住谷春也

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

住谷 春也(すみや はるや、1931年2月5日- )は、日本ルーマニア文学者、ミルチャ・エリアーデ作品の紹介者。

人物・来歴[編集]

群馬県生まれ。大叔父に内村鑑三が盟友とする個人雑誌『聖化』刊行者住谷天来、伯父に経済学史研究家で元同志社総長住谷悦治をもつ。旧制松本高校ドイツ語科在学中に 原口統三『二十歳のエチュード』に感銘を受けフランス語を学ぶ。1953年東京大学文学部フランス文学科卒。出版社(学研など)のかたわら、直野敦東大名誉教授に師事しルーマニア文学研究を志し、1986年から1990年までルーマニア在住、ブカレスト大学文学部博士課程修了。1989年、反チャウシェスク民衆蜂起をバリケードの内側から見て手記を<Romania literara>1989最終第52号に発表。帰国後ルーマニア文学の翻訳公刊に専念する。1985年のレブリャーヌ『大地への祈り』で日本翻訳家協会文学部門最優秀賞を受賞。2004年、ルーマニア文化功労コマンドール勲章受章。2007年、ナサウド市(ルーマニア)名誉市民。[1]

翻訳[編集]

  • 『東欧民話集 ルーマニアの民話』直野敦共訳編 恒文社 1978
  • リビウ・レブリャーヌ『大地への祈り』恒文社 1985
  • ミルチャ・エリアーデ『ホーニヒベルガー博士の秘密』直野敦共訳 福武文庫 1990
  • イオン・ミハイ・パチェパ『赤い王朝 チャウシェスク独裁政権の内幕』恒文社 1993
  • エリアーデ『19本の薔薇』作品社 1993
  • エリアーデ『令嬢クリスティナ』作品社 1995
  • エリアーデ『妖精たちの夜』作品社 1996
  • リビウ・レブリャーヌ『処刑の森』恒文社 1997
  • ザハリア・スタンク『ジプシーの幌馬車』恒文社 1997
  • エリアーデ『マイトレイ』作品社 1999/河出書房新社世界文学全集〉2009
  • 『エリアーデ幻想小説全集』全3巻 直野敦共訳 作品社 2003-2005
  • 『私たちの間に 時間 アデラ・ポペスク詩集』未知谷 2003
  • 『バラーダ ルーマニア口承物語詩』シルヴィウ・バイアシュ挿絵 未知谷 2008
  • 『迷宮の試煉 エリアーデ自身を語る』聞き手クロード=アンリ・ロケ 作品社 2009 
  • ミルチャ・カルタレスク『ぼくらが女性を愛する理由』 松籟社 2015
  • ギョルゲ・ササルマン『方形の円』東京創元社、2019、創元SF文庫、2023
  • パウル・ゴマ『ジュスタ』松籟社、2020
  • カルタレスク『ノスタルジア』作品社、2021

※以下はアンソロジーから

  • バルブ「日曜日の昼食」/ポペスク「沙漠の下の海」、『世界短編名作集・東欧編』新日本出版社 1979。
  • ロゴズ「時空への脱走」/アラーマ「アイクサよ永遠なれ」、『東欧SF傑作集』東京創元社 1980
  • ロゴズ「確率神の祭壇」、『異邦からの眺め』早川書房 1981
  • ミハエスク『夢』-『東欧怪談集』沼野充義編、河出文庫 1995、新版2020
  • オナ「私と犬」、ブルンチェアヌ「女性成功者」、『時間は誰も待ってくれない』東京創元社 2012

※以下は雑誌での訳出

  • ササルマン「アルジャーノンの脱走」<SFマガジン>1982・2月号。
  • コーリン「蛙」<SFマガジン>1982・11月号
  • ウルムズ「奇妙なページ」<幻想文学>2003・第67号
  • カルタレスク「建築士」<SFファンジン>2012・8月号。同人誌

出典・脚注[編集]

  1. ^ 広報文化 住谷春也氏がナサウド市名誉市民に選ばれました”. 在ルーマニア日本国大使館. 2014年1月23日閲覧。

外部リンク[編集]