半熟卵

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ユーコン・ゴールドハッシュ英語版の上に載っている半熟卵

半熟卵半熟玉子(はんじゅくたまご)は、鶏卵アヒルの卵などを加熱した料理のうち、固ゆでのゆで卵のような完全な凝固を避け、やわらかい状態を保ったものを指す[1]

調理法[編集]

一般には、卵白部分は凝固状態、卵黄部分は半凝固状態にゆでたり煮たりしたものをさす[2]。調理方法としては殻付のままゆでるものと、卵の殻を割って中身を出した状態で調理するものの2種類がある[要出典]

殻付の半熟卵の調理工程は、固ゆでのゆで卵とほぼ共通するが、黄身を固まらせないためにゆで時間を短くしなければならない。一例として[独自研究?]、一般的なM~Lサイズの鶏卵であれば、80℃程度の湯に鶏卵を入れて沸騰させ、7分ほど茹でたあとさらに火を止めて30秒ほど置き、その後冷水に2~3分つけておくと半熟卵になる。茹でた後冷水に入れるのは、黄身に熱が過剰に加えられることを防ぐことと、卵殻膜と卵白の間に水滴を凝結させることで双方の固着を防ぎ、殻をむき易くするためである。半熟の状態で味付けしたものは、半熟煮卵と呼ばれることもある。

中身を出した状態で調理するものは、黄身を固めない状態に仕上げた目玉焼きがその代表例として挙げられる[要出典]。また、日清食品チキンラーメンに生卵を落とし湯を入れると、条件がそれば完成時に白身が固まって、いわゆる半熟の状態になる[3]。これらは、卵白より卵黄のほうが凝固にかかる時間が長いという性質を利用したものである。

類似する料理[編集]

一般的な半熟卵とは逆に、卵黄よりも卵白が柔らかい状態になるように加熱した卵は「温泉卵」と称される[2]。半熟卵では卵の内部への熱伝導の時間差を考慮し卵白が時間的に先に加熱される現象を利用して、卵黄が完全に凝固状態になる前に加熱停止しているのに対して、温泉卵では熱凝固を起こす温度が卵黄のほうが低いことを利用して、卵黄が熱凝固する温度と卵白が熱凝固する温度の中間温度でゆっくり加熱する。ただし半熟卵と温泉卵の区別はしばしば曖昧であり、例えば吉野家で「半熟卵」の名称で販売されている商品は、卵黄よりむしろ卵白の方がやわらかく[4]、温泉卵に近い。

熱湯で直接、卵の生の中身を加熱する料理は、「落とし卵」や「ポーチドエッグ」と呼ばれる。

利用[編集]

この半熟卵は、殻をむいた後縦に半分に割って、ラーメンやサラダなどにつけあわせることが多い。とりわけラーメンについては、葛西のラーメン店が料亭で供されるような半熟卵を採用して以降、これを模する店が増え、2000年頃には人気ラーメン店の大多数が半熟卵を供するようになったという[5]

エッグスタンドに立てて専用の卵割り機で上の尖った部分に丸いヒビをいれ、そこにナイフを入れて黄身が見えるようにすることがある。この場合は主に黄身の部分を食べる。イギリスではトーストした食パンを細く切ったものに半熟卵の黄身を浸けて食べる。

調理には卵の一般的性質の理解とある程度の技術が必要であり、学校教育における家庭科の授業で採用されたり[6]伝熱工学の見地から研究されたりすることもある[2]。調理時間や加熱温度に関して優れた調理法には特許が取得されることもある[7]

脚注[編集]

  1. ^ はんじゅくたまご」gooデジタル大辞泉。2015年10月18日閲覧。
  2. ^ a b c 相原利雄「「プロメテウスの贈りもの」こぼれ話 (2)」、日本伝熱学会雑誌、44巻188号、46-55頁。2005年。
  3. ^ 鮫肌文殊「チキンラーメン、キレイな卵のCMどおりにつくるのは無理?日清食品さんに聞いてみた」ビジネスジャーナル2013年12月8日配信。2015年10月18日閲覧。
  4. ^ キユーピー開発の加熱殺菌済み「半熟卵」、意外なヒット[リンク切れ]」asahi.com。弘前大学農学生命科学部 畜産学研究室ホームページの2003年9月13日の引用記事を2015年10月18日閲覧。
  5. ^ 河田剛「半熟玉子の百年」日経BPビジネスイノベーター2003年7月22日配信。2015年10月18日閲覧。
  6. ^ 富士栄登美子「小学校家庭科の授業とその授業法 (1) : 卵を教材にして」、琉球大学教育学部紀要、第一部・第二部、51巻、185-183頁。1997年。
  7. ^ 藤井敦「特許情報を専門用語辞典として活用するシステム (PDF, 924KB) 」Japio YEAR BOOK 2008 寄稿集、日本特許情報機構、2008年。2015年10月18日閲覧。

関連項目[編集]