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于武陵

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于武陵(う ぶりょう、810年 - ?)は、中国の詩人。杜曲(陝西省西安市の南郊)の出身。名は鄴(ぎょう)。武陵はであるが、通常は字で呼ばれていた。

宣宗大中年間(835年頃)に進士となったが、官界の生活に望みを絶ち、書物と琴とを携えて天下を放浪し、時には易者となったこともある。洞庭湖付近の風物を愛し、定住したいと希望したが果たせず、嵩山(すうざん)の南に隠棲した。

今、『于武陵集』一巻が残っている。

作品に、『勧酒(かんしゅ)』(五言絶句)がある。井伏鱒二の訳詩集『厄除け詩集』に収録された訳詩が有名である。

勧酒
勧君金屈巵 君に勧める 金屈巵(きんくっし)
満酌不須辞 満酌(まんしゃく) 辞するを須(もち)いず
花発多風雨 花発(ひら)けば風雨多く
人生足別離 人生 別離足(おお)し

出典

「唐詩選」(註解:前野直彬 版:岩波書店)