ボイル=シャルルの法則
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ボイル=シャルルの法則(ボイルシャルルのほうそく、英: combined gas law)は、理想気体の体積と圧力、温度に関係する法則[1]。シャルルの法則、ボイルの法則、ゲイ=リュサックの法則を組み合わせたものである。この法則の公式的な発見者はおらず、すでに発見されていた法則を融合させたものである。これらの法則は、気体の圧力、体積、絶対温度のうち任意の2変数が、その他の変数を定数として置いた場合、互いに比例あるいは反比例することを示している。ボイル=シャールの法則ともいう。
シャルルの法則は、圧力一定の条件下では体積と絶対温度が比例することを示すものである[2]。ボイルの法則は、温度一定の条件下では圧力と体積が反比例することを示している。そして、ゲイ=リュサックの法則は、体積が一定の場合には絶対温度と圧力が比例するというものである。
ボイル=シャルルの法則はこれらの変数の相互依存関係を簡潔に示している。一言でいえば、
「 | 気体の圧力P は体積V に反比例し絶対温度T に比例する[1] | 」 |
これを変形して、状態量を全て左辺に移すと、
ここで、
である。
従って、この式の左辺は気体の状態に依存しない定数となる。 2つの異なる環境にある同じ物質を比較した場合、この法則は以下のように書ける。
アボガドロの法則をボイル=シャルルの法則に導入することにより、理想気体の状態方程式を導くことが可能となり、さらには拡張されて「ボイル=シャルルの法則」そのものとされた。
ここで、n = m /M は気体の物質量、R は気体定数、m は気体の質量、M は気体のモル質量である。
関連項目[編集]
出典[編集]
- ^ a b 朝永振一郎 『物理学読本』 (第2版) みすず書房、1981年、142頁。ISBN 4-622-02503-5。
- ^ 歴史的にはこの現象の発見はゲイ=リュサックによるものとの見解が主流であり、国によってはこちらをゲイ=リュサックの法則と呼ぶ(Keith J. Laidler, The World of Physical Chemistry, 1995 (with corrections), Oxford University Press, pp. 131-135. ISBN 0-19-855919-4)