ラストタンゴ・イン・アカプルコ

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ラストタンゴ・イン・アカプルコ
The Last Tango in Acapulco
監督 カルロス・トバリナ
脚本 カルロス・トバリナ
製作 カルロス・トバリナ
出演者 ベッキー・シャープ
ビル・ケーブル
音楽 ラファエル・キャリオン
撮影 シネマスターズ・オブ・ハリウッド
公開 アメリカ合衆国の旗 1973年6月13日
日本の旗 1974年6月26日
上映時間 120分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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ラストタンゴ・イン・アカプルコ』(The Last Tango in Acapulco)は、1973年に公開されたアメリカ合衆国ハードコアポルノ映画。主演女優はベッキー・シャープ (Becky Sharpe)。タイトルはベルナルド・ベルトルッチ監督の1972年イタリア映画『ラストタンゴ・イン・パリ (Ultimo tango a Parigi - (Last Tango in Paris)) 』のパロディであるが、内容に類似は見られない。ポルノ映画としては120分の長尺であり、それなりに練られたストーリーを持っている。最終的には男女間の愛に性行為は不可欠か否かというテーマが語られる、逆説的なポルノと言える。

あらすじ[編集]

シャープ演じるロサンゼルス在住の若い女性スージーは、内縁の妻に逃げられ悶々とする実父のジョーに処女を奪われてしまう。その後もスージーは繰り返し父親と性交渉を持つ。元々(父親としてとはいえ、)ジョーに好意を持っていたスージーは、その都度オーガズムに達し、女として開花していく。そして遂にスージーはジョーの子を身ごもる。女性カウンセラーは中絶を望むスージーに対し、未婚の母に対する福祉の充実を説明し産むことを進めるが、お腹の子の父親が彼女の実父であるという、スージーの涙ながらの訴えを聞き、直ちに中絶の手配をとる。

ジョーはアルコール依存症のために職を失う。生計を立てるためスージーは成り行きから売春に手を染める。若く美しいスージーは売れっ子となり、自分自身の「商品価値」を自覚していく。ある客からメキシコアカプルコでの密会を持ちかけられ、了承したスージーはアカプルコに向かう。機内でスージーはハンサムな闘牛士ミゲールに出会った。ミゲールのアカプルコの別荘に招待され、二人は愛し合う。スージーは父親以外との行為で初めてオーガズムに達する。彼女を誘った「客」から、妻がお目付け役として同行したため、スージーと会えなくなった旨の連絡が入り、スージーとミゲールは心置きなく愛し合った。

そんな時ロサンゼルスの警察より、父親のジョーが殺害されたと連絡が入った。不安を感じながらもミゲールに戻ることを約束し、父親の葬儀のためスージーは一旦帰国した。しかし、父親に宛てた手紙からスージーの売春行為が当局に発覚しており、彼女は逮捕され2ヶ月間服役することとなった。出所してアカプルコに戻った彼女を待っていたのは、残酷な事実だった。ミゲールは闘牛の競技中に事故に遭い、男性器を損傷して不能になってしまったという。ミゲールは、もはや彼がスージーを性的に満足させることが出来ないので、スージーに帰国して別の幸せを見つけて欲しいと説得した。

スージーは途方にくれた。彼女はミゲールを愛しており、一緒に暮らしたいと思っていた。また彼の子を妊娠してもいた。相談を受けたミゲールの親友は、やはりミゲールのプライドも考え、一旦離れた方が良いとアドバイスした。そして、いつか時間が解決してくれる可能性も示唆した。心を残しながらスージーは生まれた我が子をミゲールに託し帰国した。帰国後、彼女は売春婦を続けた。常に相手がミゲールだと思って「本気で」性行為に臨んだため、彼女は凄腕の売春婦となっていった。

多額の財産を得たスージーの元に、ミゲールから戻ってきて欲しいという連絡が入る。最早あらゆるセックスを体験し尽したと思っていたスージーは、セックス抜きでもミゲールと暮らしていけるという自信を得ていた。スージーは愛する人と6歳になっている息子の待つアカプルコへと旅立った。

外部リンク[編集]