原子放射線の影響に関する国連科学委員会

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原子放射線の影響に関する国連科学委員会
概要 電離放射線による被曝の程度と影響を評価・報告する
略称 UNSCEAR
代表 Malcolm CRICK (2005-)
状況 活動中
決議 第10回国際連合総会
活動開始 1955年
本部 オーストリアの旗 オーストリア ウィーン
公式サイト http://www.unscear.org/
母体組織 国際連合環境計画
国際連合の旗 Portal:国際連合
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原子放射線の影響に関する国連科学委員会: United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation: UNSCEAR)は、電離放射線による被曝の程度と影響を評価・報告するために国連によって設置された委員会である[1]。略称はアンスケア(UNSCEAR)。

概略[編集]

1950年代初頭の冷戦下、核兵器の開発競争のために核実験が頻繁に行われだし、放射性降下物などによる被曝の懸念から核爆発の即時停止を求める提案をかわす意図もあって、第10回国際連合総会にて電離放射線の程度と影響の情報の収集と評価するための委員会を設置する提案がなされ、1955年の12月3日に満場一致で承認された[2]

UNSCEARの事務局はウィーンにある。不定期に刊行される報告書「Sources and Effects of Ionizing Radiation」は、国際放射線防護委員会 (ICRP) の基礎資料としても用いられている。国際放射線防護委員会(ICRP)[3][4]は政治、経済など社会的情勢を考慮し総括的な勧告を出しているが為に批判もある。IAEAの協力センターである放射線医学総合研究所によれば、UNSCEARはICRPに対して、純粋に科学的所見から調査報告書をまとめる事を意図して作られた組織であり、その独立性と科学的客観性からUNSCEARの報告書への評価は高い[5]と主張している。一方、欧州の市民団体ECRRは、IAEA、ICRP、UNSCEAR間で人員が重複している事を指摘している[6]

なおICRPの刊行物と違い、UNSCEARの報告書はWebにて無料公開されている。

UNSCEAR 2008レポートの内容[編集]

UNSCEARは2011年7月までに20の報告書を発表した。最新は2010年度の要約であり、詳細は2008年にVol.IとVol.II及び5部の科学添付資料が出版された。以下に2008年度の報告書の内訳を示す。

UNSCEAR 2008 REPORT Vol.I[7] 総括と二つの科学添付資料

  • 総括[8] (科学資料を除く 24ページ) 科学添付資料の要約を含む。
  • 科学添付資料
  • Annex A[9] - 「医療被曝」 (202ページ)
  • Annex B[10] - 「環境被曝、職業被曝」 (245ページ)
表 "Public.xls" (A1 - A14), "Worker.xls" (A15 - A31)

UNSCEAR 2008 REPORT Vol.II」三つの科学添付資料

  • Annex C[11] - 「事故による被曝」 (49ページ}
  • Annex D[12] - 「チェルノブイリ事故による被曝」 (179ページ)
  • Annex E[13] - 「人類以外の生物相への影響」 (97ページ)

UNSCEAR 2010レポート[編集]

UNSCEAR 2010 Report: "Summary of low-dose radiation effects on health".[14]

UNSCEAR 最新レポート[編集]

"Biological mechanisms of radiation actions at low doses. A white paper to guide the Scientific Committee's future programme of work" .[15]

被曝の分類[編集]

国連科学委員会 (UNSCEAR) では放射線の種類やその用途、一般大衆と職業上などの切り口で細かく被曝の種類を分類して集計し、分析結果を報告している[16]

UNSCEARによる被曝の分類
公衆の被曝
自然放射線によるもの 普遍的な被曝 宇宙線
地上の放射線、主にラドンによるもの
人間活動の結果、
増幅されたもの
金属の採鉱と精錬に起因するもの
リン鉱石の精錬によるもの
石炭の採掘とその燃焼の廃棄物フライアッシュによるもの
石油天然ガスの掘削によるもの
レアアース二酸化チタン産業によるもの
ジルコニウムセラミック産業によるもの
ラジウムトリウムの利用によるもの
その他の被曝
人工起源の放射線 平和利用 原子力発電によるもの
核燃料などの運送によるもの
原子力以外での放射性物質の使用によるもの(主に医療被曝)
軍事利用 核実験によるもの
環境中の残留放射性降下物によるもの
 : 経年履歴
 : 原子力事故によるもの
職業被曝
自然放射線によるもの 飛行機のパイロット客室乗務員宇宙飛行士などの被曝
採鉱・精錬加工等の鉱業従事者の被曝
石油天然ガスの採掘従事者の被曝
鉱山以外の就労環境中のラドンによる被曝
人工起源の放射線 平和利用 原子力発電従事者
放射線医学従事者
放射性物質の工業利用
その他の利用
軍事利用 その他の業務上の被曝
出典原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)2008閲覧2011-7-4
この表の表示や編集

脚注[編集]

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  1. ^ UNSCEAR. “About Us”. 2011年5月27日閲覧。
  2. ^ UNSCEAR. “Milestones of UNSCEAR”. 2011年5月27日閲覧。
  3. ^ 市川定夫 『環境学のすすめ 21世紀を生きぬくために〈上〉 (SAVE OUR PLANET SERIES)』 藤原書店1994年、208頁。ISBN 4894340046
  4. ^ Civilization and Ethics, “Voices Education Project”, Voices Education Project, (12/18/2010 ), http://www.voiceseducation.org/category/tag/civilization-and-ethics 2011年7月1日閲覧, ""We are constantly being told about a 'permissible amount of radiation.' Who permitted it? Who has any right to permit it?"" 
  5. ^ 放射線医学総合研究所UNSCEAR2008年報告書、閲覧2011-7-22
  6. ^ ECRR(欧州放射線リスク委員会)2010年勧告 43p
  7. ^ 国連科学委員会UNSCEAR-2008 閲覧 2011-7-4
  8. ^ UNSCEAR 「総括」 (PDF) 閲覧2011-7-18
  9. ^ UNSCEAR 「Annex A」 (PDF) 閲覧2011-7-18
  10. ^ UNSCEAR 「Annex B」 (PDF) 閲覧2011-7-18
  11. ^ UNSCEAR 「Annex C」 (PDF) 閲覧2011-7-18
  12. ^ UNSCEAR 「Annex D」 (PDF) 閲覧2011-7-18
  13. ^ UNSCEAR 「Annex E」 (PDF) 閲覧2011-7-18
  14. ^ http://www.unscear.org/docs/reports/2010/UNSCEAR_2010_Report_M.pdf
  15. ^ http://www.unscear.org/docs/reports/Biological_mechanisms_WP_12-57831.pdf
  16. ^ 国連科学委員会UNSCEAR 2008 Annex B閲覧2011-7-4

関連項目[編集]