月に囚われた男

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月に囚われた男
Moon
Moon.svg
監督 ダンカン・ジョーンズ
脚本 ダンカン・ジョーンズ
ネイサン・パーカー
製作 スチュアート・フェネガン
トルーディ・スタイラー
出演者 サム・ロックウェル
ロビン・チョーク
ケヴィン・スペイシー
ドミニク・マケリゴット
カヤ・スコデラリオ
ベネディクト・ウォン
マット・ベリー
マルコム・スチュワート
音楽 クリント・マンセル
撮影 ゲイリー・ショウ
編集 ニコラス・ガスター
配給 アメリカ合衆国の旗 ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
日本の旗 SPE
公開 アメリカ合衆国の旗 2009年1月23日
(第25回サンダンス映画祭)
アメリカ合衆国の旗 2009年6月12日 (限定)
イギリスの旗 2009年7月17日
日本の旗 2010年4月10日
上映時間 97分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 英語
製作費 $5,000,000[1]
興行収入 $8,985,462[2]
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月に囚われた男』(つきにとらわれたおとこ、: Moon)は、2009年イギリスサイエンスフィクション(SF)スリラー映画。 本作はデヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズの長編映画監督としてのデビュー作であり、1970年代後半から1980年代前半にかけて勢いのあったサイエンスフィクション映画の雰囲気を再現した作品である[3]。 そのため、『サイレント・ランニング』や『エイリアン』及び『アウトランド』等へのオマージュが見られる[4]

ストーリー[編集]

近未来。地球の主要エネルギー資源であるヘリウム3を採掘するルナ産業との3年契約をもうすぐ満了する宇宙飛行士サム・ベルは月の向こう側で暮らしている。それは孤独であり、衛星が破壊されたために故郷とのライブ通信が一層困難になっていた。録画メッセージがサムがやり取りできる全てである。

ありがたい事に、彼が月面で過ごす期間は終わりを告げようとしており、僅か数週間後には妻のテスと3歳の娘イヴと再会することになっている。とうとう、彼は古巣の我が家であったこの孤立した月面基地サランを去り、自律思考を備えているがどちらかと言えば複雑ではない人工知能であるガーティ越しに話していた相手に会えるだろう。

突然、サムの容態は悪化し始める。痛みを伴う頭痛に加えて幻覚や視界のぼけによって、彼はいつものように月面探査車を運転している最中に致命傷に近い事故に起こしてしまう。基地での療養中にサムは自身より若く短気な自分に遭遇する。その彼はサムがほぼ3年前に開始された契約と同じ期間を履行するためにここにいると主張している。

自身の若きクローンと思しき者と2人きりになり、基地を安定生産に戻す途上でこの「サポートクルー」と共に、何が起こっているのか、会社の目的はどこにあるのか、サムは時間と戦いながら探っていく。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹き替え

製作[編集]

ダンカン・ジョーンズはCM製作の経験を生かして、登場人物やセットを最小限に抑え特殊効果を安く仕上げる事で、本作を極力少ない製作予算(500万ドル)で製作し、撮影はロンドンシェパートン・スタジオにて33日間で完了した[3][5][6]CGよりもミニチュアを多く用いている[4]

劇中に登場するローバーやヘリウム3採掘ユニットは『エイリアン』の仕事で知られるビル・ピアソンのアドバイスによって作成された[7]。また、劇中の月面基地サランは奥行27メートル幅21メートルの実寸モデルとなっている。基地を管理するガーティはストーリー進行上の理由からHAL 9000のようなビルトインタイプでもなく、R2-D2のような自走タイプでもない天井吊り下げ式という特異な形になった[3]

監督を務めるダンカン・ジョーンズは予ねてより月に関心を持っており、「嘗て人類が辿り着いた場所でありながら未だに謎めいた場所である月における科学とサイエンスフィクションの狭間を埋めたい」と考えていた。本作のディレクターのダンカン・ジョーンズは以下のように述べている[8]

「インディーズ映画とSF映画はなかなか両立しない。SF映画はしばしば巨額な制作費が必要とされ、インディーズ映画の予算で達成するのが難しいからだ。両者を共存させるのは難解なパズルを解くようなものだったが、濃密な人間関係と魅力ある宇宙空間の両方を描きたかった。そのためには登場人物を少なくして、制作費を最小限にしたかった。我々は、視聴者が夢中になるようなストーリーと、類稀なる俳優、そして数々の見事な特殊効果によって、正真正銘のSF映画を33日という制作期間[3][5][6]と低予算(500万ドル[2])で製作した」

封切り[編集]

世界向けの配給は当初ビデオスルーされることになっていたが、サンダンス映画祭での好評を受けて、劇場公開に急遽変更された [9]

本作の興行はスマッシュヒットとなり、その批評もほぼ全面的に好評である[2][10][11]。また、NASAの科学者からも考察の対象として監督のダンカン・ジョーンズが招聘された[12]

表彰[編集]

第63回英国アカデミー賞
  • 受賞 - 新人賞(監督)
  • ノミネート - 英国作品賞
2009年シアトル国際映画祭
  • 受賞 - 主演男優賞
2009年ナショナル・ボード・オブ・レビュー
  • 受賞 - 新人監督賞
第12回英国インディペンデント映画賞
  • 受賞 - インディペンデント映画賞
  • 受賞 - ダグラス・ヒコックス賞(新人監督賞)
  • ノミネート - 監督賞
  • ノミネート - 主演男優賞
  • ノミネート - 脚本賞
  • ノミネート - 技術賞
2009年ロンドン映画批評家協会賞
  • 受賞 - 新人賞(イギリス国内)
第36回サターン賞
2010年ヒューゴー賞

注釈[編集]

  1. ^ How David Bowie's son wound up making an indie movie about the Moon”. Sci Fi Wire. 2010年1月20日閲覧。
  2. ^ a b c Moon (2009)”. Box Office Mojo. 2010年6月26日閲覧。 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "boxoffice"が異なる内容で複数回定義されています
  3. ^ a b c d ダグラス・エドワード. “Sundance EXL: Duncan Jones & Sam Rockwell on Moon” ((英語)). ComingSoon.net. クレイヴオンライン・メディア&エボルブ・メディア. 2009年1月23日閲覧。
  4. ^ a b “News Etc.”. エンパイア (バウアー・コンシューマー・メディア) 2009 (February): 20-21. 
  5. ^ a b How David Bowie's son wound up making an indie movie about the Moon” ((英語)). Blastr. 2012年12月14日閲覧。
  6. ^ a b A. O. Scott. “Planet Earth Is Blue and Far Away in Duncan Jones’s Film” ((英語)). ニューヨーク・タイムズ. 2009年6月11日閲覧。
  7. ^ Greg Marshall. “Sundance goes sci-fi with 'Moon'” ((英語)). ParkRecord.com. Digital First Media. 2009年1月16日閲覧。
  8. ^ moon_presskit.pdf (PDF)” ((英語)). ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント. 2009年1月16日閲覧。
  9. ^ Gregg Goldstein. “10 Days of Sundance: Moon waxes Theatrical With Sony” ((英語)). MCN Blogs. 2009年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月23日閲覧。
  10. ^ James White. “10 Egregious Oscar Snubs” ((英語)). エンパイア. バウアー・コンシューマー・メディア. 2014年4月23日閲覧。
  11. ^ Roger Ebert. “Moon Movie Review & Film Summary (2009)” ((英語)). シカゴ・サンタイムズ. 2009年6月17日閲覧。
  12. ^ Ryan Stewart. “Duncan Jones (a.k.a. Zowie Bowie): Moon” ((英語)). SuicideGirls. 2013年9月15日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2009年6月11日閲覧。

外部リンク[編集]