五虎退

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五虎退(ごこたい)は、鎌倉時代刀工粟田口吉光作の日本刀短刀)。名称は「短刀 銘吉光(号 五虎退)」。重要美術品[1]

概要[編集]

長さ25.1cm[1]、ないし25.2cm[2]。鞘は33.6cm[1]。刀の表面が平らで青みがかかっており、護摩箸を示す線が二本、峰の近くに彫られている[1]。茎に吉光の二字銘を切る[2]。反りはない[1]。藤四郎吉光は短刀の名手として名高い[2]

伝来[編集]

永禄2年(1559年)4月に上洛した上杉謙信が、5月1日に参内した際に正親町天皇より拝領した[1]。号の由来は能阿弥の『能阿弥本銘尽』にある[3]足利義満の派遣した遣明使の使節団の一人が中国で虎の群に襲われたが、所持していたこの短刀で追い払ったという逸話によるものとされる[2]

文献上では上杉家刀剣台帳乾第51号、および御重代三十五腰にて記載が確認できる[1]

養父の謙信と同じく愛刀家であった上杉景勝が選んだ「上杉景勝御手選三十五腰」の一つでもある[注釈 1]

上杉家では謙信・景勝の伝来品の多くを上杉神社に奉納し、自家に所蔵する宝物の多くを第二次世界大戦後に手放したが、五虎退は上杉家に残る。2017年現在は米沢市上杉博物館に寄託されている[1]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 米沢市上杉博物館の学芸員である角屋の論文によると「御手選三十五腰」の特定は不可能であることが記されている[4]。五虎退吉光の名前が記されている資料は昭和初期に記された「上杉家刀剣記録」である[4]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 渡邉 2017、109頁。
  2. ^ a b c d 米沢市上杉博物館 『上杉伯爵家の明治: 特別展』 米沢市上杉博物館、2008年4月、51頁。 NCID BA88207878 
  3. ^ かみゆ歴史編集部 『物語で読む日本の刀剣150』 イースト・プレス〈イースト新書Q Q002〉、2015年5月31日、160-161頁。ISBN 978-4-7816-8002-6NCID BB18681317 
  4. ^ a b 角屋由美子 「米沢藩上杉家とその文化財」、『定本 上杉名宝集』 (郷土出版社)181頁、1996年7月2日。ISBN 4876633355NCID BN15479143 

参考文献 [編集]

  • 上杉博物館; 佐野美術館; 埼玉県立歴史と民俗の博物館 『上杉家の名刀と三十五腰』 佐野美術館、埼玉県立歴史と民俗の博物館、米沢市上杉博物館、2017年9月23日。ISBN 978-4-915857-95-9 
    • 渡邉妙子 『短刀 銘 吉光 (五虎退) 黒塗小サ刀拵』、2017年9月23日、109頁。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]