ミッション: 8ミニッツ

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ミッション: 8ミニッツ
Source Code
監督 ダンカン・ジョーンズ
脚本 ベン・リプリー
製作 マーク・ゴードン
フィリップ・ルースロ
ジョーダン・ウィン
製作総指揮 ホーク・コッチ
ジェブ・ブロディ
ファブリス・ジャンフェルミ
出演者 ジェイク・ジレンホール
ミシェル・モナハン
ヴェラ・ファーミガ
ジェフリー・ライト
音楽 クリス・ベーコン
撮影 ドン・バージェス
編集 ポール・ハーシュ
製作会社 ヴァンドーム・ピクチャーズ
スタジオカナル
マーク・ゴードン・カンパニー
配給 アメリカ合衆国の旗 サミット・エンターテインメント
日本の旗 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2011年4月1日
日本の旗 2011年10月28日
上映時間 93分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
フランスの旗 フランス
言語 英語
製作費 $32,000,000[1]
興行収入 $147,332,697[1]
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ミッション: 8ミニッツ』(原題: Source Code)は、2011年アメリカ合衆国SFテクノスリラー映画。疑似タイムループを題材とする。『月に囚われた男』に次ぐダンカン・ジョーンズ監督第2作。2011年3月11日、サウス・バイ・サウスウェストで初上映され、3月31日以降各国で一般公開された[2]

あらすじ[編集]

陸軍パイロットのスティーブンス大尉が目を覚ますとAM7:40、シカゴ行き通勤列車の中である。しかし周りの光景にも、目の前で自分に親しく話しかけてくる女性(クリスティーナ)にも見覚えがない。鏡に映った自分の顔も別人であり、所持していた運転免許証から教員ショーン・フェントレスであると判明する。そして8分後、列車は大爆発を起こして乗客は全員死亡する。

爆発後、スティーブンスが暗い操縦席で目を覚ますと、モニター画面に映る女性(グッドウィン空軍大尉)に話しかけられる。ラトレッジ博士が開発した"包囲された城"と呼ばれる実験的なプログラム装置を用いて、スティーブンスの意識と脳の神経回路などが適合するショーンが列車爆発で死亡する直前8分間の時間線を同期させ、脳内で体験しているのだと知らされる。6時間後に次の爆破テロがシカゴのダウンタウンで実行される前に、列車爆破の犯人を見つけなければならないと説明を受ける[3]

スティーブンスは混乱しながらも渋々列車の中に戻って爆弾犯を見つけようとする。列車を降りてクリスティーナと一緒に逃げようとする。あるいは、列車に仕掛けられた爆弾を解除しようとするが失敗する。何度か8分間の体験を繰り返すうちに少しずつ状況を把握していき、自分が2か月前アフガニスタンで出動中に重傷を負って身体の大部分を失い、生命維持装置にかかって神経センサーに繋がれている事実も知る。操縦席も自身の肢体も、脳が創り出した幻想にすぎない。

スティーブンスは自身を安楽死させてくれるようラトレッジ博士に頼み、爆弾犯を見つける任務の完遂を条件に許可される。スティーブンスは再三8分間を繰り返したのち、ついに財布を列車に残して途中の駅で降り自分の死を偽装しようとした爆弾犯フロストを追い詰めるが、フロストはショーンとクリスティーナを射殺し、爆弾を積んだ白いライトバンで走り去った所でその8分間が終了する。スティーブンスは記憶したナンバープレートと方角を報告し、これによって現実世界ではフロストが逮捕され、シカゴのダウンタウンでの爆破テロを防ぐことに成功する。

だがラトレッジ博士は安楽死させるという約束を破り、次の重要任務でもスティーブンスを利用するため彼の記憶を抹消するようグッドウィンに指示する。スティーブンスはグッドウィンに改めて安楽死と、その前に並行世界の中だけでも列車の乗客を救うため、もう一度8分間を体験させてくれるよう懇願する。スティーブンスは再び列車の中に戻り、最後の8分間がスタートする。爆弾の起爆装置を解除し、フロストを拘束して通報し、疎遠になっていた父親と戦友のふりをして通話し、グッドウィン宛に電子メールを送り、乗客を笑顔にさせ、クリスティーナに告白する。全てを終えてクリスティーナとキスをした丁度その時8分が経過し、グッドウィンはスティーブンスの生命維持装置を停止。現実世界でのスティーブンスは死亡する。

しかし、列車でのスティーブンス(ショーン)はキスを終えて8分間を過ぎても生き続け、スティーブンスとクリスティーナは列車を降り、二人でシカゴのミレニアム・パークを歩き出す。脳内の世界にすぎないとしていたラトレッジ博士らの認識に反して、この時間線は新たに生まれた現実の並行世界であることが暗示される。

この時間線で存在しているグッドウィン大尉がネリス空軍基地に出勤すると、一通の電子メールが届く。シカゴでの列車爆破未遂事件のニュースが報じられる中、スティーブンスのメールは、自分とグッドウィンの二人が列車爆破を阻止したと伝える。そしてこの時間線で生命維持装置にかけられているであろう自分自身に「きっとうまくいく」と伝えてくれと、スティーブンスは頼んでいる。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
コルター・スティーヴンス ジェイク・ジレンホール 高橋広樹
クリスティーナ・ウォーレン ミシェル・モナハン 宮島依里
コリーン・グッドウィン ヴェラ・ファーミガ 藤本喜久子
ラトリッジ博士 ジェフリー・ライト 中村秀利
デレク・フロスト マイケル・アーデン 土田大
ハズミ キャス・アンヴァー 佐藤祐四
マックス・デノフ ラッセル・ピーターズ 青山穣
ドナルド(コルターの父) スコット・バクラ<声> 石住昭彦

製作[編集]

脚本[編集]

2003年のテレビドキュメンタリー『The Nuclear Boy Scout』で取り上げられた、デイヴィッド・ハーン英語版という少年が本作の登場人物デレク・フロストの基になっている[4]全米脚本家組合の記事によると、脚本を書いたベン・リプリーが製作会社にオリジナルの脚本を売り込んだことが本作の製作につながったという[5]

月に囚われた男』を観たジェイク・ジレンホールは本作の監督をダンカン・ジョーンズに持ちかけた。ジョーンズは速い展開の脚本を気に入り、後に「あらゆる挑戦や難題があり、パズルを解くようなものだったので、脚本に備えられたこれらの難題をいかにすべて成し遂げるか考えるのは楽しかった」と語った[6]

撮影[編集]

主要な撮影は2010年3月1日にモントリオールで始まり、2010年4月29日に終わった[7]。一部のシーンはミレニアム・パーククラウド・ゲートなどシカゴで撮影された[8]

音楽[編集]

ジョーンズは当初「本作のサウンドトラックをクリント・マンセルが作曲する」と伝えていたが[9]、マンセルはスケジュールの都合により降板し、クリス・ベーコンに代わった[10]

興行成績[編集]

北米では2011年4月1日に2,961の劇場で公開され、深夜興行を含んだ初日の成績を$5,053,494、週末の成績を$14,812,094とし、初登場2位を記録した[1]

批評[編集]

本作は概ね高い評価を得た。Rotten Tomatoesは218個のレビューに基づき、本作の支持率を91%、評価の平均を7.5/10、批評家の総意を「監督のダンカン・ジョーンズと魅力的なジェイク・ジレンホールは、アクションの中に人間的な話を見出し、巧みで満足させるSFスリラーを創り上げている」としている[11]Metacriticは41個のレビューに基づき、74/100という「広く好意的な評価」の加重平均値を示している[12]。批評家たちは1993年の『恋はデジャ・ブ』と比較し[13][14][15]、あるいは「『恋はデジャ・ブ』と『オリエント急行の殺人』の間」と呼んだ[16]。『アリゾナ・リパブリック』のビル・グッディクンツは、『ミッション: 8ミニッツ』と『恋はデジャ・ブ』を比較することは、『ミッション: 8ミニッツ』の心を奪う「心理戦」に対して失礼だと述べている[17]

シカゴ・サンタイムズ』のリチャード・ローパーは「現時点の2011年のベスト」とした[11]ロジャー・イーバートは3.5/4個の星を与え、「混乱に連れて行かれることで不条理を忘れてしまう」「独創的なスリラー」と書いた[18]

脚注・参考文献[編集]

  1. ^ a b c Source Code” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年10月29日閲覧。
  2. ^ Release dates for Source Code (2011)” (英語). インターネット・ムービー・データベース. Amazon.com. 2011年6月29日閲覧。
  3. ^ 8分間のプログラム内でスティーブンスは、それまでに経験した8分間での情報も踏まえながら、ショーンの肉体を用いて自らの意思で行動することができる。また彼の行動により状況や乗客らの言動も逐次変化する。
  4. ^ Woerner, Meredith (2011年4月4日). “Duncan Jones tells us what really happened at the end of Source Code” (英語). io9. Gawker Media. 2011年6月29日閲覧。
  5. ^ Faye, Denis (2011年4月8日). “Practice Makes Perfect” (英語). 全米脚本家組合. 2011年6月29日閲覧。
  6. ^ Powers, Lindsay; Messina, Kim (2011年4月1日). “How Jake Gyllenhaal Wooed Duncan Jones to Direct 'Source Code'” (英語). The Hollywood Reporter. 2011年6月29日閲覧。
  7. ^ Unklerupert (2010年4月29日). “Source Code Filming Completes Today” (英語). Man Made Movies. 2011年6月29日閲覧。
  8. ^ Arroyave, Luis (2011年3月8日). “Where in the Chicago-area was 'Source Code' filmed?” (英語). About Last Night. シカゴ・トリビューン. 2011年6月29日閲覧。
  9. ^ Warmoth, Brian (2010年9月21日). “'Source Code' Bringing Duncan Jones And Clint Mansell Back Together” (英語). MTV Movies Blog. MTVネットワークス. 2011年6月29日閲覧。
  10. ^ Jones, Duncan (2010年12月15日). “Twitter” (英語). 2011年6月29日閲覧。
  11. ^ a b Source Code (2011)” (英語). Rotten Tomatoes. Flixster. 2011年6月29日閲覧。
  12. ^ Source Code” (英語). Metacritic. CBS. 2011年6月29日閲覧。
  13. ^ Rozen, Leah (2011年3月31日). “'Source Code': A 'Groundhog Day' With Scientific Mumbo-Jumbo” (英語). TheWrap.com. 2011年6月29日閲覧。
  14. ^ Gang, Alison (2011年4月1日). “‘Source code’ is a disaster ‘groundhog day’ with twists” (英語). SignOnSanDiego. The San Diego Union-Tribune. 2011年6月29日閲覧。
  15. ^ Travers, Peter (2011年3月31日). “Peter Travers: 'Source Code' is Confusing But Exciting” (英語). ローリング・ストーン. 2011年6月29日閲覧。
  16. ^ Charity, Tom (2011年4月1日). “'Source Code' a smart, original sci-fi thriller” (英語). CNN. 2011年6月29日閲覧。
  17. ^ Goodykoontz, Bill (2011年3月30日). “'Source Code,' 4 stars” (英語). アリゾナ・リパブリック. azcentral.com. 2011年6月29日閲覧。
  18. ^ Ebert, Roger (2011年3月31日). “Source Code” (英語). rogerebert.com. シカゴ・サンタイムズ. 2011年6月29日閲覧。

外部リンク[編集]