モミジバヒメオドリコソウ
| モミジバヒメオドリコソウ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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1. 花をつけた株(ドイツ、4月) | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Lamium hybridum Vill. (1786)[1][2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| モミジバヒメオドリコソウ[1](紅葉姫踊子草[3]、キレハヒメオドリコソウ[1](切葉姫踊子草[3]) | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| cut-leaved deadnettle[2][4] |
モミジバヒメオドリコソウ(紅葉姫踊子草、学名: Lamium hybridum)は、シソ科オドリコソウ属に分類される越年草の1種である。キレハヒメオドリコソウともよばれる。葉縁には不規則な鋸歯があり、ときに大きく切れ込む。花期は基本的に春であり、花は上部の葉腋に数個ずつつき、淡紅紫色、長さ1.1–1.5センチメートルほどの唇形花(図1)。果実は分離果で分果はエライオソームをもつ。ヨーロッパ原産であるが、北アメリカやオセアニア、東アジアにも帰化している。ヒメオドリコソウと Lamium bifidum の種間交雑に由来すると考えられている。ヨーロッパ原産であるが、北アメリカや東アジア、ニュージーランドにも帰化しており、日本でも北海道から九州で見つかっている。
特徴
[編集]一年草であり、基本的には越年草(冬型一年草)であるが、夏型一年草となることもある[5][6][7][8][9]。茎は基部で分枝して立ち上がり、草丈は10–30センチメートル (cm) になる[4][5][10][6][7][8](図1)。根茎を欠く[5]。茎の断面は四角形、わずかに毛がある[8]。茎や葉を折ると悪臭がする[8]。精油成分としては、ゲルマクレンD、サリチル酸メチル、β-カリオフィレン、オシメン、α-ピネン、β-ピネン、サビネン、リナロール、α-フムレンなどを含む[11]
葉は対生し、上部では葉がつまってつくが、ヒメオドリコソウに比べるとややまばらである[5][6][10](図1, 2)。下部の葉は長い葉柄をもつが(最大4 cm)、上部の葉では葉柄は短い[5][6][7][8][12](上図1)。葉身は長さ1.5–4 cm程度の広卵形で基部は心形、葉面はややちりめん状、まばらに毛があり、葉縁には鋸歯があり、さらに不規則に中裂から深裂する[5][10][6][8][12](上図1, 2)。花時には、根生葉は枯れる[6]。
花期は基本的に春(日本では2–4月)であるが[10]、地域によっては夏から秋にも開花する[9]。上部の葉腋に花が数個ずつつく[6][7][8](上図1, 2)。萼は長さ8–10ミリメートル (mm)、中央付近まで深く5裂し、裂片はほぼ同形で細長く、縁には毛がある[7][8][12]。花冠は淡紅紫色の唇形花冠で長さは11–15 mm、外面に毛が密生し、基部は細い管状、上部では大きく膨らみ、上唇と下唇に分かれている[6][8][12](上図1, 2b)。上唇は直立し、かぶと状[7](上図1, 2b)。下唇は3裂し、側裂片は幅広く短く突起があり、中央裂片は大きくさらに2裂し、各裂片には濃紅色の斑紋がある[5][7][8](上図2b)。雄蕊は4個、上唇中へ伸びており、下側の2個の方が長い[5][8](上図3a)。花粉は橙赤色[7]。雌蕊は1個、柱頭は2裂する[5]。自家受粉も行う[8]。
果実は4個の分果からなる分離果であり、やや開出した萼で囲まれている[5][8]。分果は長さ約2.5 mm、左右と腹面中央に稜がある3稜形であり、褐色で白色の斑紋があり、基部にはエライオソームが付随している[5][7][8][12]。染色体数は 2n = 36[4][5][13]。
分布
[編集]自生地は北アフリカ西部(モロッコ、アルジェリアなど)、ヨーロッパ(スペイン、イタリア、フランス、ドイツ、ポーランド、ロシア西部など)とされる[2]。北米、フォークランド諸島、東アジア、ニュージーランドに帰化している[2]。日本では1992年に横浜市から初めて報告され、21世紀には北海道、本州、九州から見つかっている[5][6][14]。路傍や畑地、草原などに生育する[10][6][8]。
分類
[編集]モミジバヒメオドリコソウは、ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)を片親とする雑種由来と考えられ、もう片親はホトケノザ(Lamium amplexicaule)が想定されたこともあった[10][15][16]。しかし分子系統解析から、本種はヒメオドリコソウと Lamium bifidum(北アフリカ西部から南欧に分布[17])の交雑に由来することが示されてる[13]。オドリコソウ属の染色体数は基本的に 2n = 18 であるが、モミジバヒメオドリコソウは 2n = 36 であることから、本種は異質倍数性(異種由来の染色体をもつ倍数性)の4倍体であると考えられている[13]。
親種であるヒメオドリコソウはモミジバヒメオドリコソウに酷似するが、葉に毛が多く、鋸歯は規則的で不規則な切れ込みはなく、葉が比較的密につき、上部の葉が紅紫色を帯びることが多い点で異なる[5][10][6][8]。また、花がやや小型で長さ1 cmほどである[6]。
ホトケノザ(Lamium amplexicaule)も類似するが、葉が扇状円形で先端はとがらないこと、花が長さ2 cm程度で大きく、萼に毛が密生すること、果時でも萼が開出しないことなどでモミジバヒメオドリコソウとは区別できる[5][10]。
脚注
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lamium hybridum Vill. モミジバヒメオドリコソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2026年4月25日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 “Lamium hybridum”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2026年4月25日閲覧。
- 1 2 “モミジバヒメオドリコソウ”. EVERGREEN. 2026年4月29日閲覧。
- 1 2 3 WFO (2026年). “Lamium hybridum Vill.”. World Flora Online. 2026年4月26日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 米倉浩司 (2017). “オドリコソウ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 5. 平凡社. pp. 125–127. ISBN 978-4582535310
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 清水矩宏・森田引彦・廣田伸七 (2001). “モミジバヒメオドリコソウ”. 日本帰化植物写真図鑑. 全国農村教育協会. p. 268. ISBN 978-4881370858
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Mennema, J. (1989). A taxonomic revision of Lamium (Lamiaceae) (Vol. 11). E. J. BRILL. pp. 117–131. ISBN 9789004628113
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 “Cut-leaved Dead-nettle”. NatureGate. 2026年4月29日閲覧。
- 1 2 “Cut-leaved Dead-nettle”. Plant Atlas 2020. 2026年4月29日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 岩槻秀明 (2006). “モミジバヒメオドリコソウ”. 街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本. 秀和システム. pp. 52–54. ISBN 978-4798014852
- ↑ Flamini, G., Cioni, P. L. & Morelli, I. (2005). “Composition of the essential oils and in vivo emission of volatiles of four Lamium species from Italy: L. purpureum, L. hybridum, L. bifidum and L. amplexicaule”. Food Chemistry 91 (1): 63-68. doi:10.1016/j.foodchem.2004.05.047.
- 1 2 3 4 5 “Lamium purpureum var. hybridum (Vill.) Vill.”. Flora of New Zealand. Landcare Research. 2026年5月2日閲覧。
- 1 2 3 Bendiksby, M., Brysting, A. K., Thorbek, L., Gussarova, G. & Ryding, O. (2011). “Molecular phylogeny and taxonomy of the genus Lamium L.(Lamiaceae): Disentangling origins of presumed allotetraploids”. Taxon 60 (4): 986-1000. doi:10.1002/tax.604004.
- ↑ “モミジバヒメオドリコソウ”. 北海道ブルーリスト 北海道外来種データベース. 北海道. 2026年4月26日閲覧。
- ↑ “モミジバヒメオドリコソウ”. 三河の植物観察. 2026年4月25日閲覧。
- ↑ Taylor, R. J. (1991). “The origin of Lamium hybridum, a case study in the search for the parents of hybrid species”. Northwest Science 65 (3): 116-124.
- ↑ “Lamium bifidum”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2026年4月29日閲覧。
外部リンク
[編集]- “モミジバヒメオドリコソウ”. 三河の植物観察. 2026年4月25日閲覧。
- “モミジバヒメオドリコソウ(紅葉葉姫踊子草)”. 松江の花図鑑. 2026年4月25日閲覧。
- “Cut-leaved Dead-nettle”. NatureGate. 2026年4月29日閲覧。(英語)