ホムンよ故郷を見よ

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ホムンよ故郷を見よ』(ほむんよこきようをみよ)は、小松左京の中編SF小説。『宇宙塵1963年71号、72号に掲載された。


内容[編集]

パルファ系と呼ばれる星間文明世界の辺境の地、植民星カンピア10番星を訪れた科学者のノルとウリギアは、総督タオリの案内でカンピア10番の先住民「ホムン」の村を訪れた。彼らは通常のパルファ人が10本指(片手で10本指)であるのと違い、11本の指(同様に片手で11本指)を持っているのだ。そのため彼らは本星人の差別と迫害を恐れて、辺境の地に隠れ住んでいる。彼らの独特の文化に魅了されたノルとウリギアは、村人や、差別を解消し同化を目指すタオリの反対を押し切り、考古学調査を進める。ホムンの知識人で医師である青年コルパトは秘密裏に、彼らをホムンの歴史を研究するヤム老人に引き合わせる。彼の語る伝承を手がかりに発掘調査を進めるうちに、ホムンの驚くべき秘密を彼らは知ることになる。

この物語の背景のトリックとして、記数法についての薀蓄が効果的に使われている。

備考[編集]

タイトルの「ホムンよ故郷を見よ」は、トーマス・ウルフの『天使よ、故郷を見よ』(ミルトンの『失楽園』の中に出てくる文句)のもじりである(単行本あとがきより)。

書誌情報[編集]

以下の単行本に収録(2010年現在)