井上雪子 (女優)

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いのうえ ゆきこ
井上 雪子
井上 雪子
1933年
本名 宮本 雪子(みやもと ゆきこ)
別名義 鐘 一子(かね かずこ)
生年月日 (1915-06-05) 1915年6月5日
没年月日 (2012-11-19) 2012年11月19日(97歳没)
出生地 日本の旗 日本 兵庫県神戸市北長狭通5丁目(現在の同県同市中央区
職業 女優
ジャンル 歌劇劇映画時代劇現代劇サイレント映画トーキー
活動期間 1930年 - 1936年
2003年 - 2005年
配偶者 斎藤達雄(離別)
主な作品
美人哀愁
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井上 雪子(いのうえ ゆきこ、1915年6月5日 - 2012年11月19日)は、日本女優である[1]。本名は宮本 雪子(みやもと ゆきこ)。大阪松竹楽劇部(現在のOSK日本歌劇団)時代の芸名は鐘 一子(かね かずこ[2][1]

来歴・人物[編集]

1915年(大正4年)6月5日兵庫県神戸市中央区北長狭通に生まれる[1]。父親はオランダ人である[1]

1927年(昭和2年)、神戸市立下山手小学校を卒業し、カナディアン・スクールに入学[1]1929年(昭和4年)4月、大阪松竹楽劇部(現在のOSK日本歌劇団)に入り、鐘一子という芸名で舞台に立つ[1]1930年(昭和5年)11月鈴木傳明にスカウトされて松竹蒲田撮影所に入社する[1]1931年(昭和6年)、小津安二郎監督映画『美人哀愁』で主演に抜擢され、翌1932年(昭和7年)公開の『春は御婦人から』にも出演するが、いずれもフィルムが現存しない[3]。その他、斎藤寅次郎監督の喜劇映画などに出演した[4]。ところが、1934年(昭和9年)公開の成瀬巳喜男監督映画『限りなき舗道』に出演したのち、松竹を退社[1][5]1936年(昭和11年)公開の豊田四郎監督映画『東京-大阪特ダネ往来』に秋田伸一の相手役で特別出演していた[1][5]。ところが、井上は「今後は絶対に映画出演はしません」と突然声明し、芸能界を引退した[1]。引退後に俳優の斎藤達雄と結婚したが離婚した。

1995年(平成7年)に発行された『日本映画人名事典 女優篇 上巻』(キネマ旬報社)では、以後の消息は不明としていたが、2003年(平成15年)、小津安二郎生誕100年記念シンポジウム「OZU 2003」に登壇する[6]2004年(平成16年)、第5回東京フィルメックスにて上映された塩田明彦監督映画『カナリア』で実に68年ぶりの映画出演を果たし、話題になった[7]

2012年(平成24年)11月19日老衰のため死去した[8]。満97歳没[8]

出演作品[編集]

『春はご婦人から』(1932年)。左は城多二郎
  • 『限りなき鋪道』(1934年)。右は山内光(岡田桑三)
    燃ゆる花びら(1931年)
  • 美人哀愁(1931年)
  • 愛よ人類と共にあれ(1931年)
  • マダムと女房(1931年)
  • 何が彼女を裸にしたか(1931年)
  • 青春図会(1931年)
  • 令嬢と与太者(1932年)
  • 春は御婦人から(1932年)
  • 三十二年型恋愛武士道(1932年)
  • 満州行進曲(1932年)
  • 白夜は明くる(1932年)
  • 女性の切札(1932年)
  • 南蛮なでしこ(1933年)
  • 港の日本娘(1933年)
  • 与太者と海水浴(1933年)
  • 玄関番とお嬢さん(1934年)
  • 東洋の母(1934年)
  • 大学の若旦那・武勇伝(1934年)
  • 限りなき鋪道(1934年)
  • 東京-大阪特ダネ往来(1936年)
  • カナリア(2004年)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 千葉伸夫『日本映画人名事典・女優篇 上巻』キネマ旬報社、1995年、225-226頁。 
  2. ^ 東京人都市出版、2005年4月号、124頁。
  3. ^ 蓮實重彦「井上雪子さんを悼む」『映画時評 2012-2014』講談社、2015年、227-228頁。 
  4. ^ 蓮實重彦「井上雪子氏インタヴュー」『監督 小津安二郎』ちくま学芸文庫、1992年、313-330頁。 
  5. ^ a b キャスト”. 『カナリア』公式サイト. オフィス・シロウズ. 2015年12月2日閲覧。
  6. ^ 『国際シンポジウム 小津安二郎 生誕100年記念「OZU 2003」の記録』朝日選書、2004年。 
  7. ^ オープニング・セレモニー、「カナリア」舞台挨拶”. 東京フィルメックス (2004年11月20日). 2015年12月2日閲覧。
  8. ^ a b 映画俳優の井上雪子さん死去 小津作品に出演”. 朝日新聞. 2015年12月2日閲覧。

外部リンク[編集]