リップルアイランド
ジャンル | アドベンチャーゲーム |
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対応機種 |
[FC]ファミリーコンピュータ (i)iアプリ |
開発元 |
[FC]東海エンジニアリング (i)スペースアウト |
発売元 | サンソフト |
人数 | 1人 |
メディア |
[FC]128KBロムカセット (i)データ配信 |
発売日 |
[FC]1988年1月23日 (i)2003年10月31日 |
対象年齢 | CERO規制開始前の作品につきレーティング無し |
リップルアイランドは、東海エンジニアリングが制作、サンソフト(サン電子)が販売した、ファミリーコンピュータ用のアドベンチャーゲームである。
概要
ファミコン時代、いっきやアトランチスの謎など、一癖も二癖もあるソフトをリリースしてきたサンソフトが1988年にリリースした、サンソフトにしては珍しい「ほのぼの系」のソフトである。2002年発売の『メモリアル☆シリーズ サンソフト Vol.4』(プレイステーション)に「超惑星戦記 メタファイト」と共に収録された。2003年からはグラフィックを改良したiアプリ版が配信されている。
発売当初はドラゴンクエストIII発売の直前(わずか18日前)ということもあり、あまり話題にはならなかった。しかし、単純ながらもほのぼのとした絵柄・ストーリーや、ヒロインである「キャル」をはじめとしたキャラクターの人気は高かった。
開発当初のタイトルは『皇帝の闇』。元々はファミコンディスクシステム用ソフトとして企画された。
ゲーム内容はアイコン選択式アドベンチャーゲームである。「みる(目だけの顔マーク)」「とる(手のマーク)」「はいる(靴のマーク)」「たたく(下向きの矢印)」「おす(上向きの矢印)」等のコマンドを選んだあとカーソルが現れ、対象となる目標物を直接指示できるのが特徴である。
見かけはほのぼのとしているが、何のヒントもなしに森の中をさまよって茂みの中の木の実を見つけなければいけないなど、見かけに反して難易度はかなり高い。
なお、エンディングは4種類あり、そのうちの1つはゲロゲールを倒す前に迎えることとなる。ゲロゲールを倒した後、これまでの冒険内容と主人公の選択肢によって3つのうち1つが決まる。なお、「真のエンディング」のみスタッフロールが流れる。
ストーリー
この世界のどこかに、人間と動物が共存する小さな島「リップルアイランド」があった。しかし、ある日闇の皇帝「ゲロゲール」が現れ、島の平和を乱しはじめた。そしてリップルアイランド王のドテーラ王の一人娘、ナサレル姫をも捕らえてしまった。王は「ゲロゲールを倒したものには褒美と姫との婚約を約束する」というお触れを出した。それを見た若者「カイル」は、一攫千金を夢見て旅に出かけるのだった。
キャラクター
本編中では語られていないが、主人公たちは人間ではなく、小動物と同等サイズの小人である事が、当時サン電子がユーザー向けに発行していた冊子『サンクラブ』で明かされている。また主人公たちは動物と普通に話をすることが出来る。
- カイル
- 本作の主人公。プレイヤーの分身でもある。王のお触れを見て一攫千金を夢見て旅に出る。
- キャル
- 青い髪のショートヘアの少女。ゲロゲールに家を破壊され一人たたずんでいたところにカイルが現れ、彼と共にゲロゲール退治の旅に出る。
- 彼女はその容姿とストーリー中での振る舞いから、いわゆるレトロゲームのヒロインの中でも人気が高く、現在でも彼女をメインに取り扱うインターネットサイトが多数存在する。
- ドテーラ王
- リップルアイランドの王。どてらのような服を着ている。
- ナサレル姫
- ドテーラ王の娘。ゲロゲールにさらわれた上にカエルにされてしまう。
- ゲロゲール
- 自称「闇の皇帝」。その姿は巨大なカエルである。
エリア
注意:ネタバレとならないよう配慮したつもりですが、この先の項目を見ることでクリアしたときの達成感が減少する可能性があります。ご了承ください。
このゲームではエリアで進行が区切られている。エリア毎の条件をクリアすると次のエリアへと進み、以前のエリアに戻る事は出来ない。また、選択次第では、真のエンディングへの到達条件を満たさぬままに強制的に次エリアに移行してしまう場合がある。
- エリア1
- ドテーラ王の居城の周辺。カイルはここから旅立つ。途中にはオコジョが通せんぼしているため、まずはこのオコジョを動けなくする方法を考えなければいけない。動物たちと話して、オコジョをどうにかするためのヒントをもらおう。近くのリトナ村には「フルーツで治る病」を煩った姉と、それを看病する妹が住んでいる。リトナ村の先には草原があり、あることをすると壊された家の上でたたずむキャルを見つけることが出来る。
- エリア2
- 非常に迷いやすい森。最初に会うリスのクレルに話を聞き、神器の在処を知っているものしりじいさんの居場所を知っている動物を探そう。ただし、すぐに教えてくれるとは限らない。機嫌を取るために好物を探してあげよう。好物は木の上になっていたり、茂みの中に隠れているかもしれない。もしかしたら最初に会うリスのクレルも持っているかもしれない。
- 森の西の洞窟にはキツネの夫婦が住んでいる。その洞窟には草笛になりそうな草が生えている。
- ものしりじいさんはとあるものを探しているが、本物は危なくて取ることが出来ない。仕方ないのでほかのものをどうにかしてあるものに偽装して渡してしまおう。茂みの中にあるものが役立つかもしれない。そして彼の言ったとおり、あることであることをすると神器が手に入る。神器をつけていれば、他の動物にもゲロゲール退治の決意が伝わるかもしれない。
- エリア3
- 大雪原。なお、ここでのプレイヤーの行動がエンディングにまで響くことになる。
- 目印になりそうなススキが生えていたり、眠ったまま全然動かないアザラシがいたり、頭上に落っこちそうなくらい雪が積もった木がある。子供とはぐれてしまったウサギの母親もいる。
- 雪原の西側にはとても広い雪景色が広がっており、なにか目印がないと迷ってしまう。東側には雪の積もった山々が連なっており、大声を出すとクレパスも埋まるほどの雪崩になってしまうかもしれない。
- エリア4
- ゲロゲールによって破壊された村。住人が一人だけ残っている。村の中から何か役に立ちそうなものを拾っておこう。東には怪しげな井戸があり、その先にはトリがいるが、触ろうとすると逃げてしまう。西側は海岸になっており、岩(?)がたくさんある。しかし、海岸からゲロゲール城には行けない。村の中をくまなく探し、道具をいろんなところで使ってみよう。
- エリア5
- ゲロゲールの居城。壁が壊れてしまったり、いきなり酒蔵があったりとかなり変な構造をしている。
- ここではいろんなものを道具にして使ってみると良いだろう。息詰まったら道具を使ったり、気になるものを触ってみること。ゴミは綺麗にしよう。
- 中には槍をくれる酔っぱらいのタヌキがいたり、からだの一部以外への攻撃は全く聞かないアルマジロなどがいる。下手に衛兵の前に近づくと、牢屋の中に入れられてしまうこともある。
漫画版
わんぱっくコミック誌上において、キャラクターデザイナーの1人、もりけんによりコミカライズが行われている。カイル達はもりけんの作風にあわせ大幅にデフォルメされており、ゲーム版とはひと味違った「リップルアイランド」の世界を楽しめる。
連載時は全4話で、ゲームのストーリーの途中で終わっている。
単行本では2話が追加され、真のエンディングまでの物語が語られている。全一巻。『マドゥーラの翼』も併録されている。こちらもFC版ゲームソフトと同様にプレミアが付いており、オークション等では数千円の値が付くことも珍しくない。