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ユカン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ユカン
(クロンキスト体系)
ユカン
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 core eudicots
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ上群 superrosids
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : rosid I / Fabidae
: キントラノオ目 Malpighiales
: コミカンソウ科 Phyllanthaceae
: コミカンソウ属 Phyllanthus
: ユカン P. emblica
学名
Phyllanthus emblica L.
和名
ユカン、アンマロク、マラッカノキ、アムラ、アマラキ
英名
Indian gooseberry、myrobalan

ユカン(油甘、学名Phyllanthus emblica[1]は、コミカンソウ科(旧トウダイグサ科コミカンソウ属落葉高木マラッカノキアンマロク[2](庵摩勒:サンスクリット名 amalaka から)、アムラ[3]ともいう。インドから東南アジアにかけての原産で熱帯・亜熱帯に栽培され、果実が食用となる。

英語では myrobalanミロバラン)と呼ぶが、これは本種のほかシクンシ科モモタマナ属Terminalia)のカリロク(参照: ミロバランノキ T. chebula)やバラ科スモモ属ミロバランスモモ(別名: cherry plum; 学名: Prunus cerasifera)のように分類学的にまるで異なる複数の種を指し得る[1]

特徴

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落葉性の小高木あるいは中高木である[4]

は長楕円形で長さ2.5センチメートル、2縦列が密に互生するが早落性の枝に着生し、一見すると羽状複葉に見える[4]

は小枝の腋部から帯黄色の雌雄小花が混生する[4]

果実は球状で臘質、径1.5-3センチメートル、縦方向に浅く6条が走り、黄緑色から帯赤色、大理石のような果肉を有する[4]。核は6稜で、種子は6個である[4]

利用

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果実はインドで古くから食用・薬用に利用されている。繊維質で酸味とタンニンによる渋味があり、そのままあるいは料理の材料として食用にされるが、南インドでは特に漬物とすることが多い。ビタミンCを豊富に含む[3]アーユルヴェーダにて使用されるハーブの一つ。

また、ユカンの根やタイワンニンジンボクVitex negundo)の根の抽出物はラッセルクサリヘビタイコブラNaja kaouthia)の毒を著しく中和するという研究も存在する[5]

日本では果実の抽出物を配合したヘアケア製品やフェイスジェル、石鹸などが販売されている[6]

諸言語における呼称

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東アジア

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台湾:

中華人民共和国:

南アジア

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インド:

スリランカ:

バングラデシュなど:

  • ベンガル語: আমলকী/amloki/ アムロキ)、আমলক/amlɔk/ アムロク)、আমলাতিআমলাতী(以上2つとも /amlati/ アムラティ);〔果実〕আমলা/amla/ アムラ[10][11]

東南アジア

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インドネシア:

タイ:

ミャンマー:

脚注

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  1. ^ a b 小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版 編集委員会 編「myrobalan」『小学館ランダムハウス英和大辞典』(第2版)小学館、1994年。ASIN 4095101016ISBN 4-09-510101-6NCID BN09918103OCLC 883195594全国書誌番号:94015254 
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2018年11月22日).
  3. ^ a b アムラとは (日本アムラ協会). 2019年6月2日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 熱帯植物研究会 (1996).
  5. ^ Alam & Gomes (2003).
  6. ^ アヴェール(公式)/ 女性専用ヘアケアシャンプー・ヘアカラー通販サイト. 2019年6月3日閲覧。「アンマロク果実エキス」や「アンマロク果実」と表記されている。
  7. ^ a b कुमार & सिंघल (n.d.)
  8. ^ Haughton, Graves C. (1833). A Dictionary, Bengálí and Sanskrit, Explained in English, and Adapted for Students of Either Language. London: J. L. Cox & Son. pp. 6, 194, 355, 690, 1337. https://archive.org/details/dictionarybengal1687haug/page/n219/mode/2up (英語)
  9. ^ சீநிவாசன், கு. (1987). சங்க இலக்கியத் தாவரங்கள். தஞ்சாவூர்: தமிழ்ப் பல்கலைக் கழகம். p. 629 (タミル語)
  10. ^ দাস, জ্ঞানেন্দ্রমোহন (1916). বাঙ্গলা ভাষার অভিধান. ইণ্ডিয়ান প্রেস & ইণ্ডিয়ান্ পাব্‌লিশিং হাউস্. pp. 186-7 (ベンガル語)
  11. ^ দাস, জ্ঞানেন্দ্রমোহন (1937). “আমলক, আমলকী; আমলা; আমলাতি, আমলাতী”. বাঙ্গলা ভাষার অভিধান (2nd ed.). কলিকাতা: দি ইণ্ডিয়ান্ পাব্‌লিশিং হাউস. p. 238 (ベンガル語)
  12. ^ 大野 (2000:174).

参考文献

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英語:

英語・ヒンディー語:

日本語:

  • 大野, 徹『ビルマ(ミャンマー)語辞典』大学書林、2000年、174頁。ISBN 4-475-00145-5 
  • 熱帯植物研究会 編『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年、220頁。ISBN 4-924395-03-X