系統保存の観点から種子の販売は行われていない[2]。また、土気地区以外で生産されたものは「土気からし菜」という名を冠することができない[4]

栽培と利用[編集]

カラシナは、千葉県全域で古くから栽培されていたと考えられているが、年貢等として納める作物ではなく、畑の連作障害を回避する緑肥用の作物として栽培されていた[2][4]

10月中旬に種を播いて、2月上旬から3月中旬に新芽を収穫し漬物にする。その後、5月末から6月畑に頃に種子を収穫し、畑に緑肥としてすき込んでいた[2]

辛さから害虫の忌避効果が高いとされている[2]

下総台地は温暖な気候と言えるが、土気地区は標高が高いこともあり、寒暖差は比較的に激しい。この風土が独特の辛味、風味を醸し出している[2]

上述のように栽培農家で漬物を作るのに利用されるのが定番だが、房総太巻き寿司の具材にも使用される[2]。種子はオリエンタルマスタードとして和からしの材料として利用される[2]

千葉市と千代田漬物株式会社(千葉市)との官民連携により、「とけからちゃんの漬物」が製品化されている[2]

出典[編集]

  1. ^ a b c 3/6放送 「伝統野菜!土気からし菜」 千葉市”. 千葉の贈り物〜まごころ配達人〜. フジテレビ (2022年3月6日). 2023年11月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 土気の伝統野菜「からし菜」のブランド化事業”. 千葉市 (2023年3月28日). 2023年11月29日閲覧。
  3. ^ 県内初!伝統野菜「土気からし菜」が“食の世界遺産”「味の箱船」に登録されました!』(PDF)(プレスリリース)千葉市、2021年6月28日https://www.city.chiba.jp/somu/shichokoshitsu/hisho/hodo/documents/210628-6.pdf2023年12月8日閲覧 
  4. ^ a b 土気からし菜”. 日本スローフード協会 (2021年5月17日). 2023年11月29日閲覧。