代理人交渉制度

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代理人交渉制度(だいりにんこうしょうせいど)とはプロスポーツの契約において選手の代理人が交渉する制度[1]

制度の歴史[編集]

MLBでは1970年代に代理人交渉制度が盛り込まれて定着したが、ベーブ・ルースはこれより前に例外的に代理人を雇い、煩雑な事務を逃れていた[2]

日本プロ野球では1992年ヤクルトスワローズ古田敦也契約更改交渉において初めて代理人による交渉を希望したが、「球団と選手の信頼関係が揺らぎかねない」として球団側が認めていなかった。なお野球協約では選手契約時に「球団職員と選手とが対面して契約しなければならない」と選手出席の契約を義務付けており、参稼報酬調停では参稼報酬調停委員会が選手本人から聴取することを義務付けている。しかし、契約更改では選手出席の契約義務に関する明文規定はなく、また選手契約や参稼報酬調停委員会において選手以外の代理人を同席させることを禁止する明文規定はない。

1999年8月の労使交渉で弁護士有資格者に限るという条件付きで、代理人の同席を認める答申が出されて、代理人交渉制度が運用されるようになった。2001年に契約更改交渉の大半を弁護士単独で行っていた日本ハムファイターズ下柳剛について[3]、日本弁護士連合会は2001年1月26日に参稼報酬調停で代理人の出席を認めないのは選手に対する権利侵害であるとともに弁護士業務に対する重要な侵害である旨見解を発表した[3]。最終的に参稼報酬調停における代理人の出席が認められた[4]読売ジャイアンツ渡邉恒雄オーナー(当時)は12球団の中で最後まで認めていなかったが、渡邉が2004年に辞任して以降は一転し、巨人も代理人交渉制度を容認した。

現在の日本プロ野球における代理人交渉の条件は以下の通り。

  1. 代理人は日本弁護士連合会所属の日本人弁護士に限定
  2. 一人の代理人が複数の選手と契約することの禁止
  3. 選手契約交渉で初回の交渉には選手が同席を必要とするが、二回目以降の交渉について球団と選手が双方合意すれば、代理人単独交渉も可能

プロサッカーでは国際サッカー連盟(FIFA)による公認代理人が存在し、FIFA公認代理人以外を認めない国及びリーグも存在するが、2011年よりFIFA公認代理人を廃止する方向で検討されている[5]。日本プロサッカーのJリーグでは「Jリーグ規約」にて、代理業務を行えるのは弁護士、またはFIFA公認代理人に限ると定められている。

脚注[編集]

  1. ^ プロ野球の代理人交渉制度とは?しんぶん赤旗 2001年1月4日
  2. ^ 佐山和夫. 野球の英語A to Z:佐山和夫が語るアメリカ野球用語. 三修社. p. 1-2. ISBN 978-4384051773. 
  3. ^ a b 2001年1月27日の朝日新聞朝刊19面
  4. ^ 2001年2月3日の朝日新聞朝刊16面
  5. ^ ◆サッカー代理人 FIFA公認代理人の廃止 サッカーキング

関連書籍[編集]

  • 古田敦也「古田ののびのびID野球」(学習研究社)
  • 「知恵蔵2007」(朝日新聞出版)

関連項目[編集]