名無しの権兵衛

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名無しの権兵衛(ななしのごんべえ)は、「名前が分からない人」や「名前が明らかにされていない人」を指して使われる俗語、仮名。

由来[編集]

「名無しの権兵衛」という言葉の由来には、複数の説がある。

深川説
江戸時代深川門前仲町歓楽街であったが、幕府公認ではなかったがゆえに、正式には遊女を雇い入れることができなかった。そこで、遊女に男性の名前を騙らせることで、幕府の目を逃れていた。その男性風の名前を権兵衛名と呼んだ。しかし、雇い入れられたばかりの女にはまだ権兵衛名がついていないことも多かった。その女を名無しの権兵衛と呼んだことが由来である、という説。
日枝神社説
東京都赤坂にある日枝神社にまつわる手鞠歌の中に、名主の権兵衛と歌う箇所があり、それが伝わるうちに名無しの権兵衛になった、という説[1]

ジョン・ドウ、ジェーン・ドウ [編集]

英語で「名無しの権兵衛」に相当するのは、ジョン・ドウ(John Doe)またはジェーン・ドウ(Jane Doe)である。ドウ に架空の姓の意味があり、ジョンはありふれた男性の名前で、女性の場合はジェーンとなる。

  • 訴訟において仮名として用いられることもある。同例としてリチャード・ロウ (Richard Roe) がある。
  • 身元不明の死体の俗称にも用いられる。キングズベリー・ランの屠殺者事件では、複数の身元不明の死体に対して番号を付け、ジョン・ドウ6、ジェーン・ドウ4などとした。
  • 複数を表す場合はそれぞれジョン・ドウズ (John Does)、ジェーン・ドウズ (Jane Does)となる。

張三李四[編集]

中国語で「張三李四」というと、「とある人」と同じ意味になる。「」はいずれも中国でもっとも一般的な姓であり、「三・四」は排行である。

俗な表現であるが、歴史は意外に古く、北宋の『景徳伝灯録』にしばしば現れる。王安石「擬寒山拾得二十首」其八および其十四にも見える。

各国における同様な表現[編集]

世界各国における同様の匿名表現は英語版の List of terms related to an average person にまとめられている。

脚注[編集]

  1. ^ エンサイクロネット『「言葉のルーツ」おもしろ雑学』PHP研究所〈PHP文庫〉、2001年、211ページ。

関連項目[編集]